2025年10月15日
カルティエのサントスとは?誕生の背景・モデル・愛用芸能人を解説!

カルティエは1847年にフランス・パリで誕生した世界的なハイジュエラーです。「王の宝石商、宝石商の王」とも称され、ヨーロッパ王室をはじめ、世界中のセレブから長く愛されてきました。カルティエといえば、指輪やネックレスなどの高級ジュエリーでよく知られていますが、実は時計ブランドとしても非常に長い歴史と実績を持っています。
そこで今回は、カルティエの時計の中でも歴史が古く、高い人気を誇る時計「サントス」について解説していきます。カルティエの名作ウォッチとも呼ばれるサントスとはどんな時計なのか。サントス誕生の背景や名前の由来、デザインの特徴、機能性、モデル・サイズ展開まで詳しく紹介。後半ではサントスの時計を愛用している芸能人やサントスネックレスについても取り上げています。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.カルティエの時計ブランドとしての歴史と実績

カルティエは、もともとは1847年にフランス・パリでルイ=フランソワ・カルティエが創業したジュエラーです。イギリス国王エドワード7世から「王の宝石商、宝石商の王」と称されるほどの地位を確立し、1939年までに世界15ヵ国の王室御用達となりました。
実はカルティエは創業から6年後の1853年には既に、懐中時計やレディースのペンダントウォッチなどを手掛けていました。その後、1904年に世界初の男性用腕時計とされる「サントス」を製作、1911年に一般販売を開始。当時は、まだ実用的な腕時計が一般的に普及していない、懐中時計が主流だった時代です。カルティエはそれを機に、その後も腕時計の普及に大きく貢献することとなります。
戦車のデザインから着想を得た「タンク」(1919年)や、1930年代にマラケシュ太守の依頼で開発された防水時計の原型を持つ「パシャ」など、時計史に名を残すアイコニックなモデルを次々と生み出しました。
その結果、カルティエは現在でもスイスの一流時計メーカーと肩を並べる確かな技術力を持ちながら、他ブランドとは一線を画す洗練されたスタイルを提案し続けています。カルティエらしい芸術的なデザインと高級感を武器に、腕時計をファッションの一部として昇華させてきました。
現代においても、その芸術的なデザインと高い技術力は世界的に評価されていて、時計部門の売上高では世界的なハイブランドの中で上位に位置するなど、宝飾と時計、両方の分野で確固たる実績を持っています。2010年には自社開発ムーブメントを発表し、マニファクチュール(自社一貫生産)としても認められています。
2.カルティエのサントスとは?誕生の背景と名前の由来
カルティエの「サントス」は、世界初の男性用実用腕時計として時計史に名を刻むコレクションです。
「サントス」の誕生は1904年。当時、3代目ルイ・カルティエの友人であるブラジル人飛行士、アルベルト・サントス=デュモンが、「飛行機の走行中に、操縦装置から手を離さずに時間を確認する時計がほしい」とカルティエに相談したことがきっかけとなります。当時は、女性用の宝飾品としてのブレスレットウォッチはありましたが、一般的にはまだ懐中時計が主流であり、腕につける実用的な時計というものはありませんでした。
ルイ・カルティエは、飛行中でもすぐに時刻を確認できる「腕に着ける時計」を発案し、サントス=デュモンのために製作しました。これが世界初の男性用腕時計とされ、依頼主の名前をそのまま冠して「サントス デュモン」と命名されたのです。
サントスのスクエア(四角)型のケースは、懐中時計が主流だった時代には革新的なデザインでした。また、ケースのビスは、風防ガラスの交換を容易にするための工夫ではありましたが、あえて隠さずに表に出すことでアイコニックなデザインとして確立されています。また、ビスのデザインは、飛行機のボディのパーツをつなぐネジから着想を得たともいわれています。
サントス・デュモンは、1911年に一般発売され、現代まで当時のデザインと大きく変わらずに受け継がれています。
3.サントスの特徴や魅力

世界初の男性用腕時計であるサントスは、1911年に発表された当時、かなり革新的な存在でした。100年以上経った今でも、上品かつモダンなデザインで世界中から愛されています。
ここでは、サントスの特徴や魅力を解説します。
3-1.普遍的でありながら個性あるデザイン
サントス最大の特徴は、スクエア(四角)型のケースとベゼルに配された8つのビス装飾です。
角に丸みを持たせたスクエア型(四角)のケースは、当時の主流だった丸型懐中時計とは一線を画しスポーティーかつエレガントで、時代を超えた普遍的なスタイルを確立しました。
ビスのデザインは飛行機のパーツを想起させ、工業的な力強さとカルティエらしい洗練された美しさが混在しています。
また、ローマ数字のインデックスとレイルウェイ目盛りも、カルティエらしいクラシカルな美しさを際立たせています。
シンプルなのに存在感があるため、ビジネスからカジュアルまで幅広くマッチ。多様なシーンに馴染む汎用性の高さと、一目で分かる独自の存在感を両立させているのがサントスの魅力です。
3-2.実用性・機能性の高さ
サントスは、革新的な機能と実用性により、現代のライフスタイルにも完璧にフィットする万能ウォッチとして人気を高めています。
サントスのケースは裏側が湾曲したデザインになっていることで腕に吸い付くようなフィット感があります。ケースの厚みも比較的薄く、シャツの袖元にも収まりやすいため着用時のストレスがありません。
また、現行のサントスには、ブレスレットやストラップを工具なしで交換できるクイックスイッチシステムが搭載されています。付属のレザーストラップに自分で簡単に付け替えられるため、「仕事の日はメタルブレス、休日はレザー」のような使い分けが可能です。
工具を使わず数秒で交換できるため、気分やシーンに合わせてスタイルを変えたい人にとって大きな魅力です。
さらにサントスは、防水面でも優れています。ケースの厚みが10mm以下でありながら、現行モデルでは10気圧(100m)防水を備え、日常使いでの水濡れや急な雨にも強く、高い耐久性を持ちます。
時計のムーブメントは金属でできているため、磁気を帯びることで機能が狂ってしまいます。自社製ムーブメント「Cal. 1847 MC」は1200ガウスという高い耐磁性能を持ち、電子機器や磁気を発するものに近づけても、ほとんどの場合で性能の維持が可能です。
3-3.安定した資産価値の高さ
サントスは、その資産価値の安定性と高いリセールバリューも魅力のひとつです。
世界を代表するカルティエのアイコンモデルとして、100年以上の長い歴史、高いブランド力、そして変わらない普遍的なデザインが、常に高い市場需要を支えています。
サントスの現行モデルは、洗練されたラグジュアリースポーツウォッチとしての人気上昇に加え、近年で続く定価改定(値上げ)が、中古市場の相場を押し上げる要因となっています。
特に歴史が長く定番モデルのサントスは、中古市場でも高い人気を誇り、モデルにもよりますが40〜60%という高い換金率を維持しています。着用する楽しみだけでなく現物資産としても注目されていて、資産価値が高いことは購入後の満足度にもつながります。
4.サントスのモデルバリエーション
カルティエ サントスには、素材やデザイン、機能の違いによっていくつかのモデルが展開されています。
ここでは、代表的なバリエーションと価格の目安を整理しながら、それぞれの特徴を解説します。
4-1.サントス ドゥ カルティエ

現在のサントスの主力ラインがサントス ドゥ カルティエです。
2018年にリニューアルされ、よりモダンで洗練されたデザインへと進化しました。クイックスイッチによるストラップ交換機構や、ブレスレットの駒調整が工具なしで可能な「スマートリンク」を搭載するなど、現代的な実用性を備えています。
4-2.サントス デュモン

「サントス デュモン(Santos Dumont)」は、サントスシリーズの中でも最もクラシックで原点に近いモデルです。
1904年、ブラジル出身の飛行家アルベルト・サントス=デュモンのために作られた腕時計がこのモデルのルーツであり、そのエレガントなデザインを現代に引き継いでいます。
ケースはスクエア型でベゼルにビスが並ぶサントスならではのデザインを受け継ぎ、ストラップはレザーベルトのみの取り扱いです。全体的に薄型で軽く、ジャケットスタイルやフォーマルシーンにも自然に馴染みます。 ムーブメントはクォーツ式や手巻き式などバリエーションがあり、ステンレス、ピンクゴールド、コンビなど素材の選択肢も豊富です。
4-3.サントス ドゥモワゼル(廃盤)
「サントス ドゥモワゼル(Santos Demoiselle)」は、カルティエのサントスシリーズの中でも特に小ぶりで上品なデザインが特徴のモデルです。
その名の「ドゥモワゼル(Demoiselle)」は、フランス語で「お嬢さん」の意味であり、サントス=デュモンが開発した飛行機「ドゥモワゼル号」に由来しています。シリーズの伝統を継ぐ女性向けのモデルとして2005年に登場しました。
ケースサイズは約24mmとコンパクトで、女性向けのエレガントなデザインが魅力。細めのブレスレットやシンプルなローマンインデックスが洗練された印象を与え、ドレスやスーツスタイルにも華を添えます。
4-4.サントス ガルベ(廃盤)
「サントス ガルベ(Santos Galbée)」は、1978年に登場したサントスシリーズの中でもクラシックな魅力を持つ廃盤モデルです。
「ガルベ(Galbée)」とはフランス語で「曲線」や「丸み」を意味し、その名の通りケースやブレスレットのフォルムにやわらかなカーブを描いているのが特徴。スクエアケースの角が少し丸みを帯びており、現行サントスよりも優しい印象を与えます。
ブレスレットにもビス装飾が施され、サントスらしい力強さと上品さを兼ね備えていますが、ケースの厚みが抑えられているため、装着感は非常に軽快。エレガントさとスポーティさを併せ持ったクラシックモデルとして、長年にわたって支持されてきました。
現在は廃盤となっていますが、その完成されたデザインとフィット感の良さから、中古市場では根強い人気があります
5.サントスのサイズ展開

サントスは主にLM(ラージ)、MM(ミディアム)、一部レディース向けのSM(スモール)サイズを展開しています。
手首の太さや着用スタイルに合わせて選べるため、男女問わずベストなサイズを見つけやすいことも魅力です。
5-1.LM ラージモデル
ケースサイズ
47.5mm×39.8mm(サントス ドゥ カルティエ)
43.5mm×31.4mm(サントス デュモン)
男性向けの定番サイズで、手首が太めの人やスポーティーに着けたい人におすすめです。
スーツスタイルでもしっかり主張でき、視認性も高いため、一本で存在感を出したいならLMが有力候補になります。
5-2.MM ミディアムモデル
ケースサイズ
35.1mm×35.1mm(サントス ドゥ カルティエ)
少し小ぶりで、手首が細めの男性や、控えめで上品に着けたい人に向いています。
スーツの袖口に収まりやすく、職場でも浮かずに着用できます。「長く使うなら控えめなサイズを」と考える人に人気のサイズです。
5-3.SM スモールモデル
ケースサイズ
27mm×34.5mm(サントス ドゥ カルティエ)
38mm×27.5mm(サントス デュモン)
SM(Small Model)は、サントスシリーズの中で最もコンパクトなサイズに位置づけられるモデルで、2025年に発表されました。
MMよりも一回り小さく、すっきりとした印象になります。女性向けとして展開されていることが多いですが、手首が細めの男性が選ぶケースも増えています。
小ぶりながらも、サントスらしいスクエアケースやビス装飾、ローマンインデックスなどはオリジナルから受け継がれたデザイン。主張しすぎず、控えめな上品さを求める人にぴったりのサイズ感です。また、軽量で装着感も抜群のため、長時間つけていても疲れにくく、日常使いにも最適です。ビジネスシーンで目立ちすぎない時計を探している方や、ペアウォッチとして選びたい方にもおすすめできます。
6.サントスはダサい?買って後悔する?

サントスについてインターネットで調べていると「ダサい」や「後悔」などの言葉が出てきて不安になる方もいるかもしれません。
ここでは、「サントスがダサいといわれる理由」から「買って後悔しないためのポイント」「サントスの選び方」まで解説しています。
6-1.サントスがダサいといわれる理由
「ダサい」と感じるかどうかは個人の感覚によって異なりますが、カルティエのサントスが「ダサい」という意見はかなり少数派です。スクエア型の文字盤や航空機のパーツから着想を得たビスの装飾が他にはなく個性的なので、人によっては好みに合わず「ダサい」と感じるかもしれません。
ただし一般的には、サントスは高級感のあるスタイリッシュな時計として評価されています。サントスの100年以上デザインが大きく変わっていないという事実は、流行に左右されない証でもあります。ファッションやトレンドが移り変わる中で、これほど長く愛されてきたデザインが「ダサい」という評価には当てはまらないでしょう。むしろ、他にはない個性と歴史を併せ持つサントスは、時計好きから「不朽の名作」として高く評価されています。
6-2.サントスを買って後悔しないためのポイント
カルティエのサントスは、歴史やデザイン性に優れ、間違いなく満足度が高く、長く愛用できる時計です。しかし、高額な買い物だからこそ「買って後悔したくない」という不安は当然ありますよね。実際にネット上の口コミを調べてみると、「思ったよりもケースサイズが大きかった」「ドレスウォッチ寄りでカジュアルには合わせにくい」といった声も見られます。
後悔を避けるためには、まず試着することが何より大切です。サイズ感は数字を見ただけでは判断が難しく、腕の太さや骨格によって印象が大きく変わります。また、着けた時の重さやブレスレットの質感、シャツの袖口とのバランスも確認しておきましょう。
さらに、自分の用途を明確にしておくことも重要です。ビジネスシーンをメインに使いたいのか、休日のカジュアルコーデにも合わせたいのかによって、選ぶモデル(LMかMM、スティールかコンビか)が変わってきます。自分のライフスタイルやファッション傾向に合ったモデルを選ぶことで、購入後に「イメージと違った」と感じるリスクを大きく減らせます。
6-3.サントスの選び方
サントスを選ぶ際に最初に迷うのがサイズです。特に男性は「LM(ラージモデル)」と「MM(ミディアムモデル)」で迷う人が多いでしょう。
LMはケースサイズが約39mm、MMは約35mm。LMは存在感があり、腕元に迫力を出したい方や手首が太めの方に向いています。一方、MMは控えめでスーツにも合わせやすく、ビジネスユースに最適です。
素材も重要なポイントです。もっとも人気なのはステンレススティールで、どんなスタイルにも合わせやすく、価格も比較的手に取りやすいのが魅力。より高級感を求めるならステンレス×イエローゴールドのコンビモデルやピンクゴールドモデルも選択肢に入ります。
ブレスレットはカルティエ独自の「クイックスイッチ」機構を搭載していて、工具なしで付け替えが可能です。ステンレスブレスとレザーストラップを服装や場面によって使い分けることで、1本で複数の表情を楽しめます。
サントスを購入する際は、長く愛用する1本として、自分の使い方を想像しながら選ぶことが大切です。
7.カルティエ サントスを愛用している芸能人
サントスはその長い歴史とデザイン性から、多くの著名人に愛されてきました。日本でも多くの芸能人がサントスを愛用しています。
どんな芸能人がどのサントスの時計を愛用しているのかチェックしてみましょう。
7-1.反町隆史さん

サントス ドゥ カルティエ LM Ref.WSSA0039
俳優の反町隆史さんは、2023年のカルティエのイベント「TIME UNLIMITED-カルティエ ウォッチ 時を超える」の際に、サントス ドゥ カルティエを着けていました。
ブラックがベースカラーのモデルで、力強くスタイリッシュなデザインです。LMサイズで抜群の存在感を感じられます。
ケースは、ADLC(アモルファスダイヤモンドライクカーボン)加工が施されたもので、ダイヤモンドに負けない硬さと摩擦に強さを持ちます。
7-2.平野紫耀さん

サントス ドゥ カルティエ MM Ref.WSSA0029
平野紫耀さんは、サントス ドゥ カルティエのMMサイズでステンレスモデルを愛用しています。
オールステンレスのシンプルなデザインがクールで洗練された雰囲気を際立たせています。
7-3.水谷豊さん

サントス デュモン SM Ref.WSSA0023
俳優の水谷豊さんはドラマ「相棒」Season20でサントス デュモンを着用していました。濃紺のレザーベルトが高級感と大人の雰囲気を醸し出しています。コンパクトでさりげなく着けられるサイズ感とクラシカルなデザインが魅力です。
ムーブメントも機械式ではなくクォーツ式を採用したモデルで、新開発されたクォーツは約6年間の寿命を保てます。
8.サントスにはネックレスもある!サントスネックレスの魅力
実は、カルティエの「サントス」には時計だけでなく、ジュエリーコレクションとしてのネックレスも存在します。
サントスネックレスは、シンプルなチェーンネックレスで、力強さとエレガンスを兼ね備えたデザインが特徴です。素材はイエローゴールドやホワイトゴールドが中心で、「細め(スモール)」と「太め(ミディアム)」のサイズ展開があります。単体で存在感のあるチェーンネックレスとして、また、ペンダントトップをつけずそのままの美しさを楽しむアイテムとして人気を博しています。
メンズジュエリーとしても人気が高く、Tシャツやジャケットスタイルにさりげなく合わせるだけで、上品な存在感を演出できます。。
サントスのネックレスは、時計と同じく多くの芸能人が愛用していることでも知られ、愛用者には北川景子さんや東原亜希さん、玉森裕太さん、横浜流星さんなどの名が挙げられます。
9.まとめ
カルティエのサントスは、世界初の男性用腕時計として誕生した唯一無二の歴史を持ちます。洗練されたデザイン、ビジネスからカジュアルまで幅広く活躍する凡庸性の高さと実用的な機能性。まさに名作ウォッチとしてふさわしい腕時計です。初めての高級時計として選ばれることも多く、サントスはまさに理想的な選択肢と言えます。
サントスは、選ぶモデルやサイズ、素材によって個性を出せることも魅力のひとつです。シンプルでありながら確かな存在感で、仕事でのスーツスタイルにも、休日のカジュアルコーデにも自然に溶け込みます。
また資産価値の高さという側面からも、買って後悔するというケースは少ないでしょう。選ぶ際は、実際に試着をし、自分に合ったサイズ・素材を選ぶことが大切です。確かな歴史と普遍的なデザインを持つサントス。長く寄り添う一本として、これからの時間を共に刻んでいく最高のパートナーとなるでしょう。


