2026年7月01日
カルティエのベニュワールは廃盤?実は進化中!歴史や新作も解説
時計

カルティエのベニュワールが気になっているけれど、廃盤になったという噂を聞いて戸惑っていませんか?実際にネット上で「ベニュワール 廃盤」というキーワードを目にして、購入を諦めかけている方は少なくありません。
実は、一部の旧モデルが生産終了になった情報が独り歩きしているだけで、ベニュワールは廃盤になっていません。
この記事では、ベニュワールの廃盤に関する真相や新作情報をお伝えするとともに、名前の由来やデザインの歴史を解説。さらに、サイズ展開、国内外のセレブや芸能人など愛用者の情報まで網羅しました。ぜひ参考にしてください。
目次
1.カルティエのベニュワールは廃盤になったの?

ベニュワールが「廃盤になった」と耳にして、不安に感じている方は少なくないでしょう。
結論からいうと、ベニュワールは今もカルティエの現行コレクションに名を連ねています。過去の仕様や一部モデルについては流通が限られるものもありますが、ベニュワール自体は現在も展開されています。2023年には、バングルスタイルのミニ ベニュワールも発表されました。
ここでは、廃盤と復刻をめぐる事実を紹介します。
1-1.「廃盤」と言われる理由は過去モデルの仕様変更にある
ベニュワールはコレクション全体が廃盤になったわけではありません。1973年に正式コレクションへ加わって以降、長く同じ仕様で愛されてきましたが、2009年の大幅なリニューアルによって、それまで続いた旧仕様のモデルが姿を消した、というのが実情です。
刷新のポイントは大きく3つあります。最初に挙げられるのはケースのフォルムで、よりフラットでシャープな印象へと整えられました。控えめだったローマンインデックスも大きく刷新され、視認性と存在感が一段と高まったのも特徴的です。
過去モデルの中には、現行モデルとは異なる操作方式や外装仕様を持つものもあります。現行のベニュワールでは、サファイアカボション付きのリューズを備えたモデルが展開されています。
過去の仕様や一部モデルの流通が限られることで、「ベニュワールは廃盤になった」と誤解されることがあります。中古市場では現在も旧仕様のベニュワールが流通しており、当時のクラシックな佇まいを好む方から根強い支持を集めているコレクションです。
1-2.2023年に新作としてリニューアル発売
2023年3月末から4月初旬にかけてスイス・ジュネーブで開催された世界最大級の時計フェア「WATCHES & WONDERS GENEVA 2023」で、カルティエはベニュワールの新作を発表しました。従来のデザインコードを継承しながら、バングルスタイルという新たな方向性を打ち出したコレクションです。
時計とジュエリーの境界線をなくすというコンセプトが、世界の時計ファンから大きな注目を集めました。
2023年の新作発表を機にベニュワールへの関心が国内外で高まり、バングルスタイルのジュエリーウォッチとして改めて注目を集めています。カルティエを代表するシグネチャーウォッチのひとつとして、その存在感を発揮し続けています。
2.カルティエのベニュワールの歴史と「バスタブ」と呼ばれる由来

ベニュワールという名前と、なめらかなオーバルケースの背景には、カルティエが長く追求してきた造形美と、20世紀初頭から続く楕円形ウォッチの歴史があります。ここでは、ベニュワールの名の意味と誕生の歴史を紹介します。
2-1.そもそも「ベニュワール」とはどんな意味?
ベニュワールはフランス語で「バスタブ/浴槽」を意味する言葉です。なめらかな曲線で縁取られた楕円形のケースが、西洋式の浴槽の輪郭を思わせるところから、ベニュワールの名がついたといわれています。
由来には複数の説があります。ベニュワールの原型については、1912年にルイ・カルティエがロシア大公妃マリア・パヴロヴナのために楕円形の時計を制作したという逸話が知られています。
フランスを代表するオペラ座であるガルニエ宮で、VIP席を「ベニュワール」と呼ぶ習慣があり、その由緒ある呼び名を時計に与えたという説も語り継がれます。
どの説を採るにせよ、フランス文化の中で「特別な空間」を表す言葉が、優美な腕時計の名前に選ばれた点に、ジュエラーであり時計師でもあるカルティエらしい遊び心が感じられます。
2-2.1912年に誕生した楕円形(オーバル)の原型
ベニュワールの原型が誕生したのは1912年のことです。腕時計は円形が当たり前だった時代に、創業者の孫であるルイ・カルティエが伝統的な丸いフォルムを縦に引き伸ばすという発想で生み出した、革新的なデザインでした。
初期の楕円形ウォッチについては、ロシア大公妃マリア・パヴロヴナのために制作された特別注文品だったと伝えられています。並行する2本の直線が両端でなめらかな曲線につながる独特なシルエットは、楕円形ケースの原型となり、コレクション全体に脈々と受け継がれてきました。
一般の時計が技術志向で角ばっていく中、宝飾の感性を起点に曲線美を追い求めた楕円形のフォルムは、現代に至るまで色あせない斬新さを保ち続けています。
2-3.1973年に正式なコレクションとして展開
1973年、楕円形ケースのドレスウォッチとして正式に「ベニュワール」というコレクション名が与えられます。このとき「ルイ・カルティエ コレクション」の一環としてシリーズ化されたことで、それまで限られた顧客向けの特別な存在だった楕円形ウォッチが、大人の女性に向けたシグネチャーモデルへと羽ばたく転機となりました。
派生モデルが次々と生まれたのも、コレクション化以降の流れです。縦に長く引き伸ばした「ベニュワール アロンジェ」や、壊れたベニュワールからインスピレーションを受けて誕生したとされる「クラッシュ」など、ベニュワールにゆかりを持つアイコンが時代ごとに登場します。
カトリーヌ・ドヌーヴをはじめとする著名な女優たちにも愛用され、洗練された大人の腕時計の代名詞へと育っていきました。
3.カルティエのベニュワールのサイズ展開と特徴
ベニュワールのサイズ展開は、華奢な手元から個性派の佇まいまでをカバーする幅広さが特徴です。ミニサイズで控えめにまとうのか、定番モデルで毎日身につけるのか、選び方によって表情が大きく変わります。
ここでは4つのサイズの特徴を紹介します。
3-1.ミニ:華奢な手元に映える最小モデル

ミニは縦24.6mm×横18.7mmと、コレクションの中でも特にコンパクトに仕上げられたモデルです。腕時計というより、楕円形の小さなジュエリーをまとうような感覚で身につけられるのが特徴です。
華奢な手首にもふんわりとなじむため、特に手元の繊細さを大切にしたい方や、ブレスレットと重ねづけしたい方から支持されています。ムーブメントはクォーツ式で、日常生活防水も備わっており、宝飾の趣を残しながらデイリーウォッチへも自然に馴染んでくれるバランスのよさが心地よい一本です。
袖口からのぞいたときに主張しすぎず、それでいて確かな品格を漂わせるサイズ感が、和装にも洋装にもふんわりと寄り添うため、日本の女性から長く愛されているのも納得の使いやすさです。
3-2.スモール:使い勝手の良い定番サイズ

スモールは縦約31mm×横約23mmで、コレクションの中で最もスタンダードに位置付けられるサイズです。ミニサイズと、ひと回り大きなミディアムサイズのちょうど中間にあたり、毎日身につける一本目のドレスウォッチに選ばれることが多いラインです。
文字盤に十分な余白が生まれるため、オーバル形状に沿って配されたローマ数字とブルースチール針の表情が際立ちます。視認性が高く、仕事のシーンでも気負わず時間を確認できる頼もしさを持ちながら、楕円形ケースのまるみがフェミニンさを失わせないバランスのよさにまとまっています。
ジャケットの袖口からさりげなくのぞくとビジネスシーンに知的な印象を添え、肌をあらわにする夏のスタイルでは華やかなアクセサリー感を主張します。フォーマルからカジュアルまで活躍する万能さがあるため、「ベニュワールを一本だけ選ぶならスモールサイズ」と推す愛好家も少なくありません。
3-3.ミディアム:ひと回り大きく主役感のある中間サイズ

ミディアムは縦約36mm×横約26mmと、スモールよりひと回り大きく、楕円形ケースの主役感をより明確に楽しめるサイズです。手元のアクセサリーが袖口からのぞいたときに、確かな存在を感じさせる印象的な見え方をしてくれます。
クォーツムーブメントを搭載し、ピンクゴールドやホワイトゴールドにダイヤモンドをあしらった華やかなモデルが揃います。日常生活防水も備わっているため、ジュエリー感の高い佇まいでありながら、毎日身につけても気負わずに使える堅実さも兼ね備えたサイズです。
文字盤に余白がしっかり生まれることで、放射状のローマ数字とブルースチール針のコントラストが鮮明に映えます。
3-4.アロンジェ:特別な存在感を放つ優雅なフォルム

アロンジェは、フランス語で「細長い」を意味するモデル名のとおり、縦約47mmと縦方向に大胆に引き伸ばされた楕円形が個性となるモデルです。
ムーブメントは機械式の手巻きで、本格仕様にまとめられています。文字盤の縦長レイアウトに沿って配置されたローマ数字は、ふつうのベニュワールとはまた違う律動感を生み、見ているだけで一枚の絵画を覗き込むような感覚をもたらすでしょう。
手首にのせると細く長く流れる影が手元を縦に引き締め、装いに洗練された印象を加えてくれるでしょう。現代の量産時計とは一線を画する、ジュエラーらしい遊び心を体現したラインです。
4.【芸能人・著名人】カルティエのベニュワールの愛用者
ベニュワールは、世界中の女優や王侯貴族、現代のファッションアイコンに至るまで、上質な目を持つ方々の手元を彩り続けてきました。ここでは、海外と日本それぞれの代表的な愛用者を紹介します。
4-1.海外セレブや王室にも愛されたエレガンス
ベニュワールの歴史を最初に彩ったのは、ロシア皇室のマリア・パヴロヴナ大公妃でした。1912年、創業者の孫ルイ・カルティエが楕円形ケースの原型を生み出した際、特別に贈られた一本のケースが「バスタブ」を思わせる形状だったことが、後のコレクション名の由来のひとつとされています。
1960〜70年代には、ベニュワールはフランス映画界を彩る名女優たちの腕元で輝きました。フランス映画の象徴的存在であるカトリーヌ・ドヌーヴ、ヨーロッパ映画黄金期の主演を数多くこなしたロミー・シュナイダー、ヌーヴェルヴァーグの代表的女優ジャンヌ・モローといった面々が愛用し、知性と官能性をあわせ持つ大人の女性像と結びつくアイコンへと押し上げられました。
近年は世界中で人気が再燃しています。米国の人気セレブであるエマ・チェンバレンは2023年のパリ・ファッション・ウィークでベニュワールをチョーカーとして着用し話題を集め、ケンダル・ジェンナーも愛用者として知られています。
クラシックな美意識と現代のスタイルを軽やかに行き来する万能さこそ、ベニュワールが長く愛され続ける理由といえるでしょう。
4-2.日本国内の芸能人の愛用例
日本国内で、ベニュワールを身につけている芸能人は叶姉妹です。お二人がジュエリー感覚で腕時計をまとう姿は、ベニュワールが持つ宝飾性をそのまま体現する装いの代表例といえるでしょう。
ファッション誌の腕時計特集でも、ベニュワールの起用は増えています。俳優の内田有紀さんがイエローゴールドのミニ ベニュワールをまとった大人ラグジュアリー誌の撮影や、女優の堀田茜さんがイエローゴールド×ブラックシャイニーカーフスキン仕様のミニサイズを着用した働く女性向け誌の特集は、誌面でベニュワールが「いま選ばれている一本」に位置付けられる場面の多さを物語っています。
「主張しすぎず、それでいて確かなクラフトマンシップを楽しみたい」と感じる日本の女性たちにとって、ベニュワールは長く付き合えるドレスウォッチへと地位を確立しつつあるのです。
5.【まとめ】ベニュワールは廃盤を経て進化した名作
カルティエのベニュワールは、コレクションそのものが廃盤になったわけではなく、2009年と2019年の節目で大きく姿を整えながら、2023年にはバングルウォッチの新作で世界的なブームを巻き起こしました。
1912年に生まれた楕円形の原型から100年以上、進化を続ける生命力こそが、ベニュワールが長く愛され続ける核心といえます。
「定番をひとひねりした個性が欲しい」「派手すぎず、それでいて確かな品を添えたい」と感じる方にとって、ベニュワールは長く付き合えるドレスウォッチになるでしょう。袖口からのぞくたびに、楕円形のフォルムが優しく時を刻む心地よさを、ぜひ手元で味わってみてくださいね。
