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2024年1月09日

【解説】パリ5大ジュエラー「ブシュロン/BOUCHERON」の歴史と代表作。

ジュエリー

ティファニー、カルティエ、ハリーウィンストン、ヴァンクリ、シャネルなどなど・・・様々な人気ブランドがありますが「人と被らないブランドが気になる!」「ジュエラーとしての格やイメージも大切にしたい」「歴史が長くて安心できるブランドがいい」という方には、パリ5大宝飾店の一つ『ブシュロン/BOUCHERON』はぜひとも知っておきたいジュエリーブランドの1つです。

この記事ではそんなブシュロンの160年以上にわたる歴史を徹底解説。魅力や知名度・ブランドイメージについても解説していきますので、ブシュロンが少しでも気になっている方は是非ご覧ください。

1.【ブシュロンの歴史:創業期】生い立ちと万博での功績

1-1.創業者 フレデリックブシュロンの生い立ち

出典:BOUCHERON

1830年、フランス7月革命真っ只中の時代のパリにてブシュロン創業者「フレデリックブシュロン」は誕生しました。この時代のパリは、ドラクロアが描いた『民衆を導く自由の女神』に象徴されるように、王政への不満が爆発し、国民が立憲君主制を勝ち取った年でした。映画などでもよく耳にする『レ・ミゼラブル』や『ラ・マルセイエーズ』が思い出されるフランス激動の転換期に、繊維業を営む家庭でフレデリックブシュロンは生まれました。

幼いころから柔らかな風合いの生地やレースなど繊細なファブリックに親しんでいたフレデリックブシュロンですが、14歳の時に当時有名だったジュール・シェージュというジュエリーのアトリエに弟子入りします。アトリエや小売店での修行を通して約13年間、金属加工の腕や接客、持ち前のセンスを磨いていきました。

1-2.パレ・ロワイヤルにて最初の店舗をオープン

1858年、フレデリックブシュロンは28歳を迎える年にパリのパレ・ロワイヤルに自身の初店舗「ブシュロン」を創業します。ルーヴル美術館からもほど近いこの場所には、当初王族や貴族が住んだこともあり、パリの高級品やファッションやレストランが集まる場所でした。ブシュロンというブランド歴史はここから始まることとなります。

1-3.パリ万国博覧会で金賞を受賞

フランスでは1855年からナポレオンによりはじめてパリで万国博覧会が開かれ、2回目に行われた1867年のパリ万国博覧会では、ブシュロンが制作したプリカジュール・エナメルを用いた鏡が金賞を獲得。その後1878、89年と何度も金賞やグランプリを獲得し、ジュエラーとしての名声を確固たるものにしていきました。

出典:BOUCHERON

1889年にパリ万国博覧会でグランプリを獲得したブシュロンの「クエスチョンマーク」は、留め金のないネックレスで女性が一人で着脱が可能な大変画期的なデザインとして評価されました。当時の上流階級の女性たちは、洋服を着たり髪を結ったりジュエリーを身に着けるのにも、メイドさんの手を借りる必要がありました。

しかしブシュロンの開発したこのネックレスは、首の後ろに手を回すことなく、まるでストールを羽織るように軽やかに、簡単に、自分自身で身に着けることができました。これからもう少し先の時代、20世紀に入ってからようやくウエストをきつく締めるコルセットからの解放や、短い丈のスカートやパンツスタイルなど、女性に自由をもたらす実用的なスタイルが可能となっていきます。時代を先取りし「女性の自立」を促進した、ブシュロンの代表作といえるでしょう。

2.【ブシュロンの歴史:成長期】ブシュロンを創った名工と移転の転機

2-1.ブシュロンを支えた名工たち

出典:BOUCHERON

瞬く間に世界の評価を得たブシュロンのジュエリーですが、その功績はフレデリック・ブシュロンひとりだけによるものではありません。フレデリックは生涯を通して才能と情熱あふれる職人や技術者に恵まれ、革新的なアイディアを形にすることができたのです。

シャルル・リフォーはブシュロンを支えた職人のひとりで、先ほども登場したプリカジュール・エナメルを用いることを得意としたエナメル職人でした。金属の下地を用いることなく金属の枠のみでエナメルを支えるプリカジュール・エナメルの技法は、大変な手間と高い技術力が必要な技法です。ステンドグラスの美しさを再現するために考えられたというプリカジュール・エナメルは、光を遮る土台がないためガラス質特有の透明感のある美しさが高く評価されました。質のいいエナメルジュエリーを製作するためには相当の技術が必要で、現代ではどんなにお金を払っても当時と同じ美しさのエナメルを再現することは難しいと言われているほどです。

ダイヤモンドに彫を入れる技術を作り出した、ボルディングというユニークな職人もいました。彼はテーブル面の広いダイヤモンドに、ナポレオン三世の頭文字「N」や、王冠、十字架の彫を施し、ペンダントやブローチに仕上げました。彼はまたダイヤモンドを輪のようにカットする「ロンデル」カットを開発したとも言われています。

このロンデルカットを施したダイヤモンドと真珠と組みあわせたデザインは、ブシュロンのチーフデザイナーを務めたポール・ルグランによって考案されました。現代のコレクションにも登場するブシュロンを代表するデザイン「プルーム・ド・パオン(クジャクの羽根)」のデザインにも影響を与えたのもポール・ルグランです。ブシュロンとルグランがクジャクの羽根で遊んでいたときに受けたインスピレーションが形になったといわれています。先ほども登場した、留め具のないネックレス「クエスチョンマーク」にもこのモチーフが採用されるなど、ブシュロンのジュエリーの歴史を語るのに欠かすことのできない人物です。

ヴァンドーム広場の26番地、ブシュロン本店の最上階はアトリエとなっており、職人たちが日々ジュエリーを製作しています。眺めや日当たりが一番良い場所をアトリエにしているというのは、ブシュロンが職人たちを大切にしていることの表れでもあります。

フレデリック・ブシュロンは、ジュエリーを発表する際に職人の名前を一緒に記載しましたが、これは当時ではとても珍しいことだったそうです。この他にも大勢の優れた職人の名前がブシュロンのカタログに記されました。

ブシュロンの革新的な作品は、ブシュロンが大切にする職人たちとともに作り出されました。

2-2.フレデリックブシュロンの商売人としてのカリスマ性

ブシュロンは、海外の顧客も虜にすることに成功しました。1870年頃から外国相手に商売をはじめます。ティファニーのパリ支店長だったギデオン・リードを通して、アメリカの富裕層向けに商品を卸すようになりました。初期のティファニーのジュエリーがフランス製だったことは広く知られています。

ブシュロンは1897年に、ヨーロッパのなかでもいち早くロシア・モスクワに初めて進出したジュエラーでもあります。そのお陰もあってか、ブシュロンの手がけたジュエリーはロシア皇帝ニコライ2世の目に留まり、皇帝の婚約者アレクサンドラに贈るティアラの製作をブシュロンに依頼しました。

ロシア宮廷とも深いつながりを持つことに成功した、フレデリックブシュロンの商売人としてのカリスマ性もうかがい知れます。

2-3.ヴァンドーム広場に店舗を移転。グランサンク(パリ5大ジュエラー)へ


1893年、ブシュロンは店舗とアトリエをヴァンドーム広場に移転しました。今や世界中のハイジュエリーやブランドが集まる「ラグジュアリーの聖地」として知られるヴァンドーム広場ですが、当時のヴァンドーム広場は今とは異なる様相でした。

18世紀にルイ14世を称えるために建てられたというこの広場は「征服広場」と呼ばれたこともあり、その後ナポレオンによって像が建てられるなど、まさに歴史的に権力と強く結びついた場所でした。その後は貴族の邸宅として使われていて、音楽家のショパンもここで暮らし最後を遂げたといわれています。

まだほとんど何もなかったヴァンドーム広場に初めて店舗を出店したのがブシュロンでした。ブシュロンが店舗とアトリエを構えた28番地は、ヴァンドーム広場の中で最も日当たりが良く、暖かな光にジュエリーが美しく輝いていたといわれています。店舗の最上階にはアトリエがあり、今もブシュロンの職人たちがここでジュエリーを製作しています。

当時のジュエリー販売の方法といえば対面式の販売が一般的でしたが、ブシュロンはショーケースにジュエリーを並べて展示をしました。あえて邸宅感を残したくつろぎを感じる内装に、日の光に照らされたショーケースに並ぶジュエリーが美しいと当時大変話題となり、後に続くようにして続々とヴァンドーム広場に出店していきました。ヴァンドーム広場・モスクワへの出店など、ブシュロンの未来を見据えたかのような「先見性」が現在の発展を切り開いていったといえるエピソードです。

フランスを代表する5つの老舗ジュエラーもここに引き寄せられるように集まりました。「ブシュロン」「メレリオ・ディ・メレー」「ショーメ」「モーブッサン」「ヴァンクリーフ&アーペル」は通称「グランサンク」や「パリ5大ジュエラー」とも呼ばれています。

「グランンサンク」はフランス高級宝飾店協会として、約40年にわたり合同で新作のジュエリー発表会をオテルリッツなどで行ってきた組合で、一時カルティエが加入していた時期もありました。歴史的に認められたブランドのみが加入を許されたといわれています。

400年以上の歴史がある「メレリオ・ディ・メレー」、ナポレオンの御用達ジュエラーである「ショーメ」、カラーストーンの卓越性で知られる「モーブッサン」、『世界5大ジュエラー』と『グランサンク』両方に名を連ねる「ヴァンクリーフ&アーペル」と並ぶブシュロンは、フランスを代表する歴史ある名門ジュエラーです。

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3.【ブシュロンの歴史:転換期】息子に継がれる意志。ケリングへ

3.1.息子 ルイへと受け継がれる革新性

1900年にブシュロンはフランス政府からレジオンドヌール賞を受賞しました。これは1802年にナポレオン・ボナパルトによって創設され、文化・科学・産業・商業・創造活動などの卓越した功績を残した民間人に与えられる、今日まで続く歴史の長い栄誉ある勲章です。

翌年フレデリック・ブシュロンは会社を再編し、息子・ルイ・ブシュロンを役員に加えたのち、1902年に逝去しました。まるで自分の未来を見据えて次の世代に託すかのようにこの世を去ったフレデリック・ブシュロンの意志は、息子・ルイに受け継がれます。

後を継いだ息子、ルイ・ブシュロンもまた卓越した想像力と革新性を備え、人との縁にも恵まれた人物でした。

1912年にトリノで開催された万国博覧会ではグランプリを受賞。この時期、フレデリックも得意とした、草花などの植物モチーフを曲線的なラインで表現したアールヌーヴォーのデザインから、シンプルで直線的なアール・デコへの過渡期でしたが、ルイ・ブシュロンの手がけるブシュロンのジュエリーはアール・デコ時代のデザインにもうまく適応していきます。

1925年には通称アール・デコ万博とも呼ばれる万国博覧会にも参加し、ヒスイやサンゴ・ラピスラズリ、オニキスなどを幾何学的にカットしたブシュロンのジュエリーが注目されました。またこの時期の作品に、ブラックのシルクを使用したタッセルに、糸のようにしなやかに流れるダイヤモンドの装飾が施された作品があります。画期的なデザインと高い技術力が評価され、この時期のブシュロンの傑作だといわれています。他社にはないブシュロンの美意識を表現した作品が高く評価されました。

ルイに託されたブシュロンは、父・フレデリックの革新性を受け継ぎ、新しい方向性へと切り開きながら世の中を驚かすジュエリーを作り続けていきます。

3-2.インドのマハラジャ、イラン国王からの依頼

海外への進出にも積極的だったルイ・ブシュロンの時代に、大きな転機が訪れます。1928年にはインド・パティアラのマハラジャが従者を伴いヴァンドーム広場のブシュロンのサロンを訪れました。7個のケースの中には総額20億フランともいわれる眩いばかりの宝石がぎっしり詰まっていたといいます。この依頼によってブシュロンは149個もの特注品を製作し、ヴァンドーム広場の歴史上もっとも大規模で伝説的なスペシャルオーダーとなりました。

ブシュロンのジュエリーは、高品質な宝石しか使わないということで有名で、貴重な原石が見つかった際にはまずブシュロンに持ち込まれるといわれます。ダイヤモンドに対しても独自の厳格な規格を設けており、当時から「ブシュロンのダイヤモンドは他とは違う」といわれていました。

長年の宝石に対する知識や鑑識眼が認められ、1930年にはイラン皇帝・パーレビ国王から国家財産のすべてをブシュロンに鑑定するよう依頼を受けました。このときどんな宝石が官邸に出されたのかは秘密となっていますが、5万個以上の宝石をちりばめて作られた地球儀や、宝石で埋め尽くされた玉座などが含まれていたと云われています。以降、ブシュロンはイランの公式の財宝管理を任されるほどの信頼関係を築き上げました。

独創的なブシュロンのジュエリーは、世界中の王室からの信頼を得、東洋のインスピレーションを受けてさらに磨かれていきました。

3-3.ルイの息子、孫へ、そしてブシュロンの現在

1950年にはルイの息子、フレッドとジェラールが後を継ぎ、1980年にはジェラールの息子・アランが家業を継ぎます。フレデリックから4代にわたって家族経営を続けてきましたが、1999年に世界三大ラグジュアリーグループ企業の一つである、ケリング(KELING)の傘下に入り現在に至ります。ケリングはグッチ、サンローラン、ボッテガヴェネタなどのブランドを擁するグループ傘下で、新たな技術を取り入れこれまでにない方向性を見出しています。

海外進出も積極的に行ってきたブシュロンですが、1979年以来日本との良好な関係を続けています。2023年秋には、ブシュロン銀座本店がリニューアルオープンし、その規模はパリのブシュロン本店に次ぐアジア最大級の店舗面積になるとのことです。最新の投影技術を用いて、その場で生成された自然の風景などの映像が正面のファサードや店内に流れる「体験型」の店舗で、パリのサロンを思わせる落ち着いた雰囲気の中ゆっくりと寛ぎながら、ブシュロンのジュエリーを堪能したり、歴史に思いをはせることができます。

家族経営ではなくなった現在も、デザイナーや職人たちによってブシュロンの「革新的なジュエリーを創造する」という情熱は受け継がれています。現クリエイティブ・ディレクターのクレール・ショワンヌは「女性は好きなことを好きなようにというのが私たちのビジョンです」と語ります。ラフな格好にノーメイク、ハイジュエリーと普通のジュエリーを組み合わせたり、服装によってジュエリーを制限させるべきではないという考え方は、固定観念にとらわれない、時代を先取りしたブシュロンらしい自由な発想です。

4.ブシュロンの歴史を支え続ける4つの代表作

ここからは人気の高い、ブシュロンを象徴する3つの代表作を紹介していきます。

4-1.キャトル


フランス語で「4」を意味する「キャトル」シリーズ。その名の通り、4つのデザインが組み合わさったデザインで、ブシュロンの歴史に深く根差しています。

「グログラン」「クル ド パリ」「ダイヤモンド」「ゴドロン」の4つのコードが数種類のゴールドやセラミックの組み合わせで表現されており、まるで4本のリングを重ね付けしているかのようなデザインは、ひと目見て「ブシュロンだ!」とわかるアイコニックなシリーズです。

繊維業を営む家庭に生まれた、フレデリック・ブシュロンらしいグログランリボンの表面を表現した「グログラン」、ヴァンドーム広場の石畳から着想を得た「クル ド パリ」、ジュエラーの本領を発揮する厳選された「ダイヤモンド」、アールデコの建築様式からのインスピレーションを受けた「ゴドロン」と、キャトルの地金装飾にはブシュロンの歴史にまつわるデザインがふんだんに盛り込まれており、まさにブシュロンを象徴するシリーズと言えます。

様々な色味のゴールドを組み合わせたデザインは、どんな色の服装やジュエリーとも相性がよく、普段使いからオケージョンまで幅広い機会に活躍をみせてくれます。

キャトルには様々なバリエーションがあり、地金の組み合わせや色味、リングやネックレスなどたくさんの中から好みを見つけることができます。

中でも、イエローゴールド・ホワイトゴールド・ピンクゴールド・ブラウンPVD・ダイヤモンドで構成される「キャトル クラッシック」が一番人気です。3色のゴールドや肌なじみの良い色使いが中性的で落ち着いた印象で、カッコいい大人の女性はもちろん、ファッション感度の高い男性からも支持されています。

キャトル クラシック リング スモール

4つのコード以外にも「ファセット」というシリーズがあり、まるでダイヤモンド表面のようにキラキラと面が放つ光が存在感を放つデザインが魅力的です。ブライダルリングとしても人気のあるファセットは、もちろんキャトルとの重ね付けも可能です。

リングなら幅や色が選べたり、ストレートなラインのデザインは重ね付けもしやすいので、キャトル同士ではもちろん、手持ちのリングとのコーディネートなどその組み合わせは無限に広がります。4つのコードは一本から色やデザインが展開されているので、色を変えてオリジナルの組み合わせを楽しんだり、夫婦やカップルでお揃いで身に着けたりと生涯を通して様々なコーディネートができるシリーズです。

4-2.セルパンボエム


キャトルに並ぶ人気を誇るブシュロンの代表作「セルパンボエム」。可愛らしいイメージが印象的ですが、実はヘビをモチーフにしたデザインで、1968年から登場する歴史あるコレクションです。フランス語で「ヘビ」を意味する「セルパン(SERPENT)」は、昔から「再生」「幸運」「永遠」の象徴として、ジュエリーやお守りのモチーフとして大切にされてきました。フレデリック・ブシュロンも、彼が留守の間に妻を守りますようにとセルパンのモチーフのネックレスを贈ったと言われています。

「セルパン」に「ボヘミアン」を掛けた造語である「セルパンボエム」。ボヘミアンは「自由で気ままな(生活をする人)」などの意味で使われる言葉ですが、お堅く伝統的なモチーフのセルパンのジュエリーを、軽やかで自由な解釈で楽しんでほしいというブシュロンの遊び心がうかがえるネーミングです。

伝統的なセルパンモチーフといえば、お守りとはいえ妖艶で生々しいイメージですが、ブシュロンのセルパンボエムはというと、ドロップ型のトップや繊細な地金の装飾が美しいフェミニンな印象です。ヘビの頭や体すらも美しい細工でさりげなく表現したセルパンボエムは、日常生活に溶け込むデザインで、若い方から年配の方まで幅広い世代の方が身に着けることができます。色石と地金の組み合わせも抜群で、リングからネックレス、ブレスレット、イヤリングと商品展開が豊富にあるのも魅力です。

セルパンボエム リング スモール ピンククオーツ

もちろんさらにゴージャスなセルパンボエムもあるので、年齢を重ねてもセルパンボエムラバーとして一生信頼できるブランドとなることでしょう。

セルパンボエムの色違いのリングを、上下に2本重ねて身に着ける贅沢なスタイルは、ブシュロン上級者ならではの憧れのコーディネートです。リングとブレスレット、ネックレスとイヤリングなど、手元や顔周りを合わせてつけたりと、様々な着け方が楽しめそうです。

4-3.リフレ


老舗ジュエラーの手掛ける一見シンプルな腕時計には、ジュエラーならではの繊細なこだわりが詰まっています。

ブシュロンの代表作「リフレ(REFLET)」は1947年の発売以来、75年以上に亘って人気を誇るブシュロンの名品です。もともとは「男性のための美しい時計を作りたい」という思いから生まれた時計ですが、レクタンギュラーのすっきりとしたフォルムは、時代を超えてジェンダーレスに愛され続けています。

ウォッチのケースや文字盤に施された波型の「ゴドロン装飾」が特徴的なリフレ。ブシュロンが19世紀から大切にする伝統的なモチーフで、技術力の高いメゾンの職人にしか扱えないと言われています。「リフレ」」というネーミングも、その反射による輝きを象徴しています。りゅうずには「守護の力」を持つとされるカボションカットのサファイアがあしらわれています。

リフレ ウォッチ スティール スモール

フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフもリフレの愛用者でした。日本でも有名な『愛の賛歌』は、倍賞千恵子さんをはじめ多くの方にカバーされ歌い継がれており、誰もが一度は耳にしたことがある名曲です。エディット・ピアフは「この曲を初めて発表するときに幸運が訪れますように」とリフレを購入し、大ヒットに恵まれました。以降、「幸運のお守り」として彼女は21本ものリフレをコレクションしたそうです。

リフレの裏面には ”Je ne sonne que les heures heureuses” 『私はよろこびの時だけを刻む』という刻印があります。この言葉は、ブシュロンが最初に店舗を構えたパレ・ロワイヤルにおかれていた昔砲台だった日時計の台座に刻まれており、フレデリック・ブシュロンはこの言葉にとても感銘を受けたといわれています。ただ時を知らせるのではなく「喜びの」時を刻みたい、というブシュロンの哲学とブシュロンの始まりの地への愛着が感じられます。

さらにこのリフレには驚くべき仕掛けが!ガラスの風防にふーっと優しく息を吹きかけると、一瞬だけヴァンドーム広場のホログラムが浮かび上がります。温度と湿度に反応する、この遊び心ある仕掛けは、自分だけが知っている秘密のようでますます愛着が沸きそうです。

洗練されたデザインや美しさはもちろんのこと、実用性の高さも注目すべきポイントです。ストラップにはケースの下にストラップをスライドさせて留める「インビジブルクラスプ」が採用されています。1948年には特許も取得した技術で、見た目の美しさはもちろんのこと、ストラップもスライドするだけで簡単に付け替えが可能で、旅先でも気分やシーンに合わせて簡単に付け替えができるのも嬉しいポイントです。

現在、サイズ展開も「ラージ」「ミディアム」「スモール」の3パターンがあり、女性にも着けやすいサイズ感があるのも安心です。カップルでお揃いで着けるのも素敵です。

時計としての実用性と美しさ、遊び心を兼ね備え、タイムレスにそしてジェンダーレスに愛されつづけるブシュロンのアイコンウォッチです。

4-4.ピヴォワンヌ


フランス語で「シャクヤクの花」を意味するピヴォワンヌ。艶やかな丸みのあるつぼみに、こぼれおちそうなほどに何層にも重なった花びらがが特徴の大輪を咲かせる花です。ブシュロンのエンゲージメントリングにこの花をモチーフにしたリング「ピヴォワンヌ」があります。

何層にも重なる立体的な花びらを、ホワイトゴールドとダイヤモンドのパヴェで表現しており、まるで薬指に大きな花が咲いたような幸福感あふれるデザインです。シャクヤクの花言葉は「はにかみ」「恥じらい」。センターには0.2カラット以上のダイヤモンドがセッティングされ、まるでダイヤモンドを優しく包みこむようなデザインは、はにかみながら愛する人への思いとともに指輪を贈る幸福なイメージがぴったりと重なります。

「立体的なデザインだから、ほかのリングとの重ね付けは難しいのでは?」と思われるところですが、実はキャトルをはじめブシュロンのリングをピヴォワンヌに重ねてみると、気持ちがいいくらいにぴったりと重なります!計算されつくした美しい重なりには、拍手喝采を贈りたくなるほどです。

丸みを帯びた花のフォルムは「結び目」のような印象も与え、二人を繋ぐ「愛の絆」を象徴しているといいます。躍動感を感じる曲線や、横から見たときの透かしの技術は、ダイヤモンドを一層美しく際立たせ、どこから見ても美しいフォルムを実現しています。「ピヴォワンヌ」には、妥協のない美しさを追及する名門ジュエラーならではのこだわりが細やかに反映されています。

5.ブシュロンのブランドイメージ

ブシュロンの歴史や良さはわかったけれど、たくさんあるブランドの中で「ブシュロンってどんなブランドイメージなのかな?」と思う方もいるのではないでしょうか。

ここではブシュロンのブランドとしての位置づけやブランドイメージについて解説していきます。

5-1.ハイジュエラーながらも手が届くブランド

時計業界ではしばしば「雲上ブランド」という言葉で表現されるように、手にするのは夢のまた夢・・・という価格帯の時計ブランドが存在します。ジュエリーに関して言えば、数千万から数億の作品を扱うブランドでも、アイテムによってはわれわれ一般人でも頑張れば手にいれることが可能という世界です。

ブシュロンもまた、歴史が深く世界中の皇室や王族と関係も深いブランドでありながらも「仕事を頑張れば、手が届くかも!」という価格帯のアイテムが展開されているのが魅力的です。

「世界5大ジュエラー」と呼ばれるブランドに「ハリーウィンストン」「ヴァンクリーフ&アーペル」「ブルガリ」「カルティエ」「ティファニー」が挙げられますが、この中でも「ハリーウィンストン」が上位に挙げられるといわれています。次いでブシュロンも含まれる「パリ5大ジュエラー」「グランサンク」でも馴染みの「ヴァンクリーフ&アーペル」が挙がるといわれてます。歴史の長さやデザインの方向性、個人の考え方によっても異なるので一概に断言することはできないのですが、ブシュロンはこれらのブランドに次ぐ、あるいは並ぶ世界でも指折りの名門ジュエラーであることは間違いないでしょう。

5-2.自分のスタイルを貫く、大人のためのジュエリー

ブシュロンのジュエリーは「革新的なジュエリーを作りたい」という思いからもわかるように、ほかのブランドではお目にかかることのない、ブシュロンらしい個性が光るデザインが魅力的です。自身のスタイルにこだわりを持った、自立した大人が自分で選ぶジュエリーというブランドイメージがあり、「誰がなんと言おうとこれが好き!」というフィーリングが芽生えたのならば、もう普通の人気ブランドでは満足できないかもしれません。性別問わずファッション感度の高い人々から時代を超えて愛されているのもブシュロンの魅力の証拠です。

「個性的」「中性的」「渋くてカッコいい」「ほかのブランドと被らない」「歴史ある名門ジュエラー」「洗練された唯一無二のフォルム」そんな言葉が似合うブランドです。

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6.世界から愛され続けるブシュロンの知名度や愛用者とは?

ブシュロンの顧客には、インドのマハラジャ、イラン国王、ロシア皇帝、ヨルダン王妃、エリザベス女王、ユージェニー王女など各国の王族や皇族をはじめ、オスカーワイルド、プルーストなど著名な作家や芸術家、ニコール・キッドマン、キャメロン・ディアスなど名だたるセレブリティがいます。エルメスのバッグでも知られる「ケリー」の由来となった、グレイス・ケリーモナコ后妃、「バーキン」でも有名な女優、ジェーン・バーキンもブシュロンの愛用者でした。

おしゃれな方々から愛されるブシュロンのジュエリーは、ファッションの歴史とも深い繋がりがありました。授賞式やレッドカーペットでブシュロンのジュエリーが着用されることもあり、ジュエリー好きな人でブシュロンを知らない人はいないというくらいブシュロンの知名度は世界でも高い部類に入ると考えられます。

日本国内でもブシュロンは人気があり、小栗旬&山田優、松本潤&井上真央、杉本彩、中島美嘉、高橋真麻、米倉涼子・・・などなどブシュロンを愛用している芸能人は数多くいらっしゃいます。

これらの愛用者を思い浮かべてみると、自分のスタイルを持っている方々ばかりだと感じられるのではないでしょうか?

7.まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、ブシュロンの歴史について解説させていただきました。

160年を超える歴史をもつ、パリの老舗ジュエラー 「ブシュロン/BOUCHERON」。フレデリックブシュロンから受け継がれる「革新的なジュエリーを作りたい」という思いは現代のブシュロンの職人やクリエイターたちにも継承されています。

世界各国の王室や皇室、セレブリティを魅了し続けるブシュロンのジュエリーやウォッチは、ほかのブランドにはない個性的な魅力がふんだんに散りばめられています。記念日ごとにリングを集めて重ねて楽しんだり、彼や彼女とお揃いで身に着けたり、これからの人生に寄り添いながら一緒に楽しめるブランドです。

この記事をとおしてブシュロンの歴史や魅力が伝わり、ジュエリー選びの参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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