2024年7月25日
さわやかな青い色の宝石10選!サファイア以外にはどんな石がある?
ジュエリー
みなさんは宝石を買う時、何を基準に購入していますか?
宝石を買う時に「ダイヤモンドが欲しい!」「ルビーが欲しい!」と買う物が決まっている時はいいですが、そうでないことも多いですよね。欲しい宝石の種類が決まっていない時は、何色を買うかまずは決めてみるというのはどうでしょうか。お気に入りのワンピースに合う色、自分の肌に合う色など、まずは宝石の色を決めてみましょう。色さえ決まれば、宝石の種類は自然と狭まってきます。\
今回はいろんな色がある中から、青い宝石を10種類ご紹介します。
青といっても薄い水色から深い青色、緑がかった青、紫っぽい青など、その色はさまざま。キラキラと輝きの強い宝石もあれば、磨かれた表面がつるりとしている宝石もあります。
今回ご紹介する宝石の中から、自分が一番気に入る青い宝石をぜひ探してみてくださいね。
目次
1.青い宝石で人気No.1!サファイア
青い宝石と言えば、人気も知名度もサファイアが一番です。ルビーやエメラルドと並んで世界三大宝石のひとつであるサファイアは、誰もが知っています。9月の誕生石としてもなじみ深いサファイアについて、まずは見ていきましょう。
1-1.サファイアはこんな宝石!
サファイアは、コランダムという鉱物が赤以外に発色した物です。赤いコランダムはルビーで、それ以外のすべての色のコランダムをサファイアと呼びます。ですからサファイアには最もポピュラーな青色以外にも、ピンクやオレンジ、グリーンなどさまざまな色があります。コランダムは地球一硬いと言われているダイヤモンドに次いで硬い鉱物で、長い期間の使用にも耐えうる丈夫な宝石です。自分が身に付けるために購入するだけでなく、資産として購入する人もいます。
サファイアの語源はラテン語の「sapphirus(サッピルス)」かギリシャ語の「sappheiros(サピロス)」だと言われています。どちらも意味は「青」です。和名でもサファイアは「蒼玉(そうぎょく)」または「青玉(せいぎょく)」といいます。古来から青い宝石と言えばサファイアだったことがわかりますね。
1-2.ブルーサファイアの色と価値
コランダムは含有する元素によって何色になるかが決まり、その色によって宝石としての価値は大きく異なります。その中でも一番高価なのは、やはりブルーサファイアです。
ブルーサファイアはたくさんの種類があるサファイアの中でも一番価値があり、人気も高いサファイアです。中でもインドのカシミール地方で産出されたサファイアは「コーンフラワーブルー」と呼ばれ、矢車草のような明るく透明感のある青い色をしており、最高品質のサファイアとして取引されます。次に人気があるのはミャンマー産のサファイアで、「ロイヤルブルー」と呼ばれるものです。ロイヤルブルーサファイアも、明るくはっきりした色合いをしています。
現在はどちらの産地でも良質なサファイアが産出されることは少なく、スリランカやマダガスカルが主な産地となっています。産地に関わらず、あざやかな色合いのものは価値が高いです。透明度が高く、青い色があざやかで色が均一に広がっている物が良いサファイアとされています。
1-3.ブルーサファイアの石言葉とスピリチュアル的効果
宝石や鉱物にはそれぞれ石言葉や宝石言葉と呼ばれる、石を象徴する言葉がそれぞれあります。花には花言葉があるのと同じようなものです。宝石を購入する時やプレゼントする時に、石言葉を参考にするのも良いですね。
9月の誕生石であるサファイアの石言葉は、色ごとに異なります。
ブルーサファイアの石言葉は「誠実」「博愛」などです。その青い色から、サファイアは多くの地域で「空の色」「天国に近い石」と呼ばれ、神聖な石だと信じられていました。キリスト教の聖書にはもっとも大切な12種類の宝石のひとつとして記され、聖職者がサファイアの指輪を身に付けていました。キリスト教にゆかりが深いサファイアの石言葉が「博愛」なのは納得できますね。
サファイアは神聖な石であることから、魔除けの効果があるとされます。精神を落ち着かせ、冷静な判断力を持ち主に与える石ともいわれており、仕事や勉強で力を発揮するパワーストーンとしても人気です。
2.「夜の女王」の別名を持つアクアマリン
サファイアのようにはっきりした濃い色のものは少ないですが、アクアマリンも青い宝石として人気です。アクアマリンの多くは透明度の高い水色で、名前の通り海のようなさわやかさを感じさせます。キラキラと輝くことから夜会の時に身に付けるジュエリーとしても人気があり、「夜の女王」とも呼ばれていました。
2-1.アクアマリンはこんな宝石!
アクアマリンはベリルという鉱物の中で、青い色をした石のことです。ベリルは他にも多くの色がありますが、青い色の石のみがアクアマリンと呼ばれます。アクアマリンはサファイアほどではありませんが、比較的硬い鉱物です。身に付ける時に神経質になりすぎる必要はありませんが、ベリルの特徴として、インクルージョンと呼ばれる内包物が多い点が挙げられます。インクルージョンが多い宝石は、そこからひびが入ったり欠けたりすることがあるので、注意が必要です。ジュエリーのお手入れの時に超音波洗浄機を使う人がいますが、アクアマリンでは避けてください。
アクアマリンの名前の由来はラテン語の「aquamarine(アクアマリン)」、意味は「海の水」です。海のように透き通った色から、そう呼ばれるようになったのでしょう。和名は「藍柱石(らんちゅうせき)」や「藍玉(らんぎょく)」と呼ばれます。「緑柱石(りょくちゅうせき)」と呼ばれることもありますが、これはベリルの和名です。ベリルはさまざまな色があり、緑色の石もあることからそう呼ばれています。
2-2.船乗りの必需品、航海のお守り
アクアマリンは海の精霊の持ち物だったという伝説があり、海にまつわるさまざまな効果を発揮する宝石だと言われています。
アクアマリンは航海に出る船員にとっての必需品でした。航海を安全に終えるためのお守りとして信じられていたのです。漁師が豊漁のお守りとして使用していたこともあったそうです。海兵がアクアマリンを身に付けていたとも言われています。
古来海は現在よりずっと危険でした。アクアマリンをお守りにすることで、海難を逃れたり、海の恵みを受けられるように願っていたのでしょう。
2-3.アクアマリンの石言葉とスピリチュアル的効果
3月の誕生石でもあるアクアマリンは「勇敢」「幸福」「富」などです。危険な海に旅立つ船員や海兵が身に付けていたアクアマリンは、「勇敢」という言葉にぴったりですね。またアクアマリンは結婚祝いに贈られることが多く、「幸せな結婚をもたらす石」とも呼ばれていました。
スピリチュアル的にはコミュニケーション能力を向上させる石と言われており、持ち主を優しい気持ちにしてくれるパワーがあります。大切な人とけんかをしてしまった時などに効果を発揮してくれるでしょう。
3.世界三大希少石のひとつ、パライバトルマリン
「ない色はない」と言われるほどさまざまな色があるトルマリンの中でも特に価値が高いとされるのが、ネオンブルーが美しいパライバトルマリンです。ブラジルのパライバで初めて発見されたパライバトルマリンは、産出量が少ないことから世界三大希少石と呼ばれています。
3-1.パライバトルマリンはこんな宝石!
パライバトルマリンは、数あるトルマリンのうちのひとつで、銅を含有したものが美しい青を発色します。
何千年も前から使用されている宝石も多い中、パライバトルマリンが初めて発見されたのは1982年のことでした。ですがその時発見されたパライバトルマリンは粒も小さく低品質だったので、当時はあまり注目されることはなかったそうです。
後に粒が大きい石が発見されたことをきっかけに、パライバトルマリンは人気の宝石になりました。
パライバトルマリンの名前の「パライバ」は、この石が発見されたブラジルのパライバ州に由来します。トルマリンは現在のスリランカ辺りで使われているシンハラ語で「turmali(トルマリ)」という言葉が由来で、意味は「さまざまな色がまざったもの」です。さまざまな色のうちのひとつが、パライバトルマリンというわけですね。
和名では「リチア電気石」や「銅リチア電気石」と呼ばれます。リチア電気石とはトルマリンの種類を表しています。パライバトルマリンは銅を含んでいるので、銅リチア電気石と呼ばれることもあります。
3-2.トルマリンの中でも一番人気の美しさ
色とりどりで美しいトルマリンの中でも、パライバトルマリンは特別美しいとされています。色合いはあざやかなネオンブルーでエレクトリックブルーとも言われ、わずかに緑がかった明るい水色です。緑っぽい色合いのものもありますが、よりブルーに近い物の方が高値で取引されています。
あまりにあざやかなので、発見された当初は本当に自然物なのかと疑われたほどだそうです。そんなふうに疑われてしまうのも納得できるような、ぱっと目を引くネオンカラーは信じられないほどあざやかです。
発見された当初、パライバトルマリンはブラジルのパライバ州でのみ産出されると言われていました。しかしその後モザンビークやナイジェリアでも同じ色のトルマリンが発見され、はパライバ産に限らず、同じ色のトルマリンはパライバトルマリンと呼ばれるようになりました。
3-3.パライバトルマリンの石言葉とスピリチュアル的効果
トルマリンは10月の誕生石です。石言葉は「勝利」や「真実」などで、チャンスをつかみたい人にぴったりなパワーストーンだと言われています。
またパライバトルマリンは自分自身を表す石だともされており、眠っていた自分の才能や魅力を開花させる効果があります。現状に満足せずチャレンジしたい人を支えてくれるでしょう。
パライバトルマリンは持ち主の勝負運をアップさせる効果もあります。チャンスを逃がさず、自分の才能を信じて進みたい時にぜひ身に付けてください。
4.人気上昇中のレアストーン!タンザナイト
タンザナイトが発見されたのは1967年です。宝石としての歴史は浅く、産出量が少ないレアストーンです。「タンザニアの夕暮れの色」とも言われる神秘的な青紫色の石で、年々希少度も人気も高まっています。
4-1.タンザナイトはこんな宝石!
タンザナイトはゾイサイトという鉱物です。発見された当初は青色のゾイサイトということで、そのままブルーゾイサイトと呼ばれていました。最初はあまり注目されていなかったこの石の運命が変わったのは、その翌年のことです。ジュエリーブランドとして世界的に人気なティファニー社が「タンザナイト」と名前をつけて売り出したことで、タンザナイトは一気に注目され、人気のカラーストーンになりました。
タンザナイトの産地は限られていて、タンザニアのメレラニ鉱山のみです。産地が限られている上に、そのメレラニ鉱山からも2030年にはまったく産出されなくなるだろうとも言われています。そうなれば今以上に希少になり、手に入れづらくなるかもしれませんね。
4-2.青~紫に変化する絶妙なニュアンスカラー
タンザナイトの特徴のひとつに「多色性」があります。多色性とは、光源に関わらず見る角度によって色を変える性質のことです。
タンザナイトは青や青紫色の宝石というイメージがありますが、産出された時は「赤紫」「濃い青」「黄緑」といった色が見える部分がある物もあります。ですがその後よりあざやかな青を発色するための加工が施されると、残念ながら黄緑色はあまり見えなくなってしまいます。その代わりにより濃い青や紫が目立つようになるというわけです。見飽きることのないこの絶妙な色合いの変化が、タンザナイトの魅力です。
色の変化は大粒の物のほうが確認しやすく、またカットによってはその多色性が損なわれることもあるので、粒の大きさやカットがタンザナイトの魅力に大きく関わってきます。
4-3.タンザナイトの石言葉とスピリチュアル的効果
12月の誕生石であるタンザナイトの石言葉は「知性」「神秘」などです。「神秘」という石言葉には、タンザナイトの発見時のようすが関係していると言われています。
タンザニアが発見された時のことははっきりわかっておらず諸説あります。その中のひとつに草原に雷が落ちたあと聖なる炎が上がり、その中で茶色いゾイサイトがブルーに変わったという伝説があります。そのことからタンザナイトは雷に打たれて青くなった石とも、空からの魔法でもたらされた石だとも言われています。タンザナイトは神秘的なイメージのある石なのです。
タンザナイトは持ち主に知性をもたらす石とも言われていて、スピリチュアル的には自立や成功を助けるパワーがあるとされています。大事な決定ができないと悩んでいる人や、仕事や恋愛で成功したいという願いを持った人にもぴったりです。
5.世界最古のパワーストーン、ラピスラズリ
深い紺色がつややかなラピスラズリは、古来から多くの人々に用いられてきました。ジュエリーやアクセサリーなどの装飾品としてはもちろん、スピリチュアル的にも強いパワーを持っていると言われているラピスラズリの魅力について見ていきましょう。
5-1.ラピスラズリはこんな宝石!
ラピスラズリは実は単一の鉱物ではなく、4つの青い鉱物の集まりです。ラズライト、アウィン、ソーダライト、ノゼアンというそれぞれ色も特徴も違う鉱物が集まったものがラピスラズリで、それぞれの割合によって色や特徴が変わります。ラズライトが多ければ多いほどあざやかな青になり、高値が付けられることが多いです。
またその4種類の鉱物以外にも、金色のパイライトを含んだラピスラズリは、表面がキラキラと輝きます。ジュエリーとしてのグレードは落ちますが、バランスよくパイライトの入ったラピスラズリは美しく個性的なのでコレクターには人気です。
ラピスラズリという名前で呼ばれることになったのは石の歴史から考えるとずいぶん後のことで、中世ヨーロッパの画家たちがそう呼びはじめたと言われています。
「lapis(ラピス)」はラテン語で石を意味し、ラズリはペルシャ語で空や青を意味する「lāžaward(ラニヤード)」から来ているそうです。
和名では「瑠璃(るり)」という名前が有名ですが、「青金石(せいきんせき)」と呼ばれることもあります。青金石はラピスラズリを構成する鉱物のひとつ、ラズライトのことも指しますので、そう表記してある時には注意が必要です。
ラピスラズリは他の宝石と比べるとやや傷つきやすい宝石ですので、使用する時やお手入れにも気を配る必要があります。
5-2.ラピスラズリのさまざまな使用法
宝石の主な使い道として思いつくのはジュエリーやアクセサリーなどの装飾品や、パワーストーンとしてのお守りや置物ですよね。ですがラピスラズリはそれ以外の方法でも人々に用いられてきました。
ひとつは薬としての使い方です。ラピスラズリは媚薬作用があると言われ、薬として用いられていました。流産やてんかん、認知症を防ぐ薬にされていたのは17世紀のことです。
もうひとつ、ラピスラズリは絵の具としても使われていました。ラピスラズリをくだいて油と混ぜると、ウルトラマリンと呼ばれる美しい絵の具になります。宝石としてはやわらかいラピスラズリだからこそできる使用方法ですね。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」という絵画を知っていますか?有名な絵画にも、ラピスラズリを原料とした絵の具が使われています。
5-3.ラピスラズリの石言葉とスピリチュアル的効果
ラピスラズリは12月の誕生石で、石言葉は「健康」「真実」などです。薬として使用されていたことから、健康という石言葉になったのでしょう。
ラピスラズリは「幸運を呼ぶ石」と呼ばれており、強いパワーがあると古来から信じられていました。悪い物を遠ざけ幸運をもたらす石ですが、相性があわなければうまくラピスラズリの効果を得ることはできません。
ラピスラズリは強いパワーを持っているので、身に付ける時には自分がそのパワーを受け止められる状態かどうかが大切です。幸運を得るために持ち主に試練を与えることもあるパワーストーンなので、持ち主がその試練を乗り越えることができないこともよくあります。かえって悪影響が出てしまうこともありますので、自分の状態を見極めながら身に付けるようにしてください。
6.老若男女に人気のあるターコイズ
水色のテリが美しいターコイズは、繊細な女性用のジュエリーとしてだけではなく、麻や皮の紐を使ったアクセサリーとして年齢・性別問わず人気の宝石です。パートナーとペアで身に付けるのにもぴったりですね。
6-1.ターコイズはこんな宝石!
ターコイズは元となる成分が岩石の穴などに染み込んでできる宝石です。ちいさな結晶の粒が集まって出来た石なので、ほかの宝石のようなつるりとした結晶状ではありません。ごつごつしていて腎臓のような形の物や、お団子のような形の物があります。とても個性的なので、原石のコレクターも多いです。
ターコイズはそのようにしてできる石なので、目に見えない細かな穴が多いのも特徴です。人の皮脂や汗、化粧品の影響を受けやすいので、身に付ける時はできるだけ肌に直接触れないようにしてください。どうしても肌に触れる時は外してすぐやわらかい布で拭くなど、丁寧なお手入れが必要です。
ターコイズの語源はフランス語の「pierre turquoise(ペリエターコイズ)」で、意味はトルコの石です。和名で「トルコ石」という名前で販売されているのを見たことがあるという人も多いかもしれませんね。ターコイズはトルコ石と同一の石です。そんな名前を持っているターコイズですが、実はトルコでは産出されません。トルコ人の商人がこの石をヨーロッパに広めたことから、ターコイズという名前が付けられました。
6-2.神秘的な模様「マトリックス」
ターコイズにはブルーとグリーンの物がありますが、最高品質のターコイズは均一な水色でつるりとしています。そのようなターコイズは「ソリッドストーン」と呼ばれ、ジュエリーに加工されて高値で取引されます。
最高品質ではないターコイズに多く見られるのが、「マトリックス」と呼ばれる個性的な模様です。黒や茶色の線のような模様があるターコイズを見たことがある人も多いでしょう。
元となった岩石が模様になって表れた物で、色も形もさまざまです。
マトリックスはそれぞれ違い、ひとつとして同じ物はありません。個性的なターコイズは、ジュエリーとして最高品質というわけではありませんが、とても人気があります。
6-3.ターコイズの石言葉とスピリチュアル的効果
ターコイズは12月の誕生石で、石言葉は「繁栄」「力強さ」「神聖な愛」などです。ターコイズは古来から神秘的なパワーを持っていると信じられていました。ターコイズは人々と神の世界を結びつける石で、身分が高い人物の副葬品として用いられたり、雨乞いの儀式に使用されたりと神聖なイメージが強くあります。自分や一族の繁栄を願って、ターコイズを使用していたんですね。
パワーストーンとしてのターコイズは、あらゆるポジティブなエネルギーを持っているとされています。悪い物を近づけない魔除け・厄除けや、疲れている時にぴったりなヒーリング効果、持ち主のやる気をアップさせるパワーや、人間関係を円滑にするパワーなどです。これらの効果はそれぞれ相互に影響しあっていますので、ターコイズとうまく波長が合えば良い循環が生まれるでしょう。
7.3色に変化する!?アイオライト
アイオライトは群青色とも菫色ともよばれる紫っぽい青色をした宝石として知られていますが、実は3色に変化するという特徴を持っています。とても特徴的な石で比較的手ごろな石なので、ジュエリーとしても、パワーストーンとしても人気です。
7-1.アイオライトはこんな宝石!
アイオライトはアルミニウム、鉄、マグネシウムを含むケイ酸塩鉱物の一種で、鉄によって青を発色します。鉄を多く含んでいるほど青が濃くなり、少なければ青が薄くなるのです。
アイオライトは宝石としてはそこまで傷つきやすいわけではありませんが、「劈開(へきかい)」という性質があり、ある一方向からの衝撃に非常に弱いという特徴があります。強い衝撃を与えると割れてしまうことがありますので、注意しましょう。
アイオライトはギリシャ語で紫やスミレという意味の「ion(イオス)」、石という意味の「lithos(リトス)」というふたつの言葉に由来しています。和名は「菫青石(きんせいせき)」です。
7-2.アイオライトの特徴は「多色性」
アイオライトには「ダイクロアイト」という別名があります。この名前は「ふたつの色の石」という意味で、アイオライトの持つ「多色性」を表しています。実際にはアイオライトは2色ではなく、紫がかった青、灰色っぽい黄色、薄い青の3つの色を見せます。
特に太陽にかざしたとき、アイオライトはもっとも青く見えます。このような特徴から、アイオライトは昔の船乗りたちに重宝されていました。方角を正確に知る方法がない時代には、太陽が方角を知る大きな手掛かりです。ですが、曇りの日は太陽が見えません。そのような日でも、アイオライトを空にかざせば太陽の方向を知ることができます。船乗りはアイオライトを薄くスライスして使用していたそうですよ。
アイオライトは光を多く受ける海上で、とても美しい青色を見せます。そのことから「海のサファイア」や「ウォーターサファイア」と呼ばれることもあるそうです。
一粒でさまざまな色を見せてくれる、お得な石ですね。
7-3.アイオライトの石言葉とスピリチュアル的効果
アイオライトの石言葉は「道しるべ」「明確なビジョン」などがあります。船乗りに正確な方角を教えていたことからこの石言葉になったのでしょう。
アイオライトは迷いや悩みがある人におすすめのパワーストーンです。「道しるべ」という石言葉にもあるように、持ち主に進むべき方向を教え、後押しをしてくれます。
またアイオライトは見る角度によって色を変えることから、物事をさまざまな角度から見る手助けをしてくれるとも言われています。冷静に判断しなければならない時にも力を貸してくれるでしょう。
8.ネオンカラーが美しいアウイナイト
アウイナイトは「青より青い」と言われるほどあざやかな、目をひくネオンブルーの宝石です。とても希少で、しかも加工が難しいことからとても高価で取引されている、コレクターに人気のカラーストーンです。
8-1.アウイナイトはこんな宝石!
アウイナイトはアウィンという鉱物で、ターコイズのように岩石の隙間に入り込んでできます。ただしタンザナイトのように、元となる岩石と一緒に加工されることはありません。
というのもアウイナイトはターコイズと違い、母岩からすぐに剥がれ落ちてしまうからです。原石として売られているアウイナイトは、はがれてしまったアウイナイトを人の手で接着しているものが多いそうです。石の隙間に入り込んでできるので、アウイナイトはひとつひとつがどうしても小さくなってしまいます。アウイナイトの多くが0.1カラット程度の小さな物で、大きな物はほとんど産出されません。
アウイナイトの名前は、発見者であるフランスの鉱物学者ルネ・ジュスト・アウイ博士に由来しています。和名は「藍方石(らんほうせき)」または「藍宝石(らんほうせき)」です。
8-2.ドイツでのみ産出される「幻の宝石」
アウイナイトが初めて発見されたのは19世紀の初め頃、イタリア南部のベスビオ鉱山でのことです。その後、モロッコやオーストラリアでもわずかに発見されましたが、宝石質のアウイナイトが産出されたのはドイツのアイフェル鉱山だけでした。
アウイナイトはもともと小さく、大規模な産出には向きません。唯一の産地であるアイフェル鉱山でも、現在では新しい石はほとんど産出されないそうです。そのため「幻の宝石」と呼ばれるほど希少で、今後ますます高価になることが予想されます。
希少だというだけでなく、深いネオンブルーは人目を引く美しさで、小粒でも充分存在感があります。
8-3.アウイナイトの石言葉とスピリチュアル的効果
アウイナイトの石言葉は「高貴」「新たな光」「過去との決別」などです。未来へ向かうポジティブなイメージの石ですね。進学や就職、引っ越しなど、環境が変わるとなかなか馴染めずに悩むことがあるかもしれませんが、そんな状況において持ち主を助けてくれるパワーがあるとされています。
アウイナイトには下がってしまっている運気を上げるパワーがあると言われていいます。自分にとって良くないと思っていても、どうしても手放せない過去の思い出や人間関係があって悩んでいませんか?アウイナイトは持ち主に、自分にとってマイナスになる物や人との決別を促します。名残惜しい気持ちはあるでしょうが、それこそが良い未来に向けた第一歩なのです。
9.三大ヒーリングストーンのひとつ、ラリマー
パワーストーンを身に付ける時、どのような効果を求めますか?多くの人が求めるのが癒し、ヒーリングのパワーです。ヒーリングのパワーを持つ石は多いですが、その中でもラリマーはとても大きなパワーを持っていると言われています。
9-1.ラリマーはこんな宝石!
ラリマーはペクトライトという鉱物が銅を含み、青や水色に発色した物です。
ラリマーもターコイズやアウイナイトのように、母岩の隙間を埋めるような形で成長します。この母岩を残して加工されるので白っぽい模様が入ることが多く、まるで揺れる水面のような独特な風合いを見せています。
ラリマーの名前の由来は、発見者であるミゲル・メンデス氏の娘の名前「larissa(ラリッサ)」とスペイン語で海という意味の単語「mar(マーレ)」を組み合わせて名付けられました。
鑑別書にはラリマーではなく、鉱物名のペクトライトもしくはブルーペクトライトと記載されますので、覚えておいてくださいね。
「ドルフィンストーン」や「アトランティスストーン」という別名もあります。
9-2.宝石として認められていなかったラリマー
ペクトライトが発見されたのは1828年、イタリアでのことです。ですが当時ペクトライトはあまり美しくないと言われて、宝石としての注目を集めることはありませんでした。
その後、ブルーペクトライト、つまりラリマーが発見されたのは1974年、ドミニカ共和国のバラオナ州の鉱山でのことです。美しくないと言われたペクトライトが、ラリマーの発見によってその美しさが認められたかというと、それも違います。なぜかというと、ラリマーは実はバラオナ州のあたりではよくみかける石だったのです。そのあたりにある石で珍しくもないと、ラリマーは日の目を浴びませんでした。
ラリマーが注目されるのは、発見から10年も経ってからのことです。「カリブ海の宝石」というキャッチフレーズでアメリカで売り出されたのをきっかけに、ラリマーは人気の石になりました。今ではドミニカ共和国の国石に制定されるほどの地位を得たラリマーですが、そんな不遇の時代もあったんですね。
9-3.ラリマーの石言葉とスピリチュアル的効果
穏やかな水面を思わせる美しい模様の入ったラリマーの石言葉は、「平和」「やすらぎ」などです。あたたかい南国の海のようなラリマーを見ていると、心が落ち着きおだやかな気持ちになりますよね。ぴったりな石言葉です。
そんなラリマーは数あるパワーストーンの中でもヒーリング効果が強く、スギライト・チャロアイトと並んで三大ヒーリングストーンとも呼ばれています。ストレスやトラウマを抱えた人、自分が好きになれない人を癒してくれる石です。見ているだけでリラックスできるでしょう。
また、ラリマーは隠れていた良い所を思い出させてくれる効果も持っています。つらいことがあってどうしてもネガティブになってしまう人や、自信をすっかり失ってしまっている人は、ラリマーの力を頼ってみてはいかがでしょうか。
10.アメリカ三大希少石のひとつ、ベニトアイト
最後にご紹介するのは、アメリカ三大希少石と呼ばれるベニトアイトです。ベニトアイトは強い輝きが特徴のカラーストーンですが、産地が限られており今後ますます高値になることが予想されている、とても希少な宝石です。
10-1.ベニトアイトはこんな宝石!
ベニトアイトはバリウムとチタンを含むケイ酸塩鉱物です。素晴らしい青色はチタンによるものと考えられていますが、はっきりとはわかっていません。
ベニトアイトが発見されたのは1907年、アメリカ・カリフォルニア州のサンベニトでのことでした。水銀の鉱脈を探している最中に偶然見つかったのがベニトアイトで、発見された当初は青い宝石ということでサファイアだと思われていたそうです。
ですがその後サファイアではない新たな宝石であることが判明し、1985年にはカリフォルニア州の石に制定されました。
ベニトアイトはオーストラリアやベルギー、そして日本でも発見されています。しかしそれらの石はとても小さく、ジュエリーとして加工できるほどのものはありません。宝石としてのベニトアイトが採れる唯一の産地がサンベニトのディアプロ鉱山でしたが、その鉱山も2005年に閉山してしまいました。新しい物が産出されないベニトアイトは、とても希少な宝石なのです。
10-2.ダイヤモンドと同じ輝き?!
ベニトアイトの価値は、希少だというだけではありません。強い輝きを持っているということが、ベニトアイトの大きな特徴です。
宝石が輝いて見えるのにはいくつかの条件があります。まずは石自体の透明度です。透明で透き通っていなければ、宝石は輝きません。また宝石内部の異物であるインクルージョンが多いと、光が通るのを邪魔してしまいます。インクルージョンが少ないというのも、宝石が輝く条件です。
石自体の持つ「屈折率」と「分散率」も、宝石の輝きの重要な要素です。屈折率も分散率も非常に高いダイヤモンドは、とてもキラキラして見えます。
ベニトアイトは分散率がダイヤモンドと同程度の宝石です。分散率が高いと、光が宝石を通る時にいくつもの色の光にはっきりと別れて見えます。「ファイア」と呼ばれる七色の輝きが強く見えるのがベニトアイトの特徴です。
ベニトアイトは屈折率ではダイヤモンドには及びませんが、ダイヤモンドと同じくらいの七色の輝きを放つ宝石なのです。
10-3.ベニトアイトの石言葉とスピリチュアル的効果
ベニトアイトの石言葉は「希望」「高貴」などです。ベニトアイトはなかなか手に入らないレアストーンですから、身に付けていると自然と振る舞いに気を付け、高貴な雰囲気になれるのかもしれません。
スピリチュアル的には、ベニトアイトは持ち主の魅力をアップさせ、周囲から助けられるようになるという効果のあるパワーストーンです。自分でも知らなかった才能や人に好かれる気品を与えてくれる石なので、ベニトアイトを身に付けた人を誰もが助けたいと思うようになるでしょう。
11.(まとめ)青にはたくさんの種類がある!
好きな色を聞かれた時に、青という人は多いでしょう。さわやかで、見ている人を落ち着かせる色ですよね。しかし青にはさまざまな色があり、宝石もそれぞれ違うニュアンスを持っています。石ごとの大体の色はご紹介しましたが、宝石が面白いのは、同じ石でも一つひとつ微妙に色が違ったり、インクルージョンの違いがあったりとまったく同じものは存在しないということです。
自分が好きな青はどの宝石なのか、しっくりくるジュエリーやアクセサリーはどれなのか、考えながらショップを見て回ってください。自分にとって一番良い青い宝石を見つけることができるでしょう。