2024年2月03日
バーキンとケリーの違い5選!値段や人気・資産価値を徹底比較!
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エルメスを代表するバッグとして名前を挙げるとすれば、バーキンやケリーという方が多いのではないでしょうか。バーキンは1984年、ケリーは1956年に発表されたバッグですが、今もなお絶大な人気を誇っており、欠品や品薄状態が続いています。そんなバーキンとケリーは一見違いがないように思うかもしれませんが、多くの違いがあります。
この記事では
・バーキンとケリーの違いはどこなのか
・定価はどっちが高いのか
・どっちの人気が高いのか
・どっちの方がレア度が高いのか
・どっちの方が資産価値が高いのか
について、比較しています。
バーキンとケリーのどっちを買おうか迷っている人や、定価や資産価値を参考にして購入したい人、使い勝手やサイズ展開の違いについて知りたい人などの疑問が解決できる内容となっています。ぜひ参考にしてバーキンとケリーの違いを知って、あなたにぴったりのバッグを探してみてください。
目次
1.バーキンとケリーの由来とは?
エルメスを代表するバッグと言っても過言ではない、バーキンとケリーはそれぞれ違った時代背景があり、由来が異なります。バーキンは1892年に製作された「オータクロア」が原型となっており、1984年に誕生しました。一方、ケリーは1935年に「サック・ア・クロア」として発表されたバッグですが、1956年から「ケリー」と呼ばれるようになっています。
バーキンとケリーの由来について、それぞれ解説していきます。
1-1.バーキンの由来
「バーキン」という名前は、役者や歌手・モデルとして活躍した女性「ジェーン・バーキン」が由来となっています。ジェーン・バーキンはイングランドのロンドンに生まれ、フランス人アーティストと結婚してフランス国籍も持っており、「大英帝国勲章」を2001年に受賞した世界的に有名な人物です。
そんなジェーン・バーキンはある日、エルメスの5代目の社長であるジャン・ルイ・デュマと飛行機の席が隣り合わせになり、2人は意気投合します。その際にジェーン・バーキンが持っていたバスケットには荷物がぎゅうぎゅうに詰められており、今にも荷物が飛び出しそうな状態でした。荷物でぎゅうぎゅうになったバスケットを見たジャン・ルイ・デュマは、ジェーン・バーキンに「荷物が十分に入る、あなたのためのバッグを作りましょう」と提案します。
ジャン・ルイ・デュマは先に発表していたバッグ「オータクロア」をベースに、十分な荷物を入れられる容量を備えて、普段使いからフォーマルにも使えるバッグ「バーキン」を1984年に発表したのです。バーキンが誕生したのは、ジェーン・バーキンとの偶然の出会いがきっかけとなっています。
1-2.ケリーの由来
ケリーはもともと、エルメスの4代目の社長であるロベール・デュマによって、1935年に「サック・ア・クロア」として発表されたバッグです。しかし1956年からバッグの名前は「ケリー」と呼ばれるようになりました。
「ケリー」と呼ばれるようになったきっかけは、アメリカで女優として絶大な人気を得ており、アカデミー主演女優賞を受賞したことのある「グレース・パトリシア・ケリー」の存在でした。グレース・パトリシア・ケリーは女優として人気絶頂の中、ヨーロッパの君主と結婚し、1956年にモナコ公国の王妃となります。有名人であったことからパパラッチに写真を撮られることもあり、妊娠中であったグレース・パトリシア・ケリーは咄嗟にサック・ア・クロアでお腹を隠します
サック・ア・クロアを持っているグレース・パトリシア・ケリーの様子が世間に広まり、さらに有名になったことで、ロベール・デュマはバッグを「ケリー」と改名したのです。エルメスが人物の名前を、バッグの名前であるケリーとバーキンに採用したのは、2つのバッグの共通点となっています。
2.バーキンとケリーの違いとは?異なるポイント5選
バーキンとケリーの共通点は名前の由来が人名からきていること、どちらもフラップとクロアが付いておりバッグを開閉できることや、カデナとクロージュがセットで付いていることなどがあり、ぱっと見ではあまり違いがわかりにくいかもしれません。しかし機能性や見た目、細かい部分に注目すると、バーキンとケリーには異なるポイントが多くあります。バーキンとケリーの違いを5つのポイントにわけて解説していきます。
2-1.違うポイント①機能性
バーキンとケリーの違いにおいて、最も大きなポイントとして機能性が挙げられます。バーキンは由来でもご紹介した通り、荷物の量が多くて困っていたジェーン・バーキンのために作られたバッグです。
そのため、多くの荷物を入れやすいように内部には仕切りを設けておらず、多くの荷物にも耐えられるようにハンドルが2本あります。またサイドベルトが付いており、荷物の量によってバッグの大きさを調整できるのも魅力です。
バーキンは機能性を重視したバッグのため、肘にかけて使うサイズを利用する際は日常で必要とする荷物を全部入れたり、大きいサイズを利用する際は2泊3日ほどの旅行に持って行ったりと、日常使いで活躍します。またバーキンはファッションを選ばないのも特徴のひとつとなっており、ジーンズスタイルやラフなスタイルに合わせられる、機能性に優れたアイテムです。
ケリーはバーキンに比べて高級感があり、かっちりしたイメージを与えるバッグです。そのため冠婚葬祭、入学式や卒業式のようなかしこまったシーンに最適であり、パンツスーツや着物とも相性が良く、パーティにも持っていけます。またバーキンに比べて重量が軽いのも特徴で、サイズが25以上のケリーにはショルダーストラップがついており、両手が空いて便利なためお子さんと出かける際などにぴったりと言えるでしょう。
2-2.違うポイント②ハンドルが取りつけられている位置
一目見ただけでは違いがよくわからないバーキンとケリーですが、よく見るとハンドルとバッグの接着部分が違うことがわかります。バーキンはハンドルとバッグが直接縫い付けられていますが、ケリーはハンドルとバッグが特殊な金具で繋がっています。この金具はショルダーストラップを取り付けるために採用されており、ケリー25以上の大きさのバッグはショルダーストラップの取り外しが可能です。
また、バーキンとケリーはハンドルが取り付けられている位置も異なっています。バーキンはボディに直接ハンドルが取りつけてありますが、ケリーはフラップの上部にハンドルが取りつけられています。そのためバーキンはフラップを閉めずに開けたままの状態で荷物を出し入れできますが、ケリーはフラップを締めないと持ち歩いたり、ショルダーストラップをつけたりすることはできません。
ケリーは荷物を出し入れする際に、毎回フラップの開け閉めが必要であることが特徴となっており、バーキンと違うポイントです。フラップの開け閉めが面倒くさいと感じる人は、バーキンやほかのアイテムが合っているかもしれません。
2-3.違うポイント③ハンドル数と外ポケットの有無
バーキンとケリーをデザイン面で比較すると、ハンドルの数が異なることや、外ポケットがあるかないかの違いがあります。バーキンは多くの荷物の重量を支えるためにダブルハンドルを採用しており、フロントと背面に外ポケットを取り付けて機能性を高めています。一方でケリーのハンドルは1本となっており、外ポケットは存在せず、高級感を感じられるデザインが特徴です。
2-4.違うポイント④内縫いと外縫い
ケリーには「内縫い」と「外縫い」という、2種類の縫製方法を採用したアイテムがあります。そもそも内縫いや外縫いとは、バッグの革のつなぎ目を縫製する際の違いをあらわしています。内縫いとは、革と革を縫い合わせる際にバッグの内側から縫製する方法で、縫い目が外から見えないのが特徴です。外縫いとは、革と革を縫い合わせる際にバッグの外側から縫う縫製方法で、外から縫い目が見えるのが特徴です。
内縫いのケリーは外縫いのケリーに比べて丸っぽいイメージを与え、大きさが若干小さいように見えます。また外縫いのケリーは内縫いのケリーよりかっちりしたイメージを与え、バッグの寸法が2ミリ前後大きいという特性を持っています。見た目が違うことから、内縫いと外縫いにこだわりのある人は少なくありません。
バーキンは2019年に「バーキンセリエ」が発表されるまでは、内縫いしか存在しませんでした。バーキンセリエとは、外縫いされているバーキンを指します。バーキンセリエは25・30・35・40が展開されていますが、発表されてからまだそんなに時間が経過していないため、お目にかかれるのは稀なようです。
2-5.違うポイント⑤サイズ展開
バーキンとケリーはサイズ展開も違います。サイズによってハンドルの長さが変わったり、ショルダーストラップが付属されたりと違いがあるため、サイズ選びの参考にしてみてください。
まずは、バーキンのサイズ展開と寸法をご紹介します。
バーキンのサイズ展開 | 寸法(横×縦×マチ) |
バーキン25 | 約25cm×21cm×13cm |
バーキン30 | 約30cm×22cm×16cm |
バーキン35 | 約35cm×27cm×18cm |
バーキン40 | 約40cm×29cm×21cm |
バーキン45 | 約45cm×31cm×19cm |
バーキン50 | 約50cm×34cm×26cm |
バーキン55 | 約55cm×39cm×28cm |
バーキンのサイズ展開は7種類あり、横の寸法がそれぞれバーキンの名前になっています。日本で人気のバーキンのサイズは25・30・35の3種類です。それぞれのサイズについて、容量や使用感を解説していきます。
バーキン25の人気の理由は、最近はミニバッグが流行していることや小柄な日本人にフィットするサイズ感であること、必要最低限の荷物を入れて気軽に出かけるときに最適なサイズであることなどが挙げられます。バーキン30は、バーキン25より容量が大きくなり500mlのペットボトルを縦に入れられます。バーキン30に入る荷物は、日常使いで必要となるスマートフォンや化粧ポーチなどのほか、手帳や11インチのiPad Proが入り、容量が大きいのが魅力です。
バーキン30からハンドルが長くなっており、ハンドバッグだけでなく肘にかけて持てるため、重さを感じにくく持ち歩きやすくなっています。バーキン30はジャパニーズサイズと言われており、小柄な日本人が日常的に使用するのに最適な大きさと言われています。
バーキン35はA4サイズの書類が入る、十分な容量を備えたサイズです。見た目もどっしりしており、ひとつ小さいサイズのバーキン30と比べても、大きいバッグのイメージを持ちます。ビジネスシーンに最適なサイズとなっており収納力は十分ですが、バッグ自体の重さが気になる方もいるかもしれません。
バーキン40以上のサイズはバッグ自体の重さが1kg以上あるため、男性の愛用者が多く、女性では小旅行に対応できる大きさとなっています。バーキン40の重さは約1,600gとなっており、女性の普段使いには向かないサイズですが、遠出する際や多くの荷物を入れたい場合に活躍するでしょう。
次に、ケリーのサイズ展開と寸法をご紹介します。
ケリーのサイズ展開 | 寸法(横×縦×マチ) |
ケリー15 | 約15cm×11cm×8cm |
ケリー20 | 約20cm×16cm×9cm |
ケリー25 | 約25cm×17cm×10.5cm |
ケリー28 | 約28cm×22cm×11.5cm |
ケリー32 | 約32cm×23cm×12cm |
ケリー35 | 約35cm×25cm×13cm |
ケリー40 | 約40cm×28cm×16cm |
ケリー50 | 約50cm×34cm×25cm |
ケリーのサイズ展開は8種類あり、バーキンと同じように横の寸法がそれぞれケリーの名前になっています。人気のケリーのサイズは25・28・32cmの3種類です。それぞれのサイズについて、容量や使用感を解説していきます。
ケリーの人気サイズの中のひとつであるケリー25は、スマートフォンと財布・小さめの化粧ポーチなど、出かける際に必要最低限の荷物が入る容量です。小柄な日本女性やミニマリストで荷物をあまり持ち歩かない方などに向いているサイズとなっています。
ケリー25以上のサイズのバッグにはショルダーストラップが付属されており、取り外し可能なため利用シーンによって使い分けられて便利です。また内ポケットが2つ設けられており、1つはファスナー付きで大切なものをしまえるため、機能性にも優れています。
ケリー28とケリー25の容量はあまり変わらないように見えるかもしれませんが、ケリー28になると500mlのペットボトルを横にして収納することが可能です。しかしケリー28に500mlのペットボトルを横にして入れてしまうと、他の荷物があまり入らなくなってしまうため、注意が必要です。ショルダーストラップを利用する際は、身長165cmほどの方がぴったりサイズだと言われています。
またケリー28は、初めてケリーを買う人におすすめのサイズと言われており、普段使いからフォーマルまで幅広く活躍できるアイテムです。人気が高いため製作数は多いですが、その分需要も高いため手に入りにくいサイズでもあります。手に入りにくく需要が高いため、買取価格も高くなる傾向にあります。
ケリーの3つの人気サイズのなかで、最後に紹介するのはケリー32です。ケリー32の容量は日常で使うアイテムがすべて入る大きさとなっており、11インチのiPad Proが余裕で入るサイズです。ビジネスシーンで利用するため荷物の量が多い方や、遠出する際に普段以上の荷物を持っていきたい時などに最適でしょう。
ケリー35はA4サイズの書類が入る、大容量の大きさです。ケリー35・40・50のような大きいサイズのバッグは、サイズが大きくなるほど製作される数が少ないため、中古市場に出回る数が少ない傾向にあります。
ケリー15やケリー20は小さいサイズであることが特徴で、収納ではなくおしゃれ重視のアイテムとなっており、ショルダーストラップはついていません。ケリー15はスマートフォンほどのサイズとなっており、ミニミニケリーとも呼ばれ、限定生産であることからケリーのなかで一番入手困難と言われています。ケリー20は長財布ほどのサイズ感をしており、ミニケリーとも呼ばれ、ケリー15同様に人気が高いサイズのバッグです。
バーキンとケリーのサイズ展開をご紹介してきましたが、それぞれサイズに微妙な違いがあり、バーキンではバーキン25・30・35、ケリーではケリー25・28・32が人気のサイズとなっています。バーキンとケリーの違いとして、容量についても心に留めておくとよいポイントがあります。バーキンはフラップを閉じずに使用できますが、ケリーはフラップを閉じないと持ち歩けません。
そのためバッグのサイズが似ていても、バッグに入る荷物の量が少し変わってきます。ケリーはフラップを閉じると、下から上にかけて面積が狭くなっていくため、バーキンでフラップを開けて使うのとでは容量が若干変わります。フラップを閉めずに使うバーキンとフラップを閉じて使うケリーでは、サイズが似ていても使い方によって容量が異なることに注意してください。
3.バーキンとケリーの定価はどっちが高い?
次にーキンとケリーの定価を比較していきます。エルメスを代表する2つのアイテムはどっちが高いのでしょうか。エルメスは2024年2月に価格改定することを発表しており、改定される予定の価格で比較していきます。
商品名 | 定価(2024年2月改定価格) |
バーキン25 トゴ | 1,738,000円(税込) |
ケリー25 トゴ(内縫い) | 1,705,000円(税込) |
バーキン25 エプソン | 1,441,000円(税込) |
ケリー25 エプソン(外縫い) | 1,782,000円(税込) |
バーキンとケリーの人気サイズである25で比較しました。バーキン25のエプソンは2024年2月の値上がり予定のアイテムに入っていないため、ケリーより若干価格が低くなっています。
次にバーキンとケリーにおいて、サイズが近いアイテムの価格をまとめました。
ケリー28 トゴ(内縫い) | 1,804,000円(税込) |
ケリー32 トゴ(内縫い) | 1,661,000円(税込) |
バーキン30 トゴ | 1,903,000円(税込) |
バーキン35 トゴ | 1,804,000円(税込) |
いかがでしょうか。バーキンとケリーの価格の差異はあれど、それほど大きくないことが分かります。
4.バーキンとケリーはどっちが人気?
バーキンとケリーではバーキンの方が製作数と流通量が多いことから、バーキンの方が人気という見方ができるかもしれません。最近では、街ゆく人がバーキンを持ち歩いているのをよく見かけるため、人と被りたくないという思いからケリーを選ぶ人も多くなっています。そのためケリーの人気も高まっており、どっちが人気なのか甲乙つけがたい状況です。
またバーキンやケリーの機能性が人気を分けているとも考えられます。荷物がたくさん入って普段使いできる機能性を求めている人はバーキンを選び、冠婚葬祭や着物に合わせて使えるような高級感を重視する人はケリーを選びます。どちらも人気のあるバッグであり、利用するシーンによって選択が別れるアイテムだと言えるでしょう。
5.バーキンとケリーはどっちがレア?
バーキンとケリーの定番アイテムにおいて、一番レアなバッグはケリー15と言えます。限定生産であることから一番入手困難なアイテムです。
製作数や流通数に視点をおくと、バーキンよりケリーの方が少ないため、ケリーの方がレアだと言えるでしょう。また最近ではケリーの人気が高まっているため、出会える確率は低そうです。ケリーより製作数の多いバーキンも手に入りにくいため、レアアイテムと言えますが、今後の流行に影響されてケリーの方が入手困難なアイテムと言われる日がくるかもしれません。
6.バーキンとケリーはどっちが資産価値が高い?
バーキンはケリーよりネームバリューが高く、製作数においてもバーキンの方が多く需要が高いため、バーキンのほうが資産価値が高いと言えます。バーキンは発売から約40年が経ちますが、2次流通において一度も値下がりしたことはありません。
ケリーは近年ブームが起きており、将来的な資産価値はバーキンに近づくことが考えられます。バーキンは種類にかかわらず全体的に資産価値がありますが、ケリーはアイテムによって飛びぬけた資産価値を持つものがあるからです。ケリーの中で資産価値が高いアイテムと言えば、ケリードールが挙げられます。
ケリードールはコンパクトサイズで、かわいらしい顔と手足がついたプレミアアイテムです。2次流通においては定価の3〜4倍の価格で取引されています。現在では資産価値が高いのはバーキンですが、ケリードールのようなプレミアアイテムが増えてくればケリー全体の資産価値が上がることも予想されます。ちなみに、2000年限定で発売されたケリードールのミレニアムモデルの定価は40万円なのに対し、2次流通の価格は約10倍以上の価格の500万円程度の価値がついているものもあります。
7.バーキンやケリーの買い方とは?
バーキンやケリーのような人気アイテムは、欠品や品薄状態が続いており、お得意様でも予約ができないことや注文してバッグが到着するまでに1年以上の期間を要することもあるようです。お得意様とは、エルメスの担当者がついており、希望するバーキンやケリーが入荷したら優先的に紹介してもらえる顧客のことです。お得意様になるまでは多くの購入実績を積んだり、知り合いにエルメスの社員がいてコネクションがあったりなどしなければなりません。
またエルメスはお得意様から要望のあったアイテムを優先的に製作しており、お得意様以外の顧客が購入できるアイテムは通称「フリー」と呼ばれています。フリーは購入者が決まっていないアイテムとなっており、直営店に不定期で入荷されます。お得意様でない顧客は、ただでさえ製作数の少ないバーキンやケリーの中から、お得意様が手にできる商品以外のフリーと呼ばれるアイテムを買わなければならないのです。
お得意様でない顧客がフリーのバーキンやケリーを手にするのは、相当ハードルが高いことだとお分かりいただけたでしょうか。ここではお得意様でない顧客が、めったにお目にかかることのできないフリーアイテムをどのように買えばよいのか、買い方を紹介します。
7-1.エルメスの直営店で購入したい場合
エルメスの直営店でバーキンやケリーを買いたいと思っている人は、何度もエルメスの直営店に通って、入荷されていないか確認するしかありません。フリーのバーキンやケリーの入荷予定は、公に知らされていないからです。直営店を訪れて店員に「バーキンかケリーはありますか?」と尋ねても「本日の入荷はございません」という返答をされることは決して珍しいことではありません。
エルメスの直営店を訪れて、その場でバーキンやケリーを購入できる可能性は100回に1回と言われており、バーキンやケリーに出会える機会は稀です。エルエスには通称「エルパト」という言葉があり、エルメスパトロールを意味し、さまざまな直営店を訪れてお目当てのアイテムを探すことを指します。エルパトを地道に続けて、100回に1回出会えるか出会えないかと言われるほどの確率で、バーキンやケリーを探さなければならないのです。
エルメスの直営店でバーキンやケリーを買うにはエルパトするのが基本ですが、エルパトする人の中には店員とうまくコミュニケーションをとって、バーキンやケリーを手にすることができた人もいるようです。方法としては、同じ直営店でエルパトを続けることで店員に顔を覚えてもらい、積極的にコミュニケーションをとるようにします。運が良ければ、奥の小部屋に通されて会話の中でふと「バーキンかケリーはありますか?」と尋ねると、紹介してもらえたというケースもあるようです。
またバーキンやケリー以外のエルメスのアイテムを購入して、多くの購入履歴を作ることで実績が認められて、バーキンやケリーを買えるという噂もあります。購入実績を積むことでバーキンやケリーを紹介してもらえるというのは、あくまでも噂レベルの情報となっています。購入実績は1年のような短期間で積むのではなく、10年のような長いスパンを要するとか、購入品はスカーフや小物ではなく革素材のものでなければならないなど、さまざまな憶測がとんでいます。
購入履歴を積んだからといってバーキンやケリーを紹介してもらえる、というのは根拠がありませんが、10年のような長いスパンでエルメスを購入していれば、担当さんがついてお得意様になれる可能性が高いでしょう。バーキンやケリーを確実に直営店で購入する方法は、エルパトするのが基本であり、地道な努力が必要だと言えます。
7-1-1.直営店で購入する際に注意すること
エルメスでは需要と供給のバランスが崩れて欠品や品薄状態が続いていることから、バーキンやケリーには購入制限を設けています。バーキンやケリーは1年間のうち、購入できる数量は1人2個までとなっています。希少性が高いアイテムであるため、1年で3回以上バーキンやケリーに出会うことはないかもしれませんが、数量制限があることを知っておくことは大切です。
また暗黙のルールのようなものですが、エルメスには「30分ルール」と言われる決まりがあります。30分ルールとは、直営店でバーキンやケリーのようなアイテムを紹介されたら、30分以内に買うか買わないかの意思を示さなければならないというものです。バーキンやケリーは高額なアイテムであるため購入を決めかねたり、紹介されたアイテムが自分の希望する大きさやデザインでなかったりなど、迷う理由はさまざまです。
しかし購入するか迷う時間が長引けば、次に順番を待っている顧客や営業をスムーズにおこないたい店員に迷惑をかけてしまいます。30分ルールはエルメスが正式に発表している決まりではありませんが、暗黙のルールとして存在するようです。エルパトを続けてやっと紹介まで漕ぎつくことができれば、気持ちは昂り迷いが生じますが、マナーとして30分以内に買うか買わないかの意思を示すように心がけましょう。
7-2.専門店や中古販売店で購入する場合
エルメスの直営店でバーキンやケリーを購入する方法を紹介しましたが、バーキンやケリーが手に入るのは直営店だけではありません。専門店や中古販売店で、バーキンやケリーを購入する方法もあります。
専門店や中古販売店で購入する最大のメリットは、すぐに購入できることです。エルパトのように何回も店舗に足を運ばなくても、専門店や中古販売店で気に入ったアイテムが見つかればすぐに購入できます。また専門店や中古販売店は直営店と違い、品揃えが良く、多くのアイテムを買取している専門店であれば種類豊富なバーキンやケリーが見られるでしょう。
一方で、専門店や中古販売店でバーキンやケリーを購入するデメリットは、販売価格が高いことです。バーキンやケリーは希少性が高いことから、直営店の定価より専門店や中古販売店の販売価格の方が高い傾向にあります。定価と中古販売価格ではどのくらいの価格差があるのか、定番アイテムで比較してみました。
商品名 | 定価(2024年2月改定価格) | 中古販売価格相場 |
バーキン25 トリヨンクレマンス | 1,738,000円(税込) | 2,400,000~3,900,000円 |
バーキン25 エプソン | 1,441,000円(税込) | 2,300,000~3,600,000円 |
バーキン30 トゴ | 1,903,000円(税込) | 2,400,000~4,000,000円 |
直営店の定価より、中古販売価格のほうが高いことがわかります。こんなにも値段が高くなるのかと驚かれる方も多いのではないでしょうか。なお、中古販売価格は買取数やエルメスの品薄状態などに大きく左右されるという特徴があり、あくまでも相場として参考にしてください。
8.バーキンもケリーもエルメスを代表するアイテム
バーキンとケリーの違いを中心に、値段や人気・資産価値などを比較しました。バーキンとケリーは一見すると似ているようですが、さまざまな違いがあります。機能性の違いはもちろんのこと、ハンドルの取りつけ部分が違うことは使い勝手において重要です。バーキンはフラップを開けたまま持ち歩けますが、ケリーはフラップを締めないと持ち歩けず、荷物を出し入れするたびにフラップを閉める必要があります。
また値段や人気・レア度・資産価値についてどっちが高いのか、考察を述べました。人気やレア度・資産価値において、現在はバーキンの方が比較的優位なようですが、ケリーはアイテムによってレア度や資産価値が跳ね上がります。最近ではケリーの人気が高まっているため、将来的にはケリーもバーキンと同じような人気を得て資産価値が上がっていくことは十分に考えられます。
エルメスを代表するバッグと言えばバーキンとケリーであり、どちらのバッグも今後、需要は衰えることなく、益々資産価値があがるアイテムとなることでしょう。