2024年2月03日
バーキンが買えないのはなぜ?理由や効率よく買う方法・ルールとは?
バッグ
ブランド
世界三大ブランドのひとつとして知られている、エルメス。そんなエルメスのなかでも、バーキンはエルメスを代表するバッグと言っても過言ではありません。
バーキンが誕生したきっかけは、エルメスの当時の社長であったジャン・ルイ・デュマが、フランスの女優ジェーン・バーキンと飛行機で偶然隣りの席だったことがはじまりです。ジェーン・バーキンが持っていたバッグには荷物がパンパンに入っており、それを見たジャン・ルイ・デュマが「荷物が十分に入る、あなたにぴったりのバッグを作りましょう」と提案したのがきっかけとなりました。そして、バーキンは1984年に誕生しています。
40年近い歴史のあるバーキンですが、近年では欠品や品薄状態が続いており、希少性の高いアイテムとなっています。そのため「バーキンが買えない」という声が上がっているようです。バーキンが買えない理由のなかには、一見さんは買えない、担当さんがつけば買えるなどの意見が見られますが、本当なのでしょうか。
そこでこの記事では、バーキンは本当に買えないのかという疑問に答えたり、バーキンを効率よく買う方法や、直営店と専門店の違いを解説したりしています。またバーキンが買えない理由はなぜなのかについても深掘りしていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.バーキンは買えないって本当?
エルメスを代表するバッグと言っても過言ではないバーキンですが、「バーキンは買えない」という情報を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。実際にバーキンは長い間品薄状態が続いており、担当さんがついていない人にとって、エルメスの直営店でバーキンを買うのは相当高いハードルとなっています。ここでは、バーキンを買えない状況はどのようなレベルなのか、一見さんはバーキンを買えないという噂は本当なのか、について解説していきます。
1-1.バーキンは直営店では買えない?
非常に希少性の高いエルメスのバーキンは、絶えず品薄状態が続いており、直営店を訪れてバーキンをその場で買える人はごく稀となっています。直営店によっては、バーキンがディスプレイさえされていない店舗もあり、希少性が高いことが伺えます。
また東京の本店や都心部の直営店では、入店するのに予約を必要とする店舗もあります。オンライン予約表を確認してみると、2週間先まで予約が埋まっていた、なんてことも稀ではありません。
運よく直営店に入店し、店員に「バーキンはありますか?」と聞いても「本日の入荷はございません」という返答をされるのは、もはや普通のこととなっています。バーキンはそれほど「買えない」価値の高いバッグなのです。
1-2.バーキンはオンラインショップでも買えない?
エルメスはオンラインショップを展開しており、さまざまなアイテムが販売されています。直営店でバーキンを買えないのならば、オンラインショップで買えるのでは?と思われる方もいるでしょう。しかしオンラインショップは、直営店より「買えない」可能性が高いです。
なぜなら、オンラインショップにはバーキンを紹介するページは存在しますが、購入する画面は存在しないからです。つまりオンラインショップでは、バーキンは販売すらされていないということです。
もし今後、オンラインショップにバーキンが掲載される日が来たとしても、オンラインショップからバーキンを買うことは難しいでしょう。オンラインショップは、全国あるいは全世界の人々が24時間いつでも閲覧して購入できます。そのなかにはPC技術に長けている人もいて、お目当てのアイテムがオンラインショップにアップされると、自動で購入できるシステムを構築しているかもしれません。オンラインショップは直営店に比べて、ライバルの数が多すぎるため、バーキンを買うのは至難の業と言えます。
1-3.一見さんはバーキンを買えない?
バーキンが欲しいと思っている人のなかには、一見さんはバーキンを買えない、という情報を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。結論から言えば、一見さんでもバーキンを買うことは可能です。しかし一見さんがバーキンを手にするには、地道な努力と並外れた強運を味方につけなければならないでしょう。
バーキンには、お得意様用に用意されているバーキンと、購入する人が決まっていない「フリー」と呼ばれるバーキンの2種類があります。お得意様とは、バーキンのアイテムをたくさん持っており、エルメスの購入履歴が豊富で、担当の店員さんがついている顧客のことを指します。エルメスの担当さんがつくようなお得意様になれば、バーキンが入荷した際に優先的に紹介してもらえます。またバーキンにイニシャルを刻印するなど、オーダーメイドアイテムを発注することもできるようになるのです。
一方で、フリーとは購入者の予約が入っておらず、不定期で直営店に入荷されるバーキンのことを指します。一見さんはフリーのバーキンを狙わなくてはならないため、直営店に入店したときにフリーのバーキンが存在しなくてはなりません。しかし前述したように、バーキンは常に品薄状態が続いており、一見さんがバーキンを買える確率はお得意様に比べて大きな差があるため、一見さんはバーキンを買えないと言われてしまう原因となっています。
2.バーキンを購入する方法とは?
バーキンは非常に希少性が高く、手に入れるのは至難の業であることを紹介しましたが、担当さんがついておらずお得意様ではない顧客が、直営店でバーキンを買う方法はあるのでしょうか。バーキンを直営店で買うために必要な方法や、直営店ではなくても購入できる方法を、下記の4つにわけて紹介します。
・エルパト(エルメスパトロール)をする
・直営店の店員と仲良くなる
・エルメスの直営店で実績をつくる
・専門店か中古販売店で買う
またエルメスには「30分ルール」は本当に存在するのか、についても掘り下げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.エルパト(エルメスパトロール)をする
エルメスパトロール、通称「エルパト」という言葉をご存じでしょうか。エルパトとは、エルメスの直営店を何店舗も回り、バーキンの入荷がないかを尋ねる方法のことです。バーキンはどこの店舗に何時ごろ入荷する、などの情報は一切出回らないため、店舗に直接行って確かめるしかありません。
エルメスの直営店を何店舗も尋ね、訪れた店舗で入荷されたフリーのバーキンに出会う必要があります。エルパトは大勢いて、直営店に入店するまでに待ち時間を要する店舗も珍しくありません。運よく、エルパトしてフリーのバーキンを見つけられたとしても、先に順番を待っていた顧客がフリーのバーキンを購入してしまえば、手にすることはできないのです。
根気強くエルパトしている人が大勢いるなかで、フリーのバーキンに出会うのさえ苦労し、それに加えて直営店に出向くのが一歩遅かったことで順番が後になってしまい、目の前のバーキンを手に入れられなかったという悔しい思いをした人は数えきれないでしょう。ただでさえ希少なバーキンのなかの、フリーのバーキンを買える確率の低さは「一見さんはバーキンを買えない」と言われるゆえんとなるのも頷けます。
※エルパトについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
2-1-1.たまに聞く『30分ルール』ってなに?
エルメスには暗黙のルールとして「30分ルール」があります。例を交えて紹介します。たとえばエルパトして、運よくバーキンに出会えたとしましょう。しかし順番待ちの状態となっており、あなたは3番目に待っている顧客だとします。
1番目の顧客は、紹介されたバーキンが自分の好みのデザインや大きさではなかったり、予定していた以上の価格であったりなどの理由から断りました。次に2番目に順番待ちしている顧客に相談されるわけですが、このときに、買うか買わないかの選択を30分以内にできなければ、次に順番待ちしている3番目のあなたに譲ることになるというルールです。
30分ルールはエルメスが公式に公表しているルールではないため、30分を厳密に計測しているわけではありませんが、バーキンを買うか買わないか迷っている人を永遠に待つことはできないため、ある程度の時間は設けられていると考えられます。バーキンは高価なため購入するかどうか迷う気持ちはわかりますが、希少性と価値の高いバーキンを欲しい人は多くおり、顧客や店舗の運営をスムーズにするため、一定のルールを設けているのは納得できることでもあります。
2-2.直営店の店員と仲良くなる
エルメスの直営店にはさまざまな店員さんがおり、店員さんと仲良くなることで、バーキンを手に入れられた人も多からずいるようです。直営店の店員さんと仲良くなるには、ベテランで経験や権限のありそうな店員さんや、落ち着いた雰囲気で話しやすそうな店員さんを狙って会話できる時間をつくってもらえるように、徐々に親しくなることが大切です。徐々に仲良くなって、奥の部屋に通されてじっくり会話できたという人もいるようです。
店員さんと打ち解けて会話できる状態になってはじめて、バーキンの在庫はありますか、と話を持ち掛けるのです。店員さんによっては、フリーのバーキンの在庫を管理していたり、お得意様がキャンセルしたバーキンがあることを知っていたりする場合があるため、運が良ければバーキンを紹介してくれるかもしれません。
また根気強く同じ直営店にエルパトして、店員さんに顔を覚えてもらえば、一見さんよりはバーキンを紹介してもらえる確率が上がるかもしれません。
2-3.直営店で実績をつくる
エルメスのバーキン以外のアイテムを購入して直営店で実績をつくったのち、バーキンを手に入れる方法もあるようです。しかし実績をつくったからと言って、必ずバーキンが買えるわけではないため、注意が必要です。また1年ほどの短期間でエルメスのアイテムを多く購入するより、10年のような長いスパンで実績を増やしていく方が、効果があるという意見も聞かれます。この方法は直営店の店員さんにアピールしたり覚えてもらったりするために、有効になる場合があるようです。
エルメスを訪れる機会を増やせば、店員さんに顔を覚えてもらえて「バーキンはありますか?」と質問しやすくなるかもしれません。またエルメスのアイテムを多く購入してきた顧客のなかには、店員さんの名刺が袋に入れられていることもあります。店員さんの名刺を得られれば、次に店舗を訪れたときに名刺をくれた店員さんと話しやすくなり、よりアピールできるようになるというわけです。
バーキンを継続的にいくつも欲しい人やお得意様になりたい人は、エルメスの購入履歴を増やすことは効果的な方法かもしれません。またエルメスは担当制となっており、お得意様や購入履歴が多い人にはそれぞれ担当者がつき、バーキンが入荷すれば連絡をくれます。担当さんがつけば、スムーズにバーキンを購入できるようになるため、エルパトする機会は激減するでしょう。
2-4.専門店か中古販売店で買う
エルメスのバーキンは直営店だけでなく、専門店や中古販売店でも購入できます。専門店は直営店より品揃えがよいため、手っ取り早くバーキンを手に入れたいと思っている人にぴったりです。
しかし、専門店や中古販売店はバーキンを手早く買えるというメリットがある一方、直営店より価格が高いというデメリットもあります。専門店は直営店からバーキンを卸して販売しており、バーキンそのものの価格にプラスして、人件費やエルメスへのロイヤリティなどがかかるため、価格が高くなるわけです。また需要と供給のバランスが崩れているため、直営店の定価より、専門店や中古販売店の販売価格のほうが高値となっている現象が起きています。
中古市場でも、バーキンを取り揃えている販売店は多くあります。新品でなければバーキンは買いたくない、という思いが強くない人は、中古販売店で買う方法も検討してみてはいかがでしょうか。しかし希少性の高いバーキンは資産として購入する人もいるほど価値が高いため、中古市場においても専門店と同様に、定価より高値で販売されているケースも少なくありません。実際に中古販売店を訪れてバーキンの状態を確認したり、自分好みのデザインやカラーであるか見極めたりして、折り合いの付くバーキンがあれば購入するのもありでしょう。
専門店や中古販売店を利用する際に、心に留めておいてほしいポイントがあります。専門店や中古販売店を利用してバーキンを購入すると、エルメスに購入履歴が残らない点です。
中古販売店で購入するとエルメスに購入履歴が残らないことは、当たり前のことだと思う方は多いですが、実は専門店でバーキンを買ってもエルメスに購入履歴は残りません。専門店は直営店から正規品を卸すことを許可されている店舗のため、エルメスに購入履歴が残ると思っている方がいるかもしれません。しかしエルメスに購入履歴が残るのは、直営店のみとなります。お得意様を目指している人や、担当さんについてほしいと思っている人は注意が必要です。
専門店でエルメスのアイテムを購入しても、エルメスの購入履歴には残らないため、お得意様を目指している人や担当さんについてほしいと思っている人にとっては、デメリットになるかもしれません。しかし、お得意様や担当さんにこだわらず純粋にバーキンを買いたいと思っている人や、値段が高くても早く手に入れたい人、バーキンがたくさん欲しいと思っている人には専門店の利用がおすすめです。
またバーキンは、その人気と希少性からエルメスが購入制限を設けています。バーキンのような人気アイテムは、1年間のうち1人当たり2個までしか購入できないよう規制されているのです。専門店や中古販売店であれば、エルメスに購入履歴が残らないため、バーキンがたくさん欲しいと思っている人は制限なく購入できます。
しかし、専門店で販売されているバーキンは直営店の定価より高いため、潤沢な資金が必要となります。潤沢な資金を持った富裕層は、直営店に行けばすぐに担当さんがつく可能性が高いため、専門店で多数のバーキンを買う人は少ないかもしれませんが、違う角度から見ると専門店には専門店の良さもあるのです。
2-4-1.バーキンの値段は定価と中古ではどのくらい違う?
バーキンを直営店の定価で購入するのと、中古販売店で購入するのとでは、いくらくらい値段が違うのでしょうか。バーキンの定番アイテムで、2024年2月に改定される定価と中古品の価格をそれぞれ比較しています。なお、中古品は入荷状況により販売価格の値幅が広くなったり、アイテムの状態によって価格が変動したりするため、あくまで参考価格として比較してみてください。
品名 | 定価(2024年2月改定価格) | 中古販売価格相場 |
バーキン25 トリヨンクレマンス | 1,738,000円(税込) | 2,400,000~3,900,000円 |
バーキン25 エプソン | 1,441,000円(税込) | 2,300,000~3,600,000円 |
バーキン30 トゴ | 1,903,000円(税込) | 2,400,000~4,000,000円 |
上記の価格比較表から見てもわかるように、バーキンは定価より中古品の値段のほうが高くなっています。地道にエルパトできる人は、直営店で購入する方がお得です。
2-4-2.バーキンが手に入りやすい国はある?
バーキンが手に入りやすい国を知っていれば、日本で苦労することはないかもしれません。しかし結論から言うと、バーキンは世界中で品薄状態となっており、手に入りやすい国はないことがわかりました。
エルメスの本店があるパリにおいても、バーキンが欲しいと思っていても担当さんのついていない顧客は、日本と同様にエルパトする人が多いのです。またパリでは「バーキンはありますか?」と店員に尋ねると、QRコードが印刷されたカードを渡されます。そのカードは、顧客のバッグの相談に店員が乗れるか乗れないかを知らせるためのものです。
顧客は毎日、QRコードからエルメスのバッグ担当に連絡して、店員が相談に乗れるか乗れないかを知らせる返事がくるのを待ちます。エルメスから連絡がなければ、バッグの相談には乗れないという合図となります。本店のあるパリでは買えると思ってしまいがちですが、エルメスは在庫の管理数さえもきっちりとしており、世界的に平等なブランドのようです。
値段の観点から外国と日本を比較してみると、日本より安くバーキンを買える国はヨーロッパ圏と、フランスや香港があります。フランスは他国と比べて、アトリエからの輸送費を安くできコスト削減となるため、円高であれば日本より20%前後の安い価格で購入できます。またフランスには本店があるため、運が良ければ、日本ではまだ発売されていない新作を手に入れられるかもしれません。
香港は、関税をとられないのに加えて税金がかからないため、日本より安い価格でバーキンを購入できます。日本からそれほど遠い国ではないため行きやすく、長期滞在する機会があればバーキンを安く手に入れるチャンスとなります。
3.バーキンを直営店で購入するのに向いている人とは?
バーキンは直営店以外にも専門店や中古販売店で購入できることを紹介しましたが、どうしても直営店で購入したいというこだわりのある人や、お得意様になって担当さんについてもらいと思っている人は、エルパトを繰り返したり購入履歴を増やしたりなどの努力が必要です。バーキンを買うための方法は解説してきましたが、どのような人がバーキンを直営店で購入するのが向いていて、どのような人が直営店で購入するのに向いていないのでしょうか。あなたが直営店でバーキンを買うのに向いているのか向いていないのか、参考にしてみてください。
3-1.コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人は、店員さんに自ら話しかけて会話を広げられるため、直営店でバーキンを購入するのに向いているでしょう。コミュニケーション能力が高ければ、店員さんとの距離を縮めることができ、バーキンを紹介してもらいやすくなるかもしれません。
一方で、直営店に入って一言目に「バーキンはありますか?」と尋ねてしまう人は、店員さんに悪い印象を与えてしまうようです。店員さんに「お探しのものはありますか?」などと問われた際は問題ありませんが、店員さんと仲良くなって名刺が欲しいと考えている人や、エルパトする店舗を限定したい人にとっては、まずは店員さんとの関係を築くことが大切です。
コミュニケーション能力が高くて人と話すことが好きな人は、店舗で店員さんと何度か話していると、奥の部屋に案内されることもあるのだとか。お得意様やエルメスのアイテムを購入する時などに使われる小部屋に通されて、2時間ほど話し込んだというエピソードを見つけました。エピソードの方は2時間ほどの会話中にさりげなく、「バーキンはありますか?」と尋ねたら紹介してくれたとのことでした。
エピソードは特別なパターンだったかもしれませんが、何においてもコミュニケーション能力が高くて困ることはありません。コミュニケーション能力が高い人は、知らず識らずのうちに、話しやすそうな店員さんを見定められているのかもしれません。
3-2.十分な財力がある人
エルメスのバーキンを買うには、それ相応の財力を持っていなくてはなりません。担当者がついていない顧客が直営店でエルメスを購入する際、紹介されるバーキンはおそらくひとつのため、デザインや大きさは選べません。そのため、予算を上回る高価なバーキンを紹介される可能性もあります。
担当さんがついていない人にとって、エルメスの直営店でバーキンに出会えることは珍しいことです。しかし十分な資金がなければ、目の前のバーキンを諦めないといけないことになってしまうかもしれません。クレジットカードで支払いを済ませる際は、クレジットカードを2つ使って支払うことはできないため、バーキンを買えるような限度額の高いクレジットカードを用意する必要があります。十分な財力がある人であれば、限度額が高いクレジットカードを持っているため、現金を持ち合わせていなくてもスムーズに支払いできるでしょう。
また何百万円、何千万円という現金を常に持ち歩くことは現実的ではないため、限度額が大きいクレジットカードを用意しておく必要があります。そのため、クレジットカードの限度額が高いクレジットカードを持っている十分な財力のある人は、直営店でバーキンを購入するのに向いていると言えます。
3-3.エルメスに知り合いがいる人
お金持ちの友達はお金持ちだと言われるように、財力のある人のなかにはエルメスに知り合いがいる人も多かれ少なかれいるようです。エルメスに知り合いがいるとなると、エルパトする必要もなければ、積極的に自分から店員さんに話しかけることもしなくてよいでしょう。バーキンを購入する前から担当さんがついているようなものなので、事前にバーキンが欲しいとこを知らせておけば、担当さんが連絡してくれるためです。
バーキンはフリーとお得意様用に製作されるものを分けており、お得意様の要望を取り入れたバーキンが優先されます。エルメスに知り合いがいる人はコネクションを利用できるため、直営店でバーキンを購入するのに向いています。
3-4.直営店でしか買わないと決めている人
直営店でしかバーキンを買わないと決めている人は、地道なエルパトや店員との積極的なコミュニケーション、エルメスアイテムを購入して履歴を作るなどして、購入できる日を楽しみにするしかありません。直営店は専門店よりも安い定価で購入できることや、直営店で買えたという達成感、エルメスに名前が登録されるといったメリットが多くあります。直営店自体に魅力を感じる人は、バーキンを手に入れるまで努力を惜しまないでしょう。
4.バーキンを直営店で購入するのに向いていない人とは?
バーキンを直営店で購入するのに向いている人がいるように、向いていない人も一定数います。どのような理由で、直営店で購入するのに向いていないのか解説していきます。
4-1.エルパトする時間がない人
エルメスの営業時間は決まっており、仕事が忙しい人や小さな子供の世話で出かけるのが難しい人などは、エルパトに割く時間がないのではないでしょうか。直営店でエルメスを買うためには直営店に足を運ぶことが前提であり、エルパトという言葉が生まれていることからわかるように、何度も直営店に赴く時間が必要になります。そのためバーキンを直営店で買いたいけれど、エルパトする時間がない人は、直営店でバーキンを購入するのに向いていないと言えます。
数少ないエルパトでバーキンに出会える人もいますが、稀な話であるため現実的ではありません。希少性が高いバーキンを直営店で買うには、地道な努力とセットで時間も必要となるのです。
4-2.好みのバーキンが決まっている人
バーキンの種類は実にさまざまで、デザインはもちろんのこと大きさや素材においても豊富に展開されています。種類豊富なバーキンのなかでも、定番のデザインを買いたいと決めている人や欲しいサイズが定まっている人は、直営店でバーキンを購入するのに向いていないでしょう。直営店で運よくバーキンを紹介されても、自分の好みのアイテムを紹介されるとは限らないからです。
直営店でバーキンを紹介されること自体が貴重であり、さらに自分の好みのバーキンを紹介されるのはもっとハードルが上がってしまいます。好みのバーキンが決まっている人は、専門店を回ったり中古販売店のサイトを閲覧したりする方が、効率的に希望するバーキンを見つけられます。エルパトして直営店でバーキンを紹介されて舞い上がってしまい、自分の好みではないバーキンを購入して後悔してしまわないように、好みのものを探すことに時間を割くことを優先するほうがいいかもしれません。
4-3.早くバーキンを手に入れたい人
希少性の高いバーキンは、1年間で購入できる数量を1人2個までという数量制限を設けていますが、それでも需要と供給のバランスはとれていません。担当者がついているお得意様でもすぐにバーキンが手に入るというわけではなく、1年待ちや予約すら受け付けていないという現状もあるようです。そんななか、バーキンを一刻も早く手に入れたいと考えている人は、直営店で購入するのに向いてない人と言えます。
早くバーキンを手に入れたいと思うのならば、専門店や中古販売店を利用するとよいでしょう。専門店や中古販売店も直営店と同じようにバーキンは大変人気があるため、品薄な店舗もあるようですが、買える確率は大幅に上がります。
5.バーキンが買えない現象が起きるのはなぜ?
エルパトという言葉が生まれるほど人気で、直営店には日々バーキンを求める人が集う状況にありながら、バーキンが買えない現象が続いているのはなぜなのでしょうか。エルメスは多くのこだわりを持っており、バーキンをはじめ、すべてのアイテムに妥協せず価値の高いものを製作したいという強い思いを持っています。そのこだわりが、バーキンが買えない現象にどのような影響を与えているのでしょうか。
エルメスの強いこだわりの他にも、バーキンが買えない理由として下記の5つを挙げました。なぜバーキンが買えない現象が続いているのか、考察してみましたので参考になれば幸いです。
・需要と供給のバランスがとれていない
・転売屋の存在
・資産になる
・SNSの発展
・新型コロナウィルスの影響
5-1.エルメスのこだわり①製作に時間がかかる
バーキンはひとつひとつ職人がはじめから最後までハンドメイドしており、パーツごとに製作するような担当制を採用していないため、職人1人が製造できるバッグの数は1か月で10個ほどと言われています。企業としては、多くの需要があればそれに応えるために、パーツごとに製作する職人を配置して流れ作業のような形を作って、製造スピードを上げるなどの工夫をするように思うかもしれません。しかしエルメスは、1人の職人が1つのバッグを1から100まで製作することにこだわりを持っています。
多くの需要があるにもかかわらず、こだわりの製作方法を変えないのもエルメスの大きな魅力のひとつであり、バーキンが買えない現象を引き起こしている要因ともなっています。
5-2.エルメスのこだわり②生地にも手間がかかっている
エルメスは生地にも強いこだわりを持っており、1948年に創業した老舗タンナーの「デュプイ社」が製革する生地を採用しています。タンナーとは、動物の皮をなめして、なめし革にする製革業者を指します。デュプイ社はヨーロッパ産の厳選された高品質の原皮のみを使用し、他のタンナーの2倍以上の時間をかけてなめしをおこなっている、世界最高峰のタンナーとして知られています。
エルメスは自社のアイテムを最高級にするために、デュプイ社を買収し傘下にいれています。世界最高峰といわれるタンナーの生地をエルメスのアイテムに採用し続けたいという思いから、買収に踏み切りました。バーキンの生地は他のタンナーの2倍以上時間がかかる製革法を用いているため、バーキンを製作するのに多くの時間を要するのです。
5-3.エルメスのこだわり③コングロマリットに属さない
エルメスは2010年、コングロマリットであるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)から買収を持ち掛けられましたが、断っています。コングロマリットとは、さまざまな業種を営んでいる企業を買収し、傘下にしながら大きくなっていく企業体のことを指します。LVMHはコングロマリットのなかでも世界最大と言われ、LVMHの傘下には70社以上の企業がはいっており、中核を担っているのはルイ・ヴィトンです。そのほかのブランドとしては、ブルガリ・ショーメ・ケンゾー・ロエベなど、有名なブランドばかりが集まっています。
コングロマリットであるLVMHの傘下に入れば、世界中のブランドが傘下に入っているためスムーズな世界展開を可能にしたり、他のブランドとコラボしたり、赤字になっても他社が助けてくれたりなど可能性は無限に広がります。しかしエルメスは一族でLVMHからの買収を頑なに拒み続け、現在も単体のブランドとして運営することを選択しています。コングロマリットに属さないのもエルメスのこだわりのひとつとなっており、エルメスのブランドイメージを壊したくないという強いこだわりが伝わります。
エルメスは原材料である生地から、アイテムを製作する職人・運営方針まで、すべてにおいてこだわりを貫き、一切の妥協を許さない孤高のハイブランドです。こだわりを貫く姿勢が、バーキンを買えない現象を引き起こすことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
5-4.需要と供給のバランスがとれていない
バーキンが欲しいという需要はとどまることを知らず、品薄状態が続いているのは普通のことのようになっており、エルメスのこだわりにより供給が追いついていないのは事実です。人間の心理とは不思議なもので、手に入りにくい商品や人が欲しがっている物ほど欲しいという心理が働いてしまうため、さらなる需要の拡大に拍車をかけているように感じます。エルメスはこだわりの製法を変えるつもりはないため、これからもバーキンの人気は衰えることなく、孤高のハイブランドとして走り続けるでしょう。
5-5.転売屋の存在
転売屋の存在も需要拡大の要因となっており、バーキンが買えない現象を引き起こしているのは間違いありません。バーキンは中古品でも定価より高く売られていたり、多少の傷みがあっても購入されたりと、原価を低く抑えながら高い利益を得られるため、バーキンを転売する人は後を絶ちません。価格が高いと思いながらも、インターネット販売を利用してバーキンを購入する人もいるのです。
5-6.資産になる
バーキンは希少性が高く、これから益々価値が上がっていくと見越している人がおり、資産としてバーキンを購入する人も増えています。価格は年々上昇しているため、早く買えば買うほど安く購入できて、時代が経てば定価以上の価値が生まれ、資産となるのです。そのため現在バーキンを購入して、将来は娘に持たせたいと思っている親御さんもいるようです。
今やバーキンは金や株のような資産として捉えられているため、バーキンの需要は下がることを知らず、買えない現象を生み出しているひとつの理由となっています。
5-7.SNSの普及
最近ではYouTubeやInstagram、TikTokのようなSNSの普及により、高級ブランド品紹介や購入品を紹介する動画や画像がアップされており、ハイブランドのアイテムを目にする機会が増えました。SNSは気軽にいつでも見られるため、ハイブランドを身近なもののように感じる人が多くなったことも、バーキンが買えない現象を引き起こしている要因となっているのではないでしょうか。エルメスのバーキンについてはSNSで、どれだけ入手困難であるか紹介されているため、手に入れたいと感じた人や興味を持つ人が増えたのかもしれません。
5-8.新型コロナウィルスの影響
今でこそ、新型コロナ感染症は落ち着きを見せており、日本では5類感染症に移行されて人々は日常を取り戻しています。しかし新型コロナ感染症の流行時は外出もままならず、旅行も禁止されていた時期がありました。人々の関心が外から内に入ってきたことから、ブランド品の需要が高まったのではないでしょうか。
バーキンは資産価値があると知っている人や海外旅行に行けずお金を使いたい人、巣ごもりでSNSを見てバーキンを知った人など、バーキンのような高級アイテムに興味を持つ人が増加したと考えられます。新型コロナウィルスの影響によって、バーキンを製作する職人も休業期間があったことから需要と供給のバランスが崩れ、バーキンが買えない状況を引き起こしたと言えるでしょう。
6.バーキンを買える人の年収はどのくらい?
バーキンは高価なため、バーキンを買える人は一般的に年収が高いとされる人が大部分を占めているのではないでしょうか。バーキンをクレジットカード決済で購入する場合は、1枚のカードしか使えません。そのためクレジットカードの限度額がバーキン以上の額ではないと、バーキンを購入できないわけです。
バーキンが買える価格の限度額が設定されているクレジットカードは、それなりの年収がないと発行されません。そのため年収1,000万円以上であれば、問題なくクレジットカード決済でバーキンを買える年収ではないでしょうか。
ただバーキンを買える人は、一般的に年収が高いとされる人が大部分を占めていそうですが、年収300万円の人であろうが年収500万円の人であろうが、現金を持っていればバーキンは買えます。人それぞれのステージがあり、それぞれの年収に合わせて貯金して現金で買ったりクレジットカードで買ったりすることが可能です。
7.本当のお金持ちはバーキンを買わない?
本当のお金持ちはバーキンを買わない、という言葉の真意はどこにあるのでしょうか。本当のお金持ちは、バーキンの真の価値を知っているからこそ身に着けており、バーキンに合わせたファッションをするのではなく、自然体でいながらバーキンを持っている人が多いという印象です。本当のお金持ちは、エルメスは原材料の革からこだわってひとりの職人がひとつひとつバーキンを製作していることを知っており、価値のあるものだから買うのでしょう。
ファッションに関しても、バーキンを持っているからといって無理に高級な服を着て街を歩くようなことはしません。いつも着ている自然体のファッションに合わせて、バーキンを持っています。一方で、バーキンを持っていることにステータスを感じる人は、バーキンが目立つようなファッションを選びます。そのような人を見て、バーキンを自慢している?ステータスがあるとアピールしている?と人から思われてしまうのです。
本当のお金持ちは常に心にゆとりがあり、おおらかです。バーキンが特別という感覚はなく、自分が使いたいから使うという独立心が垣間見えます。本当のお金持ちは自分の感じたことに忠実に行動するため、バーキンが良いものだと思えば買う人もいるし、買わない人もいるということなのではないでしょうか。
8.エルメスのこだわりから生まれたブランディング
バーキンが買えないという情報について、本当に買えないのか、バーキンを買うにはどういった方法があるのかを解説しました。バーキンは一見さんであっても買うことはできますが、地道にエルパトしたり直営店で購入実績を作ったりする必要があり、直営店を訪れてすぐにバーキンを手に入れられる人は稀です。自分の欲しいバーキンのデザインやフォルムが決まっている人や、すぐに手に入れたいと思っている人は、専門店や中古販売店で購入する方法もあることをお伝えしました。
またバーキンはなぜこんなにも希少性が高く、買えない現象が起きているのか、原因についても深掘りしました。バーキンが買えない現象が起きるのは、エルメスのこだわりや時代の流れが関係しています。エルメスの強いこだわりは、生地の選び方からアイテムを製作する職人、ブランディングまで徹底しています。
バーキンが買えない理由は多くあり、最も大きな理由はエルメスのこだわりです。すべてに手を抜かずこだわり続け、自社でアイテム製作をおこなうエルメスは人々の心を惹きつけます。エルメスのバーキンが買えない理由は、エルメスのこだわりが根底にあり、人々の憧れのブランドとして君臨しているからでしょう。