バウハウスを知らない方でもバルセロナチェアやブラウンを見たことのない人は少ないでしょう。それくらいバウハウスは世の中に出回っていますが、そんなバウハウスの流れを汲んだ時計があることをご存知でしょうか。ドイツ時計のノモスもその一つですが、東のノモス・西のユンハンスと言われており、ユンハンスは特にバウハウスの影響を色濃く受けています。この記事ではユンハンスの歴史、魅力、代表シリーズ、ユンハンスの時計を着けている芸能人、おすすめモデルについてまとめます。
1.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンスの歴史
出典:JUNGHANS
1-1.1861年ユンハンス兄弟によりドイツシュランベルクで創業
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1861年にエアハルト・ユンハンスとクサヴァー・ユンハンスの兄弟によってドイツ、シュヴァルツヴァルトの中心にあるシュランベルクで壁掛け時計メーカーとして創業しました。当初は鳩時計の部品製造など、表舞台に出るメーカーではありませんでしたが、創業から5年後の1866年に初の自社製時計を開発しました。1875年エアハルト・ユンハンスの死後、息子のアルトゥール・ユンハンスが社長に就任しました。
1-2.20世紀初頭には年間300万個を生産する世界最大の時計メーカーへ
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クサヴァー・ユンハンスがアメリカに住んでいたこともあり、ユンハンスが時計作りの参考にしていたのはスイスではなくアメリカです。大量生産によりスイスに次ぐ世界2位の規模となるアメリカ式のマーケティングや手法をユンハンスに取り入れようとしたのです。その一つが星型のロゴで、アメリカのマーケティング理論に基づいたロゴデザインを1890年に発表。現在も使われている星型ロゴのルーツとなります。実際、日本にユンハンスが輸入されてきたときにも「Jマーク」、「星型ロゴ」がピックアップされて宣伝されていたようです。
1903年には一躍ドイツ時計界のトップに上り詰め、従業員は3000人、年間300万個の時計を生産する世界最大の時計メーカーとなりました。1927年に初めて腕時計を製造。1930年には自社製ムーブメントを開発し精度を追求。1956年には磨き上げたマーケティングによってロレックス、オメガに並ぶ知名度を獲得していきました。
第二次世界大戦の頃には通常通りの営業ができず規模を縮小せざるを得ませんでした。同時に軍用にパイロットウォッチの製造を行い、グローブのまま操作できるベゼルなど、ユンハンス製は重宝されたといわれています。同じドイツ時計ではランゲ&ゾーネなどグラスヒュッテ初のブランドは空襲にあった影響で街のブランドを一纏めにして存続できましたが、メーカーごとの技術や文化は一度途切れてしまっています。ユンハンスは幸いにもブランドの休眠には繋がらず、終戦後すぐに再開できています。
1-3.一世を風靡したマックスビルデザインの腕時計を発表し、大ヒット
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1950年代に今もユンハンスを代表するマックスビル氏にデザインを依頼、バウハウスの思想を取り入れました。のちにマックスビルシリーズだけではなくユンハンス全体に影響しています。戦争と時計関税の撤廃が与えたダメージは大きく、1956年にカール・ディールに売却されてしまいます。同じ西ドイツのブランドとして活動していたラコやハンハルトなども売却や製造の中止などに追い込まれました。ユンハンスは売却後、自社製ムーブメントを止め、ETA製ムーブメントに切り替えました。
1970年代に入りクオーツ時計の流通が始まり機械式時計の需要が大きく減りましたが、ドイツ発のクオーツ時計への挑戦を続けるなど、時代に乗りながら活動を続けました。買収はされたものの休眠はありませんでした。その後2000年にエガナ・ゴールに買収され、再び機械式時計に注力することとなりますが、2008年にエガナ・ゴールの倒産により、ハンス・ヨヘム・シュタイム博士とハンネス・シュタイムによって買収。現在はユンハンスは独立していますが、彼らとのパートナーシップは継続しています。
2.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンスの魅力
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2-1.バウハウスの流れを汲んだシンプルデザイン
ユンハンスについて語るにはバウハウスを避けて通れません。バウハウスとは1919年から1933年、第一次世界大戦後にドイツワイマールに建てられたデザイン学校のことです。イギリスの産業革命により粗悪品が大量生産される状況に異を唱え、かつての手仕事へ戻ろうとするアーツアンドクラフツ運動が起こりました。ドイツもこれに影響を受け、建築家や工芸家が主となり芸術と産業の融合に向けての規格化を進め、連盟が誕生する中で生まれたのがバウハウスです。
バウハウスでは「形態は機能に従う」といった思想を基に様々なデザインを開発しました。華美な装飾などを伴うデザイン先行ではなく、機能が先にあり、デザインは機能が決まれば自ずと決まるといった考え方で、ルイヴィトンやノモスが愛用するフォント「futura」や、テレビやインターネットで誰もが一度は見たことのあるバルセロナチェアなど、バウハウスの影響を受けた作品は身近にあふれています。
ユンハンスではこうした思想に共感し、シンプルな時計作りを徹底しています。機能をいたずらに増やさずに、カラーバリエーションなども広げすぎず、シンプルなデザインを貫いています。マックスビル、マイスターだけではなく新作となるフォームもバウハウスの思想を取り込んだデザインで、ユンハンスの共通テーマとして永く考えられています。
2-2.リーズナブルな価格帯が中心でユーザー幅が広い
ユンハンスの時計はリーズナブルなのも魅力の一つです。マックスビルとマイスターを中心に展開していますが、いずれも美しい工業用デザインの哲学や、かつて軍から重宝されたパイロットウォッチ、往年のヴィンテージカーからインスピレーションを得て開発されたモデルなど、デザインを中心に開発されています。
そのため、ムーブメントにはこだわらず購入品を使用します。自社製ムーブメントを開発しない分、複雑系モデルの開発やシースルーバックによるムーブメントの鑑賞などは難しくなりがちですが、リーズナブルに展開できますし、デザインを中心にしているため問題になりません。スチールバックでそれぞれの刻印やマックスビルなら彼のサインを描くなど、コンセプトに合ったカバーリングがされています。
デザインの幅が広くユーザーの層も厚いです。シンプルなデザインからパイロットウォッチ、ヴィンテージカーのようなモデルなど、様々なユーザーに見てもらえるように工夫されています。ムーブメントにこだわらないため価格帯がリーズナブルなのも、ユーザー幅を広げる要因の一つです。多くのユーザーに知られるのもメリットになるでしょう。
2-3.グラスヒュッテとは違うもう一つのドイツ時計の顔
ドイツ時計というとランゲ&ゾーネやグラスヒュッテオリジナルなど、グラスヒュッテ様式でつくられた時計をイメージされる方が多いかと思います。実際、ドイツブランドの多くはグラスヒュッテ出身で、3/4プレートなどの特徴的なつくりで無骨でいて美しい時計を生み出しています。
しかしドイツ時計にはもう一つの顔があり、グラスヒュッテを東ドイツとするなら西ドイツとの時計もあります。ユンハンス、ジンなどが西ドイツ時計に当てはまります。グラスヒュッテ様式のような共通したつくりはないのですが、傾向として実用さに焦点をあてた時計つくりが多いのが特徴です。
ユンハンスは世界で初めて電波式腕時計をつくったメーカーで、今最も実用的な種類の時計です。ジンはパイロットウォッチの規格をつくるなど、パイロットウォッチとしての強度を完成させています。
3.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンスの代表シリーズ
3-1.マックスビル
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1961年にバウハウス最後の巨匠と言われたマックスビルがユンハンスのためにデザインした腕時計をベースに完成させたマックスビルシリーズ。元々1956年にキッチンクロックとしてデザインされた時計を腕時計用にコンバートしたものです。バウハウスの理念に基づいた無駄のない美しさを追い求めたデザインで、60年以上経つ現在でも多くの人に愛されています。
特徴的なフォントのオールアラビアインデックスやベゼルの厚みを少なくし文字盤を大きく見せる手法などシンプルながら独特なデザインで、一目でマックスビルモデルだとわかります。バーインデックスやクロノグラフなどへも展開されており、オリジナルモデルの世界観を壊さないように後から追加されたものです。
3-2.マックスビルメガ
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ユンハンスの代表作マックスビルに世界で初めて電波式腕時計を開発した技術力をミックスしたのがマックスビルメガです。バウハウスの思想を取り入れた無駄のないデザインが特徴のマックスビルの世界観はそのままに使い勝手の良い電波クオーツ式モデルとなっています。ドーム型のサファイアクリスタル風防にボンベ型文字盤と先端が曲げられた針が特徴のレトロなデザインは流行に左右されない普遍的なデザインとして永く愛されています。
専用のアプリと連動した時刻設定、永久カレンダーや夏時間と冬時間の自動切換え、タイムゾーンの切り替えが可能です。0.5秒ずつ針が進む表示の正確さや専用アプリを用意する点など、機能重視のドイツ時計らしさも感じられます。モデルによってはチタンケースを採用することでさらに軽量化に成功しており、実用性に特化したモデルに進化しつつあります。
3-3.マイスター
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マイスターはブランドのもう一つのアイコンで、幅広いデザインで展開されています。マックスビルから派生したシリーズで、レトロなマックスビルに対しマイスターはモダンに仕上げてあります。ベースにあるのは1950~1960年代の機械式時計で、マックスビルとは違うクラシックな雰囲気が感じられます。
1950年代当時のシンプルな仕上がりのマイスタークラシック、デザインはそのままに電波時計のムーブメントを搭載したマイスターメガ、かつてドイツ軍に納入されたノウハウを詰め込んだマイスターパイロット、高級車メルセデス・マイバッハのダッシュボードにインスピレーションを得て開発されたマイスタードライバーが展開されています。それぞれ分けて解説しますので、この項ではマイスタークラシックについてまとめます。
マイスタークラシックはマックスビルから派生したため、比較的シンプルなモデルが多いのが特徴です。ベゼルを極力なくし、ドーム状の風防と文字盤、装飾はほぼないといった点はマックスビルと共通しています。針やケース形状はモダンに仕上げたことで、シンプル・クラシックなデザインとなっています。機能はあまり増やさずに3針、クロノグラフを中心に、ムーンフェイズやカレンダーモデルが数年に一度展開され、コンパクトにまとまっています。
3-4.マイスターメガ
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2018年に発表されたマイスターメガは、マイスタークラシックのデザインをベースに電波時計としてリリースされました。元々世界初の電波式腕時計を開発した実績もあり、クオーツ時計・電波時計の正確さ・手軽さをマイスターのシンプル・クラシックなデザインに落とし込んだ時計です。機械式時計と同じデザインで電波時計が楽しめるため、操作・管理が煩雑に感じるユーザーにも機械式時計の緻密なデザインの魅力が伝わるようになっています。
マイスターメガに搭載されているムーブメントは様々な機能が搭載されており、時刻の正確さでは群を抜いています。秒針が0.5秒ごとにステップ運針する細かさや、秒針57~58秒から分針が徐々に動くのが通常のクオーツ時計ですが、マイスターメガは秒針が60秒を指す瞬間に分針がすっと動く徹底ぶり。一日に1440回時刻の同期を自動で行う機能や、電波状況が悪い場合でも専用アプリで手動ですぐに同期できるなど、クロノグラフやアラームなどの多機能ではなく時刻の正確さに焦点を当てて開発されています。
3-5.マイスターパイロット
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マイスターパイロットは1930年代に航空機や飛行船向けの機内時計を生産、1950年代にはドイツ連邦国防軍向けに伝統的なパイロットウォッチを生産した実績を基につくられています。
大ぶりなケースサイズ、オールアラビアインデックスと針には夜間でも視認性を高めるための夜光処理を施すなど、伝統的なパイロットウォッチにならうデザインとなっています。12角形のベゼルが特徴的で、当時のモデルに忠実に再現されています。デザインは当時に忠実に、ムーブメントや風防などの使い勝手や堅牢性は最新の技術が搭載され、使い勝手が向上しています。
3-6.マイスタードライバー
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マックスビルに並ぶもう一つの代表格となるマイスターをベースに新たな世界観を発表したのがマイスタードライバーです。同じドイツ製の高級車メルセデス・マイバッハのダッシュボードにインスピレーションを得て開発されており、重厚なクラシックな面持ちと漂う高級感が特徴です。
大型でレトロなフォントのアラビアインデックス、ツートーンカラーの文字盤、文字盤外周のレイルウェイなど、ヴィンテージライクなデザインとなっています。特に1930年代に登場した名車「マイバッハ ツェッペリン」の特徴が色濃く反映されているため、往年のヴィンテージカーのような雰囲気が感じられます。インダイヤル部は丸く凹んだ形状になっているため立体感もあり、細かなディティールへのこだわりが見えます。
3-7.フォーム
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シンプルでスタイリッシュなデザインの時計を多く展開するユンハンスの次の手がフォームです。2017年に発表されたフォームはこれまでのマックスビル、マイスターのどちらとも違う世界観を見せてくれています。
特徴的なのはドーム型ではなくフラットに仕上がっている点で、文字盤・風防どちらもフラットとなっています。モデルによっては凹んでいるものも。バウハウスの思想を取り入れた装飾を廃したデザインは健在で、ミニッツレールは目盛りではなく四角の窪みで表現しています。アラビアインデックスが5刻みにオレンジ色で描かれたモデルとバーのタイプとが展開されています。
仕様ごとに細かく名称が分かれており、自動巻き3針のフォームA、クオーツのクロノグラフ搭載のフォームC、クオーツ・電波時計のフォームメガ、女性用のレディとなっています。現時点では発表からの期間も短いためこれから展開が広がっていくシリーズと見られており、マックスビル、マイスターに続くユンハンスを象徴するべく注力されていくのではないでしょうか。
4.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンスの時計を着けている有名人5選
4-1.タレント 星野源 マックスビル Ref.027/4002.00
タレント 星野源さんが着けているのはマックスビル Ref.027/4002.00です。星野さんはオンオフ両方問わず時計を着ける機会が多いようですが、比較的シンプルな時計を好んで着けているようです。カシオやスカーゲンなどのカジュアルウォッチから、ロレックスオイスターパーペチュアルなど幅広くシンプルな時計を着けています。
Ref.027/4002.00はシンプルなマックスビルの中でも特にシンプルに仕上がっているモデルです。バーインデックスの3針+日付表示の無駄を排除した時計です。ベゼルの肉が薄いため、38mmケースサイズながらインパクトを感じさせます。ミネラルガラス風防はドーム状に加工されており、マックスビルモデルの基になった1962年のレトロな世界観が表現されています。
4-2.俳優 堺雅人 マックスビル クロノスコープ Ref.027/4600.00
俳優 堺雅人さんが着けているのはマックスビル クロノスコープ Ref.027/4600.00です。堺さんはドラマ作品内で時計を多く着けていますが、その多くがシンプルなもの。セイコープレサージュやロレックスデイトジャストなど、シンプルなデザインが多いです。
Ref.027/4600.00はマックスビルの時計をベースにクロノグラフを追加したモデルです。シンプルさを追求するために秒針は排除し、インダイヤルはクロノグラフの積算計だけとなっています。ドーム状の風防や薄いベゼルでのボンベ型の文字盤とそれを追う針など、マックスビルの世界観はそのままにクロノグラフを搭載しています。
4-3.俳優 松坂桃李 マックスビル Ref.027/4701.00
俳優 松坂桃李さんが着けているのはマックスビル Ref.027/4701.00です。松坂さんは幅広く時計を愛用しており、カシオGショックやヴィンテージチュードル(現チューダー)、ロードウォルサムなど雲上時計ではなく、実用性やヴィンテージな雰囲気などを好んで着けているようです。
Ref.027/4701.00は黒文字盤バーインデックスのシンプルな3針モデルです。装飾を極力排除した結果、3針、日付表示、ミニッツレールしか残っていません。かろうじて12、3、6、9時位置にドットインデックスが置いてあります。機能美を体現するシンプルなデザインに仕上がっています。
4-4.芸人 加藤浩次 マックスビル クロノスコープ Ref.027/4600.00
芸人 加藤浩次さんが着けているのはマックスビル クロノスコープRef.027/4600.00です。加藤さんはセイコーフリークで知られており、アストロンやキネティック、ブライツなどセイコーだけで8本所有しているとの話も。
Ref.027/4600.00はマックスビルのデザインをベースにクロノグラフを追加したモデルです。インダイヤルは縦2つで秒針をなくすことでシンプルに仕上げました。バーインデックスタイプのため、さらにシンプル。ケースサイズは40mmですが、ベゼルが薄くドーム型文字盤になっているため、着けたときの文字盤のインパクトは大きめ。針も文字盤を追うようにカーブしており、ただのシンプルな時計とは違うこだわりをいくつも見つけられます。
4-5.女優 木村文乃 マックスビル Ref.047/4251.00
女優 木村文さんが着けているのはマックスビル Ref.047/4251.00です。木村さんは高級時計にこだわらず様々なモデルを着けており、シンプルなものが好みのようです。
Ref.047/4251.00はマックスビルのクォーツモデルで、機械式モデルと全く同じデザインでサイズダウンさせています。バーインデックスのため特にシンプルに仕上がっており、視認性・実用性は抜群。ペアウォッチに選ばれることも多く、使い勝手のいい一本です。
5.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンスのおすすめモデル5選
5-1.マックス・ビル オートマティック Ref.027/3400.02
マックス・ビル オートマティック Ref.027/3400.02はアラビアインデックスの黒文字盤、3針モデルです。オリジナルのマックスビルモデルに最も忠実なデザインで、特徴的なフォントも再現されています。
ベゼルが薄く、文字盤はドーム型のためケースサイズ38mmながらインパクトが感じられるサイズ感です。針は文字盤を追うように先端が曲げられており、視認性も確保されています。ミネラルガラス風防を採用しているためレンズのように丸まっており、オリジナルのモデルが発表された頃のレトロな世界観が表現されています。裏蓋にはマックスビルのサインが描かれています。
5-2.マイスター クロノスコープ Ref.027/4222.03
マックスビルの意匠を継ぎつつモダンに仕上げたマイスターにクロノグラフを搭載したモデルです。ドーム型文字盤に対しインダイヤルが垂直に彫られており、文字盤そのものから立体感を感じさせます。針の先端は文字盤を追うように先端が曲げられており、視認性も確保されています。
文字盤は深いグリーン、インダイヤルの針はオレンジにすることでメリハリが効いたデザインに仕上がっています。良くも悪くもユンハンスの時計は無駄を排除しシンプルにするためカラーバリエーションやコントラストの効いたデザインは多くありませんが、当モデルはオーストリッチ製のストラップを採用するなどチャレンジャブルなデザインです。
5-3.マイスター パイロット リミテッド Ref.027/3593.00
マイスター パイロット リミテッド Ref.027/3593.00はユンハンスにとってのアイコンシリーズとなるマイスターをパイロットウォッチとして仕上げたモデルです。1950年代にユンハンスがドイツへ納入していたパイロットウォッチをベースに復刻しました。オールアラビアインデックスや夜間でも視認性を確保する夜光処理など基本的なパイロットウォッチの要素が詰まっています。
厚手のグローブのまま操作可能な12角形のベゼルが特徴で、当時のデザインが忠実に再現されています。2015年に本社での発表イベントでのみ受注を受け付けた150本限定の希少なモデルです。裏蓋に刻まれた本社社屋と、文字盤6時位置の「PILOT EVENT 2015」の文字が通常モデルと異なる点です。
5-4.マイスター ドライバー クロノスコープ Ref.027/3684.00
Ref.027/3684.00はユンハンスを代表し様々な世界観へ派生するマイスターをベースに開発されたマイスタードライバーの一本です。ドイツの高級車ブランド「メルセデス・マイバッハ」のダッシュボードにインスピレーションを得て開発されており、ヴィンテージライクなデザインが特徴です。
レトロなフォントのオールアラビアインデックス、ツートーンカラーの文字盤、レイルウェイなど、クラシックなデザインが多く散りばめられています。ベゼルの肉薄さやボンベ型文字盤と針の先端カーブなど、マイスターの特徴も残されており、重厚な高級感と往年のヴィンテージカーのような世界観が楽しめます。グレー・ベージュの文字盤はオンオフ問わず使いやすいため実用性も高く、永く使える一本です。
5-5.マックス・ビル メガソーラー Ref.59/4325.02(2023年新作)
Ref.59/4325.02は2023年新作のマックスビル メガソーラーモデルです。ユンハンスを代表するシリーズのマックスビルの太陽光発電による駆動と電波受信による正確さが特徴です。通常のマックスビルシリーズとデザインがほぼ変わりませんが、通常はミネラルガラス風防によるドーム型ですが、メガはサファイアクリスタルをドーム型に加工しています。
専用アプリ連動でスマートフォンとの同期が可能。永久カレンダーや夏時間と冬時間の自動切り替え、タイムゾーンの調整も可能で、最大3年間ものパワーリザーブとなっています。オールアラビアインデックスが赤字なのでややカジュアル向きですが、ストラップを調整すればオンオフ問わず使用できます。
6.【ドイツ、電波時計、バウハウス】ユンハンス
ユンハンスの歴史、魅力、代表シリーズ、ユンハンスの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。ユンハンスの時計はどれもバウハウスの流れを汲んだシンプルなものばかりで、流行に左右されない永く使える時計ばかりです。マックスビルに限らず、マイスター、フォームと展開されていますが、どれもオンオフ共通で永く使えるため最初に一本に選ぶ方も多いブランドです。もし街中でユンハンスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。