世界最古の機械式時計ブランド ブランパンは創業から280年を超える中で、様々な歴史の荒波を越えてきました。時にはブランドが休眠状態にもなりながら、今では世界最高クラスの技術を備えるブランドとなり、世界的に評価されています。この記事ではブランパンの歴史と魅力、代表シリーズとブランパンの時計を着けている有名人、おすすめのモデルについてまとめます。
1.山あり谷ありなブランパンの歴史
1-1.世界最古の1735年にスイスヴィルレで創業した
ブランパンは世界最古の時計ブランドと言われており、1735年にスイスヴィルレでジャン・ジャック・ブランパンによって創業しました。
急速に発展したのは1815年にジャンの孫にあたるフレデリック・ルイ・ブランパンがアトリエを近代化し脱進機を自身で設計、それを搭載した超薄型機構を開発し時計産業の進歩に貢献したと言われています。1830年にはフレデリック・ルイの息子フレデリック・エミールが会社の名称を時計製造所エミール・ブランパンへ変更し、ヴィルレ最大のマニュファクチュール(工場)の製造に着手しました。
1859年にはルイ・エリゼ・ピゲがジュウ渓谷にアトリエを建設しました。彼が改修を行ったル・ブラッシュの風車小屋は現在、複雑系やメティエダールのアトリエとなっています。
1926年、自動巻き腕時計の試作品を開発し、1930年にはレディースの自動巻き腕時計『ロールス』の製造を行っています。1932年エミール・ブランパンが亡くなり、彼を支えてきたベティ・フォスターに会社が託されました。
1950年には甥のジャン・ジャック・フォスターが合流してブランパンを支えました。1953年にフランス海軍からの要請からダイバーズウォッチの元祖となるフィフティファゾムズが生まれました。それまではダイバーズウォッチ自体が市場で人気がないといわれており、どのブランドも展開がなかったと言われています。しかしジャン自身が元々ダイバーだったこともあり、フランス海軍からの要請をほぼ叶える形でフィフティファゾムスを開発しました。
1-2.1970年代、クオーツショックにより経営が悪化し買収される
1970年代に入りクオーツ時計が普及し、スイス時計は壊滅的な影響を受けました。(クオーツショック)ブランパンも例外ではなく、経営が悪化し一時休眠。13代にわたって続いた一族経営に終止符が打たれることとなりました。
これにはブランパンがクオーツ時計には手を出さず機械式時計にこだわったとされる説(後にジャン・クロード・ビバーによって宣言されますが)と、クオーツ時計の導入には多額の資金が必要で、クオーツショックよりも前からブランパンの経営状態は明るいものではなかったためとされる説があります。
1-3.スウォッチグループ主導のもと、ブランドが再興される
ブランパンが復活の狼煙を上げたのは1983年でした。腕時計業界の立役者であり後にブランパンのCEOとなるジャン・クロード・ビバーはオーデマ・ピゲやオメガでの治験を磨き、高級ムーブメントメーカーのフレデリック・ピゲと協力しブランパンを買収、復活させました。
復活に際して、ジャン・クロード・ビバーのこだわりがあり数億円かけてオリジナルのムーブメントが開発されました。クロノグラフ、スプリット・セコンド・クロノグラフ、ミニッツ・リピーターなど複数の機能を付与できる発展性をもったムーブメントでした。
世界最小のトリプルカレンダームーンフェイズの開発を皮切りに、シックスマスターピースと名付けられた複数のコンプリケーションモデルを立て続けに発表し、ブランパンを復活させました。復活と同時にクオーツ時計はつくらず、伝統的な機械式時計を守り続けていくと宣言しています。
復活の一年前にフレデリック・ピゲがブランパンを買収。フレデリック・ピゲのムーブメントを製造することとなりました。以降、2010年の統合まで経営を共にしています。
1992年にスウォッチグループがブランパンとフレデリック・ピゲを買収。スウォッチグループ入りによってさらに経営基盤は盤石となり、以降複雑機構の開発や銘品の復刻など、新作の展開を続けています。2010年にフレデリック・ピゲがブランパンに完全に統合されたことでさらにムーブメントの開発体制が強化されています。
「壊れやすい」や「人気ない」などとネットでの声も上がっているブランパンですが、この紆余曲折の長い歴史を渡り歩いてきたブランパンの腕時計は、現在でも多くの人々から高い評価を受けています。
2.ブランパンが時計愛好家を楽しませている魅力
2-1.紆余曲折の歴史を語る楽しみ方がある
高級時計を手に入れる楽しみは人それぞれですが、大きな一つの楽しみにブランドの理念への共感や歴史の荒波を越えてきたことへの敬意があります。平坦だった道のりではなく、山あり谷ありのストーリーがあるほど、今のブランドや時計があることへの味わいが深く感じられます。
ブランパンにおいても伝統的なスイス時計に始まり、軍用にダイバーズウォッチを開発、後にクオーツショックでブランドの存続が危ぶまれたところスウォッチグループに加入することで復活を遂げた、といった概略の歴史をみても、紆余曲折あった中で今のブランパンがあることがわかります。世界最古のブランドは歴史が長い分語ることが多く、楽しみが多いといえるでしょう。
2-2.クオーツショックであっても伝統的な機械式スイス時計を貫くこだわりの強さ
クオーツショックとは1970年代にセイコーを主としクオーツ時計が多く流通したことで機械式時計が売れなくなってしまったことです。主に機械式時計を製造・販売していたメーカーの多くは経営難に苦しむことになり、廃業あるいは同じようにクオーツ時計の製造に方針転換するなどスイス時計業界に大きな影響を与えました。
ブランパンも同じように苦しんだ一社で、クオーツショックによりメインとしていたドレスウォッチ、軍用時計などの多くはクオーツ化が進み売れなくなってしまいました。しかしブランパンが他のブランドと違うのは、苦しみながらもそれでも伝統的な機械式時計にこだわったことです。
結果、後にスウォッチグループに買収されるまで休眠状態のようになってしまいます。しかし、ここで機械式時計にこだわったからこそ、後の1990年代に入り再度機械式時計が見直された際に、ブランパンこそピュアな伝統的な機械式時計メーカーだと評価されることとなりました。
2-3.こだわりを技術に昇華させることができる体制
ブランパンは元々超薄型機構などムーブメントの開発に力を入れていたブランドですが、1983年の復活後にはさらに強固な体制を構えるようになりました。復活の立役者であるフレデリック・ピゲと共同で世界最小のトリプルカレンダームーンフェイズの開発、次いでシックスマスターピースと呼ばれるコンプリケーションモデルの発表といったようにムーブメントの開発を軸としています。
フレデリック・ピゲは世界的に評価の高いムーブメントメーカーで、特に高級機に好んで搭載されました。1982年以降ブランパンはフレデリック・ピゲとの関わりが強く、ムーブメントの開発に寄与しています。
現在ルーブラスとローザンヌにアトリエをかまえ、およそ20人の時計師により生み出されています。就業体制は完全フレックスで、24時間好きな時間に、自身のコンディションに合わせて作業が行える環境を整えています。機械式時計にこだわることを生産体制にもしっかり反映し、名品の数々を生み出しています。
3.世界最古のブランドが生み出した代表的モデル
3-1.フィフティファゾムズ
ダイバーズウォッチの始祖に数えられるシリーズで、1953年に発表されています。どちらが先に発表されたか語られることの多いロレックスのサブマリーナはプロトタイプは1953年と同じですが、バーゼルの発表は1954年だったため、フィフティファゾムズが先だったと言われています。
フィフティファゾムズはフランス海軍からの依頼で開発されました。開発当時はダイバーズウォッチの需要は少なかったのですが、当時ブランパンCEOのジャン・ジャック・フィスターがダイバーだったこともあり、高い防水性、視認性を高めた夜光処理、逆回転防止ベゼルなど、本格的な機能を備えたモデルが開発されました。その後アメリカ、ドイツなどの海軍にも正式採用されました。
現行モデルにおいてもそれらのパーツはそのまま採用され、初期モデルに近いデザインとなっています。チタンケースや浮き彫りベゼルの採用など現代的なエッセンスも加えられ、今でもブランパンを代表するシリーズの一つとなっています。
フィフティファゾムスの名前の由来はシェイクスピアの戯曲『テンペスト』です。ファゾム=尋という海の深さを示す単位で、当時のダイバーの最大深度が50ファゾムスだったことためと言われています。
3-2.エアコマンド
エアコマンドは1950年代にごくわずかに生産されたエアコマンドフライバッククロノグラフを祖とし、2019年に現代的なエッセンスを加え500本限定で復活しました。試作レベルでしか流通していない数量の少なさから伝説のモデルとなっていましたが、フィフティファゾムズの実績からアメリカ空軍向けに依頼・設計された歴史が残されています。
再度展開されたエアコマンドは最新の技術で当時のクラシカルなデザインを採用しており、フィフティファゾムズと同様のカウントダウン式の回転ベゼル、フライバッククロノグラフを受け継いでいます。ツーカウンターのクロノグラフ、特徴的なアラビアインデックス、ペンシル針などヴィンテージアビエイターに見られるデザインにまとまっています。
2022年には新作も展開されています。デザインや機能は2019年の復刻版そのままに、チタンケースモデルと18Kレッドゴールドモデルが発表されました。今後エアコマンドの展開が増えていくのかもしれません。
3-3.ヴィルレ
ヴィルレはブランパンの誕生の地の名を冠したシリーズで、ブランドの原点であることを意味しており、伝統的なクラシカルなデザインで展開されるシリーズです。スイスの伝統的なドレスウォッチの特徴を体現しており、受け継がれてきた普遍のエレガントさをもっています。
曲線を描くダブルステップベゼルと控えめなローマンインデックスをシリーズ全体のデザインコードとし、細身のリーフ針やサンバーストの文字盤、現行では珍しく顔が描かれたムーンフェイズなどのパーツがモデルによって組み合わされます。全体としてクラシカルで落ち着いたデザインにまとまっているので、世界最古の歴史をもつブランドのもつ世界観と相性がよくブランパンの世界観をよく表しています。
複雑系も展開されており、シックスマスターピースと1735を祖とする多機能搭載モデルも多数開発されています。3針に始まりGMTやパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨンなど伝統的な機能別の展開となっており、確固たる世界観を楽しむことができます。
3-4.レマン
レマンはブランパンの拠点であるル・ブラッシュの近くを流れるレマン湖に由来したシリーズです。ブランドの地盤の名を冠したこのシリーズは正統派なラグジュアリーウォッチのシリーズとして展開されています。
シリーズの代表的なモデルは伝統的なアビエイターウォッチとして展開されるフライバッククロノグラフモデルです。スポーティーな要素とヴィンテージな要素の両方が求められる独特なアビエイターウォッチは、スポーツウォッチを得意としつつ昔ながらのラグジュアリーウォッチも展開するブランパンらしさの得意分野といえます。
アビエイターウォッチをベースに、スタートとリセットを同時に操作可能なフライバッククロノグラフ機能やGMT、アラームなど複数の機能を備えたレマンシリーズは評価が高く、現在ではシリーズは廃盤となってしまっていますが、銘品としてブランパンを代表するシリーズの一つです。
3-5.L-エボリューション
L-エボリューションは他のシリーズにはない革新的で大胆なデザインが特徴です。主に3、9のインデックスは他に類を見ないほど大ぶりで、カーボン柄の文字盤や縦のコート・ド・ジュネーブを文字盤ベースにするなど古典的なデザインが多いブランパンの中では比較的モダンで近代的なデザインのシリーズです。
8日間のパワーリザーブを備えた直列トリプルバレルシステムを搭載した自社製ムーブメントを採用するなど、ムーブメントにも力を入れています。ムーンフェイズ、8デイズ、GMTアラーム、ラージデイト、フライバッククロノグラフ、トゥールビヨンなど複数の機能で展開されており、パワフルでモダンなシリーズ展開として、最新のブランパンを代表するシリーズの一つです。
3-6.コンセプト2000
トリロジーシリーズと呼ばれる3針のフィフティファゾムズ、エアコマンド、GMTは陸海空に対応したスポーツウォッチとして展開されています。コンセプト2000と呼ばれるステンレスとラバーのコンビ仕様で、2000年代の最新のエッセンスで解釈した仕様も展開されており、最近はメジャーとなってきた異素材の組み合わせの先駆け的存在といえます。
2000年というと最新には程遠いと思うかもしれませんが、コンセプト2000は当時としてはかなり先を見据えた展開のようで、2022年現在で見ても最新モデルと遜色ないデザインセンスとなっています。さらにGMTに搭載されているムーブメントCal.5A50は高級ムーブメントメーカーであるフレデリックピゲによる1151がベースとなっており、デザインだけでなくムーブメントで見てもハイエンドなシリーズ展開となっています。
3-7.レディーバード
当時世界最小のムーブメントを搭載して発表されたことで注目されたレディ・バード。レディ・バードは男性向けウォッチを単にサイズダウンしたものではなく、女性向けに開発されています。ブランパンのルーツともいえるヴィルレをベースにしたクラシカルなデザインですが、文字盤には光をあてる角度によって表情を変えるマザーオブパールや、ベゼル・ラグを埋め尽くすほどふんだんに使われたダイヤモンドなど繊細で華やかな印象の時計となっています。
ハート型のチャームが付属したり、オフセンターされレトログラード表示と組み合わせたりとバリエーションが豊かです。使われる針の形もなめらかなリーフ針とひし形に近いリーフ針を文字盤に合わせて変えるなど、強いこだわりを見せるシリーズです。
3-8.メティエダール
メティエダールとはフランス語で芸術的な手仕事を意味しており、名前の通りブランパンの中でも芸術品といえる美しさをもつシリーズです。エングレービングや希少なエナメルペイントを駆使して、花や動物を描いたモデルが中心です。
ここまでは他のブランドでも展開されますが、ブランパンが少し違うのは日本の技術を積極的に取り入れていることです。日本刀の装飾部分に好んで使われた赤銅や備長炭など、日本特有の技法を時計に昇華させています。時には葛飾北斎の描いた神奈川沖浪裏をモチーフに描いたり、厳島神社をモチーフに描いたりと日本を強く意識していることがわかります。
高級時計市場の大きさでいうと、現代では中国が非常に大きく日本は小さいため重要視されないことが多いのですが、日本古来の技法へのリスペクトからか、日本に由来するデザインの時計も見かけます。少数精鋭の職人の集まりであるブランパンなりのリスペクトの表現なのかもしれません。
4.ブランパンを着けている芸能人・有名人5選
4-1.ロシア大統領 ウラジーミル・プーチン レマンフライバッククロノ Ref.N1185F001130MA063A
ロシア大統領 ウラジーミル・プーチンが着けているのはレマンフライバッククロノ Ref.N1185F001130MA063Aです。時計愛好家として知られており、パテック・フィリップやIWCを好んで着用していました。
Ref.N1185F001130MA063Aはフライバッククロノグラフ搭載モデルです。発表時期はどのシリーズにも属していませんでしたが、現行のレマンに近いデザインとなっており、レマンフライバッククロノグラフのルーツと言えるモデルです。夜行処理された太めのペンシル針とアラビアインデックス、ダブルステップベゼルなどクラシックなアビエイターウォッチのデザインとなっています。
4-2.女優 マリリン・モンロー カクテルウォッチ
女優 マリリン・モンローが着けていたのはカクテルウォッチです。リファレンスは不明です。2019年にニューヨーク五番街のブティックでハリウッドスターのマリリン・モンローが着けていた1930年代のカクテルウォッチが公開されました。マリリン・モンローの3番目の夫とされる劇作家のアーサー・ミラーからの贈り物だったと言われています。
プラチナ製の細長いケースに細身のブレスレットを含めて71ケのラウンドカットダイヤモンド、2ケのマーキスカットダイヤモンドがセットされている贅沢なモデルです。ゴールドのインデックス、ブルーの針と伝統的な装いだけでなく、ムーブメントは細長いケースに合うように専用に設計されています。
4-3.シェフ ダニ・ガルシア フィフティファゾムズ Ref. 5015-1130-71
シェフ ダニ・ガルシアが着けているのはフィフティファゾムズ Ref. 5015-1130-71です。ブランパンは1986年にフレディ・ジラルデに、3年後にジョエル・ロブションなど3名にシェフとしての栄誉な賞を記念して時計を贈呈しています。ダニ・ガルシアはブランドアンバサダーに就任した際にフィフティファゾムズを着けています。
Ref. 5015-1130-71は2007年に発表されたモデルで、伝統的なスポーツダイバーズウォッチとなっており、1953年発表の初代の雰囲気を現代の技術で再現しています。回転ベゼルや針とインデックスに施された夜行処理、リューズガードなど正統派ダイバーズウォッチといえる一本です。
4-4.シェフ ジュリアン・ロワイエ フィフティファゾムズバチスカーフ Ref.5200-0130-B52A
シェフ ジュリアン・ロワイエが着けているのはフィフティファゾムズバチスカーフ Ref.5200-0130-B52Aです。ジュリアン・ロワイエは2019年にアジアベストレストラン50で1位に選ばれたシェフで、ブランパンとアンバサダー契約を結んだことが報じられました。彼はブランパンの銘品に合わせた新作料理を提供するなど、互いに共鳴しあっています。
Ref.5200-0130-B52Aは傷に強いブラックセラミックケースが特徴的なモデルで、フライバッククロノグラフを搭載しています。ムーブメントは自社製のCal.F385を採用しており、ハイビート36000振動となっており、精度だけでなく1/10秒まで計測可能。文字盤にも1/10秒まで読み取れる極小スケール表示を備えており、ハイビートクロノグラフのスペックをいかんなく発揮できます。
4-5.デザイナー 尾花大輔 フィフティファゾムズ Ref.5015-1130-52
デザイナー 尾花大輔が着けているのはフィフティファゾムズ Ref.5015-1130-52です。尾花さんはヴィンテージショップのバイヤーだったこともあり、ロレックスやミリタリーウォッチなど様々な時計を着けており、時計コレクターとして知られています。
Ref.5015-1130-52は2007年発表モデルで、王道のダイバーズウォッチであるパーツを揃えています。海中でも見やすい太く夜行処理された視認性の高い針、300m防水、逆回転防止ベゼルなど、基本に忠実です。搭載されている自社製ムーブメントCal.1315はパワーリザーブ5日間にくわえ耐磁性に優れており、日常使いとしても使いやすい一本です。
5.ブランパンのおすすめモデル5選
5-1.フィフティ ファゾムス オートマティック Ref.5015-12B30-B52A
Ref.5015-12B30-B52Aは2019年発表のフィフティファゾムズで、1953年発表の初期モデルに近いデザインながら最新の技術が詰め込まれています。ケースの素材は耐傷性に優れ軽量なチタンを採用、自社製ムーブメントCal.1315には耐磁性に優れたシリコンひげぜんまいを
搭載しています。パワーリザーブは120時間と実用的です。
デザイン・機能面では逆回転防止ベゼル、夜光処理された太めのペンシル針とインデックス、先端が赤くなっている秒針、リューズガードといったスポーツダイバーズウォッチの王道デザインです。防水性はしっかり300mを備えているため、本格派としても日常使いとしても使いやすいモデルです。
5-2.ヴィルレ カンティエーム コンプリート カレンダー Ref.6654A-1127-55B
Ref.6654A-1127-55Bはブランパンの美意識・審美眼が発揮されたヴィルレのコンプリートカレンダーモデルです。12時位置の窓で曜日と月、ポインターデイト、顔が描かれたムーンフェイズを備えています。ポインターデイトは緩やかな曲線を描くブルーの針なので、時刻の読み取りを邪魔しません。
針は鋭く長いリーフ針ですが、肉抜きされており軽い印象です。ローマンインデックスはすべて植字で立体的で、2段のステップドベゼルなど伝統的なコンプリートカレンダーのデザインでまとまっています。ムーブメントは自社製Cal.6654.4で薄型で72時間のパワーリザーブもあり、実用的で取り回しもよく使いやすい一本です。
5-3.レマン GMT アラーム Ref.2041-1230-63B
Ref.2041-1230-63Bはレマンのクラシカルなデザインをベースに複数の機能を搭載したコンプリケーションモデルです。12時位置の小さなレトログラード表示はアラーム、3時位置にGMT表示、4時位置の小窓で日付、6時位置にはスモールセコンド、9時位置に24時間表示、10時位置にパワーリザーブ表示となっています。
各種表示機能だけでなく植字のインデックスや6時位置に移動したブランドロゴなど
所狭しと配置されています。チタン製のケースなので軽量で傷がつきにくく、デザインのクセも少ないためプライベートでもビジネスでも実用しやすいモデルです。
5-4.フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー Ref.5054-1210-G52A(2022新作)
Ref.5054-1210-G52Aはダイバーズウォッチシリーズのフィフティファゾムズを実用しやすさを重視して1956年に発表されたシリーズの一つです。12時位置に曜日と月、ポインターデイト、6時位置にムーンフェイズが配置されたコンプリートカレンダーモデルです。自社製ムーブメントCal.6654.Pを搭載しており、0時付近でも時刻変更をスムーズに行うことができるようになっています。
グレード23のチタン製ケースは軽量で傷に強く、サンバースト仕上げが施されたアンスラサイト文字盤、ベゼルとのグラデーションが効いています。太めの針とインデックスへ施された夜光処理や、300m防水などダイバーズウォッチらしさも健在です。
5-5.エアコマンド Ref.AC03-12B40-63B(2022新作)
Ref.AC03-12B40-63Bははエアコマンドシリーズの2022最新モデルです。ツーカウンターのクロノグラフや目盛りの細かなタキメーターなど、1950年代にアメリカ空軍向けに設計された当時のクラシカルなデザインが残されています。また、コラムホイール式の自社製クロノグラフムーブメントCal.F188Bが搭載されており、クロノグラフ使用時のスタート・ストップの操作感がスムーズです。
グレード23の軽量で傷に強いチタン製ケースに傷に強いセラミック製のベゼルが組み合わせてあり、堅牢さが特徴です。シリコンひげぜんまいを採用しているため耐磁性にも強く、ケースサイズは36mmと取り回しがいいのもポイントの実用しやすいパイロットウォッチとなっています。
6.まとめ
ブランパンの歴史、特徴、人気モデルなどをまとめました。世界最古の高級時計ブランドとして機械式にこだわるポリシーや伝統的なデザインは古き良き時代の時計を思わせます。エアコマンドやメティエダールなど、最新の技術を使ったシリーズも展開しており、新作が楽しみなブランドでもあります。ブランパンの時計を見かけたらぜひ一度手にとってみてください。