クストスという高級時計ブランドをご存じでしょうか。トノーケース×スケルトンを主軸に古典的かつ最新の技術・素材へのチャレンジを繰り返すスタイルが世界的に高い評価を受けています。クストスはかのフランクミュラーの共同創業者の息子がフランクミュラーグループ内で立ち上げたブランドとして始まったこともあって、かつてはフランクミュラーのモダン版と言われていました。しかし今ではフランクミュラーから完全に独立し、一つのブランドとして再スタートを遂げています。この記事ではクストスの歴史、魅力、代表シリーズ、愛用している有名人、人気モデルについてまとめます。
1.【ハイテクノロジー、スポーティ、エレガンス】クストスの歴史
1-1.2005年、サスーン・シルマケスとアントニオ・テラノヴァの2人により創業
クストスはフランクミュラーの共同経営者であるヴァルタン・シルマケスの息子サスーン・シルマケスとデザイナーのアントニオ・テラノヴァの2人により2005年に設立されました。サスーン・シルマケスは幼少期から時計業界の現場を知るサラブレッドであり、高級時計業界における世界4大コングロマリットの一つ、ウォッチランドグループのリソースが使えるという強みがありました。
アントニオ・テラノヴァは野心的なデザインに定評があり、サスーン・シルマケスとタッグを組むことで斬新な時計を具現化できると考えました。ラテン語で守護神を意味するブランド名クストスは、スイスの伝統的な時計作りを守っていく覚悟があらわれているといいます。サラブレッドにより伝統を守りつつ、斬新で現代的な時計つくりを行う「ハイテク、スポーティー、エレガンス」の3つをコンセプトは今も守られています。
2005年創業年に3つのファーストコレクションを発表しました。チャレンジクロノはその一つで、優美なトノーケースとスケルトン化された文字盤は当時とするとかなりマイノリティでしたが、後に時計を魅せる方法として世界的にメジャーになりました。
1-2.2010年、陸・海・空の3つのシチュエーション別にシリーズ分け
2005年の創業以降、クストスは多くのチャレンジを行いその多くが成功を収めたとは言えませんでした。様々な試行錯誤の中で、方向性にバラツキが出てしまったのは事実です。新しいものや刺激が好きな時計愛好家はともかく、一般的なユーザーにとっては統一感がなくわかり辛い展開だったことは否めません。
2010年に主なラインナップを「チャレンジ クロノ」「チャレンジ シーライナー」「チャレンジ ジェットライナー」の3つに集約し、それぞれ陸・海・空のテーマを持たせました。3つのシリーズはトノーケースであること、100m防水であることなど、基本的な部分は共通していますが、デザインや機能をハッキリ分けることで、選びやすくなっています。
トノーケースにこだわったのはフランクミュラーの影響ではなく、アントニオ・テラノヴァの好みによるものと語っています。2015年以降に発表した「チャレンジ ジェットライナーⅡ P-S オートマティック」や「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」では、スポーツウォッチを軸としつつスモールセコンドを採用し、これまでのスポーツウォッチとは違った雰囲気を目指しています。一般的なスポーツウォッチのデザインを理解しつつ、ありきたりにならないクストスの世界観を活かすようになっています。
1-3.2016年、ウォッチランドと袂を分かち、バーゼルワールドへ出展
2005年の設立当初はマスター・オブ・コンプリケーションと呼ばれたフランクミュラーの影に隠れていました。共同創業者の一人がフランクミュラーのCEOの息子で、しかも同じトノーケースを採用しているともなれば、フランクミュラー系列と見られるのも不思議はありません。
一方でサスーン・シルマケスとアントニオ・テラノヴァの二人はフランクミュラーの影響を受けてはいませんでした。サスーン・シルマケスは偉大な父の恩恵を受けたことを公言しながらも、距離を置こうとしていました。例えばかつてウォッチランド内に構えていた工房とショールームは別のブランドであることを示すようにジュネーブ市内へ移転しています。
2016年にはフランクミュラーグループの見本市であるWPHHと袂を分かち、バーゼルワールドへ出展を行いました。現在のクストスのメインとする工場にフランクミュラーグループの資本は入っておらず、ケースの製造もウォッチランドとは関わりのないサプライヤーへ
依頼しています。
2.クストスの魅力
2-1.“ハイテク“”スポーティ“”エレガンス“をコンセプトとする世界観
クストスは“ハイテク“”スポーティ“”エレガンス“の3つをコンセプトとしており、すべての時計がこれらの特徴を持っています。
例えばハイテクはチャレンジジェットライナーシリーズに搭載されているムーブメントにおいてスモールセコンドの動きを安定させる磁石を採用したことや、新素材のエルガをケースに採用するなど新しい技術の開発や素材の採用に意欲的なことが挙げられます。
スポーティーはクストスの時計がどれもスポーティーなデザインであることからすぐに分かります。文字盤は原則スケルトンとし、機構の複雑さを見ることだけでなく軽量化を狙っています。同様にケースサイドの肉抜き加工も軽量化と立体的なデザインのために施されています。チャレンジクロノシリーズで特に強調されている堅牢さと軽量さの両立はスポーティーな印象を深くさせています。
エレガンスについてもチャレンジシーライナーやメトロポリタンで強調されているラグジュアリーな雰囲気が良い例です。ジェットライナーやクロノに見られる機能美とは違い、高級で余裕のある雰囲気が楽しめます。
2-2.トノーケース×スケルトンの一目でクストスだとわかる際立った個性
クストスの時計は一目でクストスだとわかる際立つ個性をもっています。トノーケースとスケルトンの組み合わせに加え、前述の“ハイテク“”スポーティ“”エレガンス“を感じられることから、他ブランドにはない特別感が味わえます。
航空機からインスピレーションを得て開発されたジェットライナーは本物の航空機体を思わせる素材や機能美を追求しています。船舶やヨットからインスピレーションを得て開発されたシーライナーは甲板に使われるチーク材をブリッジに採用し、軽量化・世界観の強化に成功しています。
クストスがもたせる機能は実は合理的で、単なるデザインではなく軽量化や対傷性の向上など、実用的なものばかりです。ケースサイドを肉抜き加工し、ムーブメントを横から覗くことができつつ軽量化など、斬新なようで理にかなっています。インパクトのあるデザインだけではなく、実用的で時計を実際に使うことまで考えられている点はクストスならではといえます。
2-3.古典的なデザインと最新の技術・素材の融合
クストスの時計はスイス伝統の審美眼・技術と最新の技術や素材が組み合わされてできています。クストスを象徴するトノーケースはスイスの伝統的な昔ながらの時計によく使われている形状で、現行の時計で採用するメーカーは決して多くありません。というのもトノーケースの樽形状では理論上、防水性が低くなりがちなことが理由の一つです。クストスはこの問題をシーリングと社内でも2人しかできない特殊な技術により、防水性100mを可能としています。
また、最新の素材を積極的に採用しています。チャレンジジェットライナーでは主に航空機などに使われる合金のエルガ、シーライナーではブリッジにチーク材を使用し甲板を想起させるなど幅広い使い方をする柔軟さがあります。
3.【ハイテクノロジー、スポーティ、エレガンス】クストスの代表シリーズ
3-1.チャレンジジェットライナー
ジェットライナーはクストスの軸足ともいえる柱の3シリーズの一つです。名前の通り、航空機を想起させるシリーズで、本物の航空機に採用される素材を使うなど、特に軽量化に重きを置いています。6時位置のスモールセコンドには大型タービンを思わせる羽根車が設置されています。ムーブメントの動きを安定させるために輪列を改良。磁石を利用するというこれまでの機械式時計の常識を覆す機構を搭載しています。
最新のチャレンジ ジェットライナーII P-S オートマティックではチタニウム・シルバー・コッパ-・マグネシウム・アルミニウム・ジルコニウムを混合した新素材エルガを採用。軽量さと耐久性を持ち合わせた素材をケースに使うことで、航空機さながらの最先端技術を用いるクストスのチャレンジ精神が感じられます。
3-2.チャレンジシーライナー
チャレンジシーライナーは2010年以降クストスのメインとなる3つの柱のうちの一つで、航海からインスピレーションを得て開発されました。船や海を想起させるブルーやブラウンをメインのカラーリングとし、ブルーPVD加工が施されたステンレスケースや甲板等に使われるチーク材をブリッジに使用するなど、対傷性や軽量化に優れ実用的なデザインです。
最新のチャレンジ シーライナー P-S オートマティックは船のスクリューを模した羽根車が6時位置にスモールセコンドとして配置されています。舟艇に取り付けられたスクリューとスモールセコンドの動きをリンクさせるために、ムーブメントの輪列から設計されました。また、駆動中の動きを安定させるために永久磁石を使う画期的な新技術が搭載されています。
3-3.チャレンジクロノ
チャレンジクロノはクストスの掲げる3つの柱の最後の一つ、陸・海・空の陸にあたるシリーズです。スポーツカーさながらの曲線美とスケルトンの文字盤側からも見える構造美を追求しており、ハイテクノロジー、スポーティ、エレガンスを忠実に体現しています。
最新のチャレンジ クロノⅢ-Sは主にグレード5のチタンケースを採用しています。あるいは18kゴールドとのコンビケースも併用します。グレード5のチタンはチタン合金の中でも30%にも満たない最高級グレードで、ジェットライナーシリーズにも使われています。グレード1~4の純チタンよりも優れた強度や耐腐食性をもち、クストスのこだわりに対応できる最先端の素材となっています。
デザイン面では疾走感と迫力を探求し、曲線美やベゼルの肉抜き加工など立体感のある意匠が多く使われています。クロノグラフムーブメントを積んでいる影響もあり力強い厚みが特徴的で、サイドガードとリューズガードによって実用性も強化されています。機構の複雑さや強化したことにより重量はケースの素材にチタンを選んだことでむしろ軽量化がなされています。
3-4.メトロポリタン
メトロポリタンは2022年発表のシリーズで、ジェットライナー、シーライナー、黒のシリーズに続くコレクションです。ジェットライナーやシーライナーと同じケースサイズですが、より視認性や機能を優先したシンプルなデザインです。ムーブメントは微弱な永久磁石を使いスモールセコンドの駆動を安定させる新技術が搭載されており、デザイン面だけでなく機能においても最新で都会的に仕上がっています。
メトロポリタンは異なる2種類の展開がなされています。メトロポリタン P-S スケルトンはスケルトンとあるように文字盤の大部分をスケルトン化し、ムーブメントの機構を見せつつ奥行ある文字盤デザインを楽しめます。メトロポリタン P-Sは縦に刻まれたギョーシェが特徴的な文字盤で、カラーリングされたコートドジュネーブに近いデザインとなっています。
メトロポリタンはケース、ブレスレット、風防、リューズ、文字盤など、すべてを新たに製作しています。角をとった直線的なデザインで構成されており、幾何学的でモダンな印象です。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを併用することで立体感が増すデザインとなっています。
3-5.エヴォスクエア
エヴォスクエアはクストスの中でも珍しいスクエアケースのシリーズです。流通量は少なく、クロノグラフのみの展開だったようです。機構が文字盤の奥に見えるデザインコードは健在で、8点のビス留めされたベゼルや白、赤、黒を中心としたカラーリングなど“ハイテク“”スポーティ“”エレガンス“のコンセプトをしっかり感じさせるシリーズとなっています。
ダイヤモンドをベゼルいっぱいにセットしたモデルも見られます。クストスの世界観をスクエアケースで楽しめる数少ないモデルとして愛用されています。
4.クストスを着けている芸能人・有名人
4-1.元プロサッカー選手 北沢豪さん チャレンジクロノⅡブランカード Ref. CVT-CHR2 5NBLTT
元プロサッカー選手 北沢豪さんが着けているのはチャレンジクロノⅡブランカード Ref. CVT-CHR2 5NBLTTです。北沢さんはスポーティーな時計に絞って着けており、タグホイヤーモナコとクストスチャレンジクロノの2種類を着けているようです。
チャレンジクロノⅡブランカードRef. CVT-CHR2 5NBLTTはクストスの柱として展開する3シリーズの一つです。ブランカードとはフランス語で馬車に由来し、車を牽引する馬に取り付けられる柱を意味しており、力強いデザインはベゼルデザインに採用されています。18kレッドゴールドとブラックPDV処理されたチタンを組み合わせたケースになっており、クラシックな雰囲気と現代的なスポーティーでパワフルなイメージの両方をもつ一本に仕上がっています。
クロノグラフの積算計を示すサブダイヤルはリング、針、奥行きがある文字盤と立体的。スケルトンで、文字盤側からも内部の機構をしっかり見ることができます。
4-2.GQJAPAN編集長 鈴木正文さん チャレンジ ギュスターヴエッフェルクロノグラフGMT Ref.CVTーCHR2ーEIFFEL-CP5N BRST
GQJAPAN編集長 鈴木正文さんが着けているのはチャレンジ ギュスターヴエッフェルクロノグラフGMT Ref.CVTーCHR2ーEIFFEL-CP5N BRSTです。鈴木さんは時計愛好家で知られており、多くの時計を所有しています。例えば2018年にSNSに投稿した際には半年で4本の時計を購入したと語っているほどです。
Ref.CVTーCHR2ーEIFFEL-CP5N BRSTは一際目を引くブルーが特徴のチャレンジクロノⅡです。珍しいブルーPVD処理が施されたステンレスと18kレッドゴールドを組み合わせたカラーリングで、スポーティーでいて落ち着いた雰囲気もある一本です。ベゼルやラグは肉抜き加工がされ軽量化と立体的なデザインに仕上がっています。3時位置に日付表示とパワーリザーブ、クロノグラフを備えた実用的なモデルです。
4-3.プロサッカー選手 長友佑都さん チャレンジ シーライナー Ref.CVT-SEA-CP5N BLST
プロサッカー選手 長友佑都さんが着けているのはチャレンジ シーライナー Ref.CVT-SEA-CP5N BLSTです。長友さんはラグジュアリースポーツモデルを愛用しており、ウブロビッグバンやオーデマ・ピゲロイヤルオークオフショアなど、名だたるブランドのスポーツモデルを着用しています。
Ref.CVT-SEA-CP5N BLSTは海からのインスピレーションで生まれたチャレンジシーライナーシリーズです。ブルーPVD処理が施されたステンレスと18kレッドゴールドのコントラストが効いたケースが美しい一本です。第二時間帯表示、デイ&ナイト表示、24時間表示と多機能を備えています。また、船体をモチーフにつくられたビッグデイト表示や船に使われるチーク材をブリッジに使用するなど、船の一部を取り込んだようなデザインに仕上がっています。
4-4.プロサッカー選手 イヴァン・ラキティッチさん チャレンジシーライナークロノレガッタ Ref.CVGT-SEA-REGATA 5N
プロサッカー選手 イヴァン・ラキティッチさんが着けているのはチャレンジシーライナークロノレガッタ Ref.CVGT-SEA-REGATA 5Nです。イヴァンさんについては情報が少なく、クストス以外の時計を着けている情報を見つけられませんでした。
Ref.CVGT-SEA-REGATA 5Nは海をテーマとするシーライナーの中でもレガッタに的を絞ったモデルになっています。12時位置のサブダイヤルはヨットレースの特殊なスタートに合わせて1区画5分のカウントダウンインジケーターになっています。文字盤には船の甲板に使われるチーク材を採用し、より世界観を楽しめるデザインとなっています。3時位置には日付表示とパワーリザーブ表示が付いているため、実用性もよい一本です。
4-5.サッカーチーム監督 マルコ・シルバさん チャレンジクロノⅡ Ref. CVT-CHR2-BL ST
サッカーチーム監督 マルコ・シルバさんが着けているのはチャレンジクロノⅡ Ref. CVT-CHR2-BL STです。マルコ・シルバさんもクストス以外の時計を着けている情報は見当たりません。クストスは普段時計を着けない方にも愛用されている珍しいブランドといえるかもしれません。
Ref.CVT-CHR2-BL STはクストスの柱となるシリーズとなるチャレンジクロノシリーズの一本です。ステンレススチールケースを採用したことで文字盤奥の機構や深めのブルーの各パーツもあって重厚感のある雰囲気に仕上がっています。夜行処理が施された太めのバトン針やインデックス、リングを用いることで立体感のあるサブダイヤルはデザイン上のインパクトだけでなく、視認性も良くなり実用しやすくなりました。
5.クストスのおすすめモデル5選
5-1.チャレンジクロノⅡ Ref.CVT CHR2 CP5N BLST
Ref.CVT CHR2 CP5N BLSTはクストスの柱となるチャレンジクロノシリーズの一つです。ブルーPVD処理が施されたステンレススチールケースに18kレッドゴールドのリューズ、プッシュボタンなどブルーとレッドゴールドの高級感のある組み合わせとなっています。ベゼルは前面と側面が肉抜き加工されており、軽量化と立体感のあるデザインに一役買っています。
クロノグラフ、日付表示、パワーリザーブ表示と使い勝手の良い機能が揃っており、防水性も100mあるため、実用的な一本です。純正はブルーのラバーストラップなのでカラーリングが揃っており、クストスによる異素材の高級感ある組み合わせが楽しめます。
5-2.チャレンジ シーライナー P-S オートマティック Ref.CVT-SEA-PS-CPTT-SBST
Ref.CVT-SEA-PS-CPTT-SBSTは2021年発表のチャレンジシーライナーです。6時位置に配置された舟艇に取り付けられるスクリューをモチーフした羽根車が特徴で、スモールセコンドとして機能します。スクリューの動きにスモールセコンドをリンクさせるために、微弱な永久磁石で歯車の動きを補助する画期的な機構が備わっています。
文字盤側から見えるブリッジには実際の舟艇で使用されるチーク材を採用することで、航海からインスピレーションを得た世界観がより深く楽しめます。ケース側面の3時位置と9時位置の開口部は船窓をイメージしており、ムーブメントを横からのぞくことが可能です。まるで浮いているように見えるムーブメントの複雑機構を楽しめます。
5-3.チャレンジ ジェットライナーII P-S オートマティック ダイヤモンド Ref.CVT-JET2-PS-CD-TT
Ref.CVT-JET2-PS-CD-TTは航空機を想起させるジェットライナーシリーズの一本です。6時位置のスモールセコンドには航空機に取り付けられるタービンのような羽根車を搭載しています。また、この羽根車の動きを安定させるために、機械式時計にとっては天敵ともいえる磁石を利用しています。
軽量化のため文字盤はスケルトン化し、時計から向こう側が見えるほどブリッジに肉抜き加工が施されています。アワーマーカー部とスモールセコンドを囲うようにふんだんに配置されたダイヤモンドがラグジュアリーな印象です。
5-4.メトロポリタン Ref.METROPOLITAN TT(2022年新作)
Ref.METROPOLITAN TTは2022年に発表されたメトロポリタンの初代モデルです。洗練された都会をテーマに製作されており、クストスの掲げるハイテク、スポーティー、エレガンスのコンセプトを体現しているモデルです。クストスがメインとするトノーケースは維持しつつフラットベゼルやケースと一体化したラグなど、スポーツラグジュアリーウォッチに代表されるロイヤルオークに似た雰囲気をもっています。
ブルー文字盤は、ムーブメントに刻まれるのをよく見かけるコートドジュネーブのような縦ストライプを採用しています。針とアワーマーカーは芯部が夜行処理されている他、日付表示も搭載されています。リューズガードや工具なしでストラップ交換ができる機構など実用的な機能が多く、時計愛好家から初心者まで幅広い層が使いやすい一本です。
5-5.チャレンジ ジェットライナーII カーボン ARTA リミテッド エディション Ref.CVT-JET2-PS-ARTA FGDC(2022新作)
Ref.CVT-JET2-PS-ARTA FGDCは航空機からインスピレーションを得て製作されたジェットライナーシリーズの2022年新作です。元レーシングドライバーの鈴木亜久里さんとオートバックスが組んで設立されたブランドARTAとのコラボレーションで生まれた限定モデルです。ARTAの親和性の高いオレンジを各所に使用しており、インナーベゼルにはロゴが配置されています。
スモールセコンドの羽根車など、ジェットライナーシリーズのデザインは活かしつつ、マーブルなカーボン素材のケースと文字盤奥の機構をのぞけるスケルトン文字盤など、スポーティーなデザインパーツに溢れています。軽量化に注力するジェットライナーシリーズとARTAのレーシングカーがもつスピードへの飽くなく探求の世界観がよくマッチしています。
6.まとめ
クストスの歴史、魅力、代表シリーズ、着用している有名人、人気モデルについてまとめました。フランクミュラーグループのブランドとして見られがちですが、独立しバーゼルワールドへ出展するなど、グループの力に頼らない運営へ着実に進んでいます。メトロポリタンなどの新しいシリーズやコラボレーションモデルも増え、クストスの世界観が今後広がっていくのが楽しみとなっています。もし街中でクストスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。