1970年代のクオーツショックによってスイス機械式時計業界は大きく変動しました。クオーツモデルの開発をスタートするブランドも多くありましたが、逆に機械式時計にこだわると決めたブランドは一握りしかいません。その一つがオリスです。由緒正しき伝統的なスイス時計として知られるオリスの歴史、魅力、代表シリーズ、オリスの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。
1.【Go Your Own Way】オリスの歴史
1-1.1904年ポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンにより創業
1904年ポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンによりスイスヘルシュタインで創業したことでオリスの歴史は始まります。閉鎖されていたLohner&Coの時計工場を買い取って利用しました。近くに流れる小川がオリス川という名前にちなんで、オリスと名付けられました。
1911年には300人を抱える大企業へと成長しました。1929年までには6箇所へ工場を新設し、従業員用の住宅施設を整え、より多くの時計を生産できるように環境が整備されました。1925年に電気メッキ工場をオープンさせ、懐中時計に合うブレスレットを開発したことで腕時計を本格的に生産し始めます。
1934年、第一次世界大戦後にスイス時計法が制定されました。スイス時計産業が分業体制を取ったことで大小の様々なメーカーがひしめき合い、需要と供給のバランスが崩れたのを止めるのに力を発揮した法律ですが、スイス時計産業の成長を止めたのもこの法律でした。一部の法律には、政府の許可なく新しい技術を導入できないなど革新的な発展を妨げるものや、一部の利権者たちが利益を得るために制定されたものも見受けられました。
オリスはしがらみの外で活動できる若手の弁護士ロルフ・ポートマンを起用し、時計法の撤廃を求めました。戦いは長く続き、30年以上後の1966年にようやく法律を撤廃させることに成功しました。これはオリスだけではなくスイス時計産業全体に影響を与え、時計産業を救ったブランドとして知られる所以でもあります。
1-2.1938年ビッグクラウン発表。パイロットウォッチへ注力する
時系列を少し戻します。1936年オリスはスイスビエンヌに文字盤工場をオープンしました。2年後の1938年には有能な時計師を多く雇い、独自の脱進機を開発することに成功しました。同年、今もオリスを代表するシリーズの一つ、ビッグクラウンが開発されます。大きいリューズとポインターデイトを搭載するビッグクラウンはパイロットがグローブをしたままでも操作できるように考えられたもので、大きなリューズから名付けられました。
1940年第二次世界大戦中は海外への輸出が激減したため、オリスは国内向けのアラームクロックの製造を始めました。このとき開発された8日間パワーリザーブを備えるアラームクロックは、オリスが経営を継続するのに必要不可欠な存在となっていました。
1952年戦争が終わり、オリスは初の自動巻きムーブメントCal.601を搭載したモデルを発表しました。1965年タイマースケールが描かれた回転ベゼル、夜光処理された針とインデックス、100m防水を備えたダイバーズウォッチを発表しました。50年後の2015年にダイバーズ65として復刻される銘品です。
1-3.1982年ASUAGに買収されるも、取り返すことに
1969年にはオリスは世界でも10本の指に入るほどの大企業へと成長しました。ヘルシュタインの工場、その他を含めて800名の従業員と年間120万本の生産本数を抱えるビッグブランドでした。ちなみに戦時中は年間20万本でした。戦争により一時的に生産調整を行ったものの、オリスの品質や知名度はブランドを大きく成長させるのに長い時間を必要としませんでした。
しかしスイス時計産業に未曽有の逆風が襲います。日本製のクオーツ時計の人気が凄まじく、スイスの時計ブランドの多くは経営難や休眠、あるいは売却を余儀なくされました。オリスはASUAG(後のスウォッチグループ)に買収され、従業員数は数十名に減るほどに苦しい時期でした。
しかし1982年スイス時計法で業界を救ったロルフ・ポートマンとウーリックW・エルゾックによってオリスを買い上げ、再度独立することに成功しました。どうやらグループ内ではクオーツ時計の生産も検討していたようですが、2人によってオリスは機械式時計にこだわることを決意。そう決めた理由の一つには日本を訪れた際に若者の間でビッグクラウンが人気なのを知ったことと言われています。
これ以降オリスは機械式時計にこだわり、現在でもクオーツ時計は一切生産していません。汎用ムーブメントに自社製モジュールを搭載することで独自性を発揮することでリーズナブルな展開をメインとしながら、自社製ムーブメント開発への思いは残していたようです。2011年に創業110周年記念とした自社製ムーブメント搭載モデルを発表するなど、発展を続けています。
2.【Go Your Own Way】オリスの魅力
2-1.汎用ムーブメントを中心に展開するためリーズナブルな価格帯
オリスの大きな魅力として知られるのが、汎用ムーブメントを搭載することによる価格設定のリーズナブルさです。1982年にASUAGに買収されたもののすぐに独立、以降どのコングロマリットにも属さずに運営されているのもあり、独自路線を貫き汎用ムーブメントをメインに展開しています。
ちなみにオリスは自社製ムーブメントを製造する技術を比較的早い段階から有していました。Cal.373ポインターデイトモデルなど、1952年から自社製ムーブメントの製作自体は行っていました。しかし独立後に機械式時計だけにこだわって製造を継続すると決めたときにETA製などの汎用ムーブメントに自社製のモジュールを組み合わせることで独自性を追求する戦略を取ることにしています。モジュールとはいえ自社製のものを開発するには高い技術が必要で、オリスにはそれらを実現する技術者が多く在籍していました。
そこで昨今のETA問題などを踏まえ、オリスの創業110周年に合わせ10年間の開発期間を経てCal.110を発表しています。しかし自社製ムーブメントモデルだからといって高額にせず、あくまでリーズナブルな価格設定を貫いています。汎用ムーブメントを使っているからリーズナブルとお伝えしましたが、多くのユーザーに手に取ってほしいというオリスのコンセプトのためというのが正しいかもしれません。
2-2.クオーツ時計は一切つくらない。機械式時計への強いこだわり
オリスはASUAGからの独立の際に機械式時計にこだわり、クオーツ時計はつくらないと決めました。クオーツ時計は機械式時計に比べ、機構の美しさや外装へのこだわり等は劣る傾向にありますが、精度については1秒につき5~10回振動する機械式時計と32,768回振動するクオーツ時計では比較になりません。精度の高さやリーズナブルな価格によりクオーツ時計はスイス時計産業を大きく変革させました。
オリスが機械式時計にこだわると決めたのは買収後に再度独立が決まってからなので、1982年以降です。機械式時計が見直されてきたのは1990年代に入ってからなので、それまで辛抱強く、機械式時計にこだわったのには相当の覚悟と信念の強さがないとできません。オリスの掲げるコンセプト「真のスイス製機械式時計」を貫くマインドから生み出される時計なればこその品質やこだわりが楽しめます。
2-3.クラシック、ダイバーズ、レーサーの3種をメインに豊富なバリエーション
オリスは幅広い機能とデザインで展開しておりシリーズが多いブランドですが、次の3種類のコンセプトに沿って展開されています。クラシック、ダイバーズ、レーサーの3つで、それぞれに対し1シリーズではなく数シリーズが展開されるのも珍しいです。
例えばダイバーズならアクイス、ダイバーズの2種類から選ぶことができます。レーサーならクロノリス、ウィリアムズ、アーティックスから選ぶことができ、同じコンセプトを共有しつつ全く違う世界観を見せてくれます。通常はダイバーズならこのシリーズ、と1コンセプトに1シリーズとするブランドが多い中、ダイバーズウォッチにも色々なデザインがあり手広く展開する中から選ぶことができるのはオリスの魅力です。そのどれもが本格的な機能を備えており、しかもリーズナブルともなればオリスフリークがいるのも頷けます。
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3.【Go Your Own Way】オリス
3-1.アクイス
アクイスは2011年が初登場と比較的新しいシリーズですが、オリスを代表するダイバーズウォッチとしてメディアへの露出が多いのが特徴です。逆回転防止ベゼル、夜光処理された針・インデックス、ねじ込みリューズによる高い防水性など、ダイバーズウォッチの要件を満たしつつ、シンプルな3針だけではなくクロノグラフやGMT表示などの機能を備えたモデルも展開されています。
本格派ダイバーズウォッチをベースとしながら幅広いカラーリングが用意されており、モダンな雰囲気も持ち合わせています。コラボレーションモデルもいくつか展開されており、モルディブの環境保護をサポートするために製作されたモデルや映画スターウォーズとのコラボレーションモデルなど、本格派ダイバーズウォッチのハイスペックな敷居の高さを感じさせません。ダイバーズウォッチとしての基本に忠実で選びやすいデザインなど、ダイバーズウォッチとしての一本目に適したシリーズです。
3-2.ダイバーズ
オリスのダイバーズウォッチコレクションの中でヴィンテージの雰囲気が最も強くなっているのはこのシリーズです。モダンで日常使いに向いたアクイス、プロ仕様のスペックを備えるプロダイバーが展開されています。過去の銘品を復刻させたモデルが多いのもあり、ダイバーズはヴィンテージな風合いが色濃く出ています。
特に1965年初出のダイバーズを復刻させたダイバーズ65の人気が高く、文字盤のカラーリングやインデックスに種類をもたせたモデル、オリジナルの世界観を忠実に再現しつつクロノグラフを追加したモデルなど、派生モデルも多く展開されています。
3-3.ビッグクラウン
ビッグクラウンはオリスが世界を代表するブランドになるステップにおいて重要なシリーズで、1938年に最初のモデルが発表されました。戦時中にパイロットがグローブを着けたまま操作できるようにリューズを大きくしたことが名前の由来で、今日に至るまで高い人気を誇るオリスのアイデンティティとなっているシリーズです。オリスのもう一つのアイコンであるポインターデイトと組み合わせたモデルが象徴的で、クラシック基調のパイロットウォッチといった位置づけです。
派生シリーズとして、ビッグクラウンプロパイロットとBC3などがありそれぞれビッグクラウンをベースに味付けがなされています。プロパイロットはより機能性・実用さを重視しており、夜光処理された針・インデックスやマットな黒文字盤など航空機のコックピットを彷彿とさせるデザインが特徴です。BC3はパイロットウォッチのタフなイメージにモダンなデザインを加えて、日常使いしやすい雰囲気にまとめられています。いわゆるパイロットウォッチシリーズといっても、いろいろなデザインから選ぶことができるのは長年機械式時計を見てきたオリスらしい展開です。
3-4.アートリエ
オリスを代表するクラシックシリーズの一角でしばしばアイコンモデルを展開するのがアートリエシリーズです。いわゆるドレスウォッチシリーズで、楔形インデックスやギョーシェなどクラシックなデザインでまとめられることが多いです。
機能やデザインに幅を持たせており、スケルトンやフルカレンダー、クロノグラフ、自社製ムーブメントを搭載した象徴的なモデルなどが展開されます。アートリエの決められたデザインコードは厳密にはないようで、オリスの幅広いデザインや機能を展開する手法を一手に引き受けつつ、クラシックデザインをベースにオリスのイメージをブレさせない機能を果たしています。
3-5.クロノリス
「クロノ」と「オリス」を組み合わせた造語クロノリス。1970年代に初代モデルが発表され、象徴的な卵型で厚みのあるケースが特徴です。モータースポーツをコンセプトにスポーティーな雰囲気と往年のクロノグラフのもつレトロな世界観で、ブラック・シルバー・オレンジのカラーリングでデザインされています。
3針とクロノグラフのみで展開されています。3針モデルは4時位置のリューズをまわすことで操作可能なインナーローテーティングベゼルを採用しており、目盛りと時分針を合わせることで簡易的なクロノグラフとしても使うことができます。
3-6.ウィリアムズ
モータースポーツをコンセプトに開発されたウィリアムズ。F1のチーム名ウィリアムズを由来としており、レーシングカーを彷彿とさせるデザインとなっています。マットな仕上げのステンレスケース、文字盤中央6時側の「W」のロゴ、ステンレスカラー・ブラック・レッドのカラーリングなどスポーティーな雰囲気を強く感じさせるデザインに満ちています。機能はシンプルな3針とクロノグラフに絞り込まれています。
レーシングカーのダッシュボードを彷彿とさせるデザインや、軽量さや強度からレーシングカーに採用されることの多いカーボンを文字盤やケース素材に搭載しています。チームの創立〇周年記念モデルなども展開しているので、時計ファンだけではなく本格的なレーシングカーのファンにも愛されるシリーズとなっています。
3-7.アーティックス
オリスのもう一つのレーシングカーからインスピレーションを得て開発されたシリーズがアーティックスです。正確にはクラシックなデザインのアーティックスとレーシングカーを由来とするアーティックスGTに分かれています。前述のレトロな世界観をもつクロノリスや本格レーシングカーを彷彿とさせるウィリアムズとは違い、モダンでスポーティーな雰囲気を楽しめるのがアーティックスGTです。
3針、クロノグラフに絞りこまれているのは同じで、シルバー・ブラック・レッドのカラーリングや夜光処理された針・インデックスなど、スポーティーな印象となるデザインコードをしっかり押さえています。スイスの伝統的なクラシックウォッチの雰囲気をもっているのか、モダンなパーツを使いながらも王道スポーティーの世界観にしっかり納まっています。両回転セラミックベゼルには独自のラバーのグットグリップを使うことで、操作性を高めるなどディテールにも凝っています。
4.【Go Your Own Way】オリスの時計を着けている有名人5選
4-1.俳優 大谷亮平 ダイバーズ Ref.733 7707 4035R
俳優 大谷亮平さんが着けているのはダイバーズ Ref.733 7707 4035Rです。大谷さんは複数の高級時計を着けており、ブライトリングのアベンジャーやオメガのシーマスターアクアテラなど、スポーティーなモデルを好んで着けているようです。
Ref.733 7707 4035Rは1965年に登場したダイバーズを現代の技術で復刻させたモデルです。ダイバーズ誕生から50周年を記念して発表されたシリーズで、ヴィンテージライクなデザインが特徴です。オリジナル当時のドーム型プラスチック風防をサファイアクリスタルで再現するのは高コストですが、忠実さにこだわっています。夜光処理も当時の色合いに近いカラーリングで再現されています。
4-2.俳優 上川達也 アクイスデイト Ref.733 7730 4135R_8
俳優 上川達也さんが着けているのはアクイスデイト Ref.733 7730 4135R_8です。上川さんはスポーティーなモデルを好んでいるのか、タグホイヤーカレラやGショック、エドックスなどスポーティーで堅牢なモデルを着けているのを多く見られています。
Ref.733 7730 4135R_8はダイバーズウォッチの代表シリーズアクイスの一本。逆回転防止ベゼル、ねじ込みリューズ、夜光処理された針とインデックスなど、ダイバーズウォッチの必要な要綱を押さえており、300m防水を確保した本格モデルです。グラデーションの効いたブルーの文字盤がシックで、カジュアルにもビジネスにも使いやすい一本です。
4-3.俳優 藤木直人 ダイバーズ65 Ref.733.7707.4064R
俳優 藤木直人さんが着けているのはダイバーズ65 Ref.733.7707.4064Rです。藤木さんは数々の高級時計を所有しており、フランスのトノーカーベックスやロレックスのオイスターデイトプレシジョンなど、様々なモデルを着用しています。
Ref.733.7707.4064Rは1965年に発表したダイバーズウォッチの復刻盤ダイバーズ65の一本です。逆回転防止ベゼル、ねじ込みリューズ、夜光処理された針・インデックスを備え100m防水といった当時のモデルに忠実なスペック・デザインとなっています。ケースサイズや耐振動など最新の技術も盛り込まれており、使いやすいヴィンテージライクな一本に仕上がっています。
4-4.俳優 ディーンフジオカ レクタングラー Ref.56176934061D
俳優 ディーンフジオカさんが着けているのはレクタングラー Ref.56176934061Dです。ディーンさんはランゲ&ゾーネのランゲ1やウブロのクラシックフュージョンなど様々な高級時計を着けていることで知られています。その他にもオメガスピードマスターなど、時計愛好家と思われます。
Ref.56176934061Dはオリスの中でも珍しいレクタングラーモデルです。リーフ針とオールアラビアインデックスを採用したシンプルでクラシックなデザインで、シックな雰囲気が特徴です。2段のベゼルで立体感を見せるなど凝ったディテールは伝統的な王道スイス時計たるオリスらしい造形です。
4-5.タレント 山下智久 アーティックス Ref.GT 735 7662 4174D
タレント 山下智久さんが着けているのはアーティックス Ref.GT 735 7662 4174Dです。山下さんは多くの時計を着けており、ブルガリオクトやオメガスピードマスター、タグホイヤーオータヴィアなど、エレガントさとスポーティーさが両立されたモデルを多く着けているのを見られています。
Ref.GT 735 7662 4174Dはレーシングカーを彷彿とさせるエレガントさが特徴のアーティックスGTの一本。セラミック製の回転ベゼルにはインデックスが刻まれており、簡易的なクロノグラフとしても使うことができます。文字盤外周部の見返しは文字盤へ斜めに落ちるような形状になっており、文字盤へ視線を集める視覚効果と立体感を演出しています。ベゼルのコインエッジがクラシック・エレガントな印象のスマートなデザインの一本です。
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5.【Go Your Own Way】オリスのおすすめモデル5選
5-1.ビッグクラウン プロパイロットタイマー GMT Ref.748 7756 4064F
Ref.748 7756 4064Fはオリスが一流ブランドへとステップアップした歴史において重要な位置のビッグクラウンシリーズの一本です。視認性・機能性を重要視したプロパイロットモデルで、GMT針は赤い三角形が先に付いており第二時間帯を一目で認識できます。
ビッグクラウンの通りの大きめのリューズ、回転ベゼルは操作しやすいようにコインエッジとなっています。ねじ込みリューズにより防水性100mを備え、視認性の良い夜光処理された針・インデックスなど実用性に特化しており、日常生活でも使いやすい機能が備わっています。セリタ製ムーブメントにモジュール追加しているためリーズナブルな価格帯も魅力的です。
5-2.ダイバーズ 65 12H キャリバー400 Ref.400 7772 4054R
Ref.400 7772 4054Rは1965年から始まるダイバーズの歴史から50周年のときに発表されたダイバーズ65の一本です。最大の特徴は最新の技術で開発された自社製ムーブメントが搭載されていることで、オリスの中でもハイエンドモデルに位置します。搭載されているCal.400は30以上の耐磁性をもつ部品で構成されており、ISO 764で定められる基準を超える耐磁性をもっています。
また、パワーリザーブは5日間保つため、平日使う際には止まることがありません。自動巻きのため普段使いしていれば、生活によっては常に動作しているかもしれません。オリスとしては自信作のためか、保証は10年確保されています。レトロな雰囲気がただようデザインで、シンプルなダイバーズウォッチですが最新の技術が搭載されている古風なオリスらしいモデルです。
5-3.アーティックス GT クロノグラフ Ref.774 7750 4153M
Ref.774 7750 4153Mはレーシングカーにインスピレーションを得て開発されたアーティックスGTの一本。スマートなクロノグラフウォッチといった印象ですが、細かな細工が多いモデルです。インデックスが刻まれたベゼルはセラミック製で回転機能付きなので、簡易的なクロノグラフとしても使うことができます。
ベゼル、ラグ、ケースなど角部には大きな面取りが施されており、多角的で立体感のあるシルエットが印象的です。ブラックをベースにした文字盤にクロノ針、積算計の針の先端は赤とすることで視認性とスポーティーな印象付けに一役買っています。クロノグラフのプッシュボタンは控えめで、時計全体の形状がスマートでエレガントな印象となるのも、そうしたディテールの業といえます。
5-4.アクイス GMT デイト Ref.798 7754 4135R
Ref.798 7754 4135Rはオリスを代表するダイバーズウォッチシリーズのアクイスの一本。夜光処理されたインデックスと針、ねじ込みリューズ、視認性の良いシンプルな機能により、300m防水とダイバーズウォッチの要件をしっかり満たしている本格派です。ベゼルはダイビング用のものではなく、GMT用の24時間計を示すものとなっています。
黄色く縁取りされた三角が先に付いたGMT針が特徴で、時差分をずらして設定しておくと時刻の進みに同期され、設定した国の第二時間帯が常に把握できます。シースルーバックの裏蓋からはオリスの象徴ともいえるレッドローターが見え、ムーブメントの駆動を鑑賞できます。
5-5.ビッグクラウン キャリバー473 Ref.473 7786 4065-07(2023年新作)
Ref.473 7786 4065-07はオリスにとって象徴的なシリーズのビッグクラウンから最新の技術を搭載したアイコニックなモデルとして発表しました。キャリバー473、Cal.473はオリスが自社製ムーブメントを発表してから10番目となる手巻きムーブメントとなります。高耐磁性、5日間パワーリザーブとパワーリザーブ表示、10年間メンテナンスが不要とユーザーライクで実用的な機能を搭載しています。
ビッグクラウンにポインターデイトを組み合わせることで、オリスのアイコンモデルとしての強い意志を感じさせます。ヴィンテージライクなブルーの文字盤に、ドーム状に加工されたサファイアクリスタル風防、サステナブルな鹿革のストラップなど、伝統を守っていくことと最新の技術・考え方を融合させたモデルです。
6.【Go Your Own Way】オリス
オリスの歴史、魅力、代表シリーズ、オリスの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。クオーツ時計をつくらず機械式時計にこだわるブランドは実は世界的に見ても多くありません。コンセプトとして掲げる真のスイス製機械式時計の通りのモデルを多く展開しており、自社製ムーブメントの開発もスピードアップしています。次の新作が待ち遠しいブランドの一つです。もし街中でオリスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。